2012.03.15 (木)

清水盛三が語る
低水温期の切り札、フェイス・カラーローテーション編

前回このコーナーで紹介した『The Hit』池原ロケに続いて、渡米直前の『The Hit』末武川ダムロケでもフェイスが大活躍。水温6.5℃、寒冷前線通過に伴う大雨強風のなかでの厳しいロケとなったが、清水盛三こだわりのカラーローテーションがビッグフィッシュを搾り出す。

「またまたやっぱりフェイスでしたね~ 極寒のなかホンマに心が温まる魚でしたワ~」

水温が10℃を切る冬から早春のこの時期は、ホンマにフェイスが強いね。ボトムから浮いているやっかいなバスを、止めて見せて浮かせて口を使わせることができるからね。

そのためには、板オモリを張ってサスペンドかスーパースローフローティングに設定することが絶対に大事。

前回の記事(『低水温期の切り札、フェイス』)では板オモリの張り方、タックルセレクト、ジャークのやり方、そしてカラーセレクトなんかを一通り解説したけど、今回はもうワンランク・ステップアップするために、末武川ダムロケでもキーになったフェイスのカラーセレクトについて僕なりの考えを説明したいと思うんでじっくり読んでくださいね。


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■ 重要! ジャークベイトのカラーセレクト その理由とは・・・

普通、ジャークベイトって小魚っぽい形やしクリアウォーターで多用することを考えると、本物の小魚に似た色、しかもそのフィールドのメインベイトに合わせた色がいいと思うかもしれへんけど、そうではない。もちろんそういう考え方もありやけど、あくまでルアーはルアーやし本物のエサではないねん。

ルアーという偽物を操って、バスが本能的に反応する動きを与えて口を使わせるのがルアーフィッシングの醍醐味。特にハードベイトの釣りはそう。バスがルアーに反応する理由って食性だけじゃないからね。で、バスが本能的に反応する動きを、より魅力的に見せるために重要なのがカラーセレクトなんやね。

前にワイルドハンチのカラーローテーション(『ワイルドハンチ・シークレットテクニック』)について説明したことがあったけど、フェイスなんかのジャークベイトではクランクベイトよりもっとシビアに考えんとアカン。

なぜかというと、ジャークベイトはクランクベイトに比べてクリアな状況で活躍するルアーやし、止めて使うルアーでもあるよね。つまり、見せて口を使わせるルアーなんで、よりカラーセレクトが釣果にダイレクトに反映しやすいねん。

モリゾーのアメリカトーナメント用、本気ボックスのフェイス達。これでもごく1部。
『ワイルドハンチ・シークレットテクニック』では、クランクベイトの場合、釣ったバスのフックの掛かり方を見て、「ガッツリ喰っているときは同系色で、浅掛かりのときはガラッと変える」って説明したけど、ジャークベイトの場合は「針掛かりが浅いときでも、ガラッとカラーチェンジするのではなく微妙に変える」ことが多いかな。ほんまにちょっとした違いで結果が変わるからね。

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■ 水質別・モリゾー流カラーローテーション

少し具体的に説明していくと、僕の場合、フィールド、透明度、天候など関係なしに最強だと思っている色がクラウン。過去20年間の実績がすべてを物語っているね。

今でこそクラウンって一般的になったけど、以前日本では全く好まれなかった色で、僕は日本でジャークベイトが一般的じゃなかった20年以上前からラトリンログのクラウンで釣りまくっていた。本当によく釣れる最愛のカラーですワ~

だから、日米いろいろなフィールドで釣りをするけど、どんなフィールドでもまずはクラウンから入ることが多いで、そこからいろいろまわしていくんやけど、いちばん基準にするのは水の色かな。

例えば、クリアな状況ではクラウンホログラムワカサギゴーストオイカワというローテーションが考えられる。これは、ナチュラルベースのメタリック系、ゴースト系のなかでのローテーションになる。

濁りぎみならクラウンライムサワーブルーバックチャート。これは、チャート系、オレンジ(ベリー)系なんかの派手目のなかでのローテーション。

中間的な水の色ならクラウンマットスプリングシャイナーアユ。これは、パールや薄い黄色でボワッと光る膨張色系のローテーションで、クリアでも濁りでもどっちに振れてもいけるんで、多すぎて迷うようならまずここから揃えるといいかもね。

また水の色とは関係なしにバスは、「キラキラ光るのが好きなとき」「透けるのが好きなとき」「ボワッと光るのが好きなとき」があるんで、カラーラインナップをそんな感じで分類して揃えていくのもいいね。

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■ モリゾー流カラーローテーション実践例

『The Hit』末武川ダムロケのときは、水質が思っていたよりもクリアだったんで、まずは定番のクラウンから入って、ホログラムワカサギアユハーフミラーワカサギゴーストケタバス(今テスト中の新色)あたりをローテーションさせていった。

で、2ジャーク1ポーズ(約5秒)のアクションをメインに流していくと、ゴースト系カラーのゴーストケタバスでいい感じのバイトがあったんやけど乗らなかったんですワ〜

一応ジグヘッドのフォローを入れたんやけどダメで、まぁこれは予想通りで、番組中にも「フォローでは喰わへんやろな~」と言っていたように、「しっかり当たってきたけど乗らない」ってときはルアーが合ってるってことなんで、次にすべきなのはカラーチェンジなんやね。

そこで、これをヒントに「バスにもう少しルアーが見えやすいように」と考えて、ゴースト系よりは若干強めの「おとなしめのメタリック系カラー」クラッシュシルバーシャイナーにチェンジして流していったんやけど、結局同じ場所に入りなおしたときに40後半のグッドサイズを獲ることができた。

このクラッシュシルバーシャイナーというカラーは、全体の感じはブラウン系で地味だけど、そのなかにつや消しっぽいホロを使って独特に少し光る要素を持たせたもの。上では紹介できなかったけど、クリアな状況でホログラムワカサギとゴーストオイカワの間に入る色で、今のところこれに代わる色はないんで、僕のなかでは絶対外せないね。


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■ 1本目をヒントにさらなるカラーローテーション 結果は・・・

この1本はもちろん狙い通りのビッグフィッシュでうれしかったけど、実は喰い方がちょっと気に入らなかってん。テールフックに掛かってたんで躊躇して喰っている感じかなと・・・

まだまだ探していく過程で釣れた1本に過ぎないんで、これをヒントにもっとはっきり見えるようにクラッシュシルバーシャイナーから、さらにキラキラが強いホログラムワカサギを使ってみたんだけど反応がない。そこで、「逆にトーンダウンさせてみよう」ともう一度ゴーストケタバスに戻してみた。最初のバイトはミスバイトだったけど、いい感じのアタリだったからね。

するとそれが当たって、またまた40後半のグッドサイズを獲ることができた。

コイツは真ん中のフックに掛かっていて、1本目の40upよりいい喰い方をしていたんで、「だんだん正解に近づいてきたぞ~」という感じでホンマはもっと煮詰めたかったけど、雨風が強すぎてお昼の長い休憩があったせいで、すぐに「エンディングのコメント撮りをします」ってことで釣りは終了。

やっと見えてきたところだったし、もう少しできればまだ獲れてたはずなんで残念やったけど、ホンマにちょっとした違いで釣果に差が出るってとこは見てもらえたと思いますね~ もしあそこでカラーローテーションをしなければ釣れなかった魚かもしれへんし、1つのヒントからどんどん変えていくことが大事。

もしヒントがなくても「1時間投げて何もなかったら変える」とか、「『ここはおるやろ!』という雰囲気のある場所を通して喰わなかったら変える」、というようにどんどん変えて経験値を増やしていくしかないね。


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■ プリスポーンの時期に効果的なカラー

たとえレギュラーサイズを狙っても簡単には釣れないのがこの時期なんで、どっちにしても釣れないのなら大きいのが釣れるフェイスを使うのも1つの手。もし僕が3月に日本にいてロケがあるならば絶対にフェイスで釣りますワ~

そのときもまずはクラウンから入るけど、プリには派手目のカラーが効くんでボワッと光るマットスプリングシャイナーや、もっと目立つモリゾーピンクパッションオレンジなんかも選択肢に入ってくるね。

日本のみなさんにも、ぜひこの三寒四温の厳しい時期はフェイスのカラーローテーションで乗り切ってほしいですね~
■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-64M マニピュレーター
ライン:フロロカーボン10~12lb
ルアー:フェイス

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/


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