2013.04.19 (金)

清水盛三が語る テキサスリグへのこだわり

日本、アメリカ、取材、試合・・・あらゆる場面でバスフィッシングの王道スタイル「巻く釣り」&「撃つ釣り」を戦略の中心に据え、勝負し続ける清水盛三。

2013年、50アップを連発した『Burning Heart』淀川ロケ、ビッグウェイトを叩き出したバスマスターエリートシリーズ・ファルコンレイク戦では「撃つ釣り」がメインに。

「撃つ釣りの主力はテキサスリグ」と語るモリゾーが、そのこだわりを紹介します。

■ スモールシルエットワーム+ヘビーウェイトシンカーで50up×2

いや~ホンマにきびしいロケでしたね~『Burning Heart』(釣りビジョン)のラストロケ地に選ばれたのが地元大阪の淀川。結果的に50アップを2本獲れたけど、真冬の2月に淀川でロケなんて普通は誰も受けへんで、厳しすぎて。

でも、たとえどんなに厳しい状況だろうが、与えられた条件の中でよりクォリティの高いデカイ魚を狙わないと勝てないトーナメントを想定した、本当のリアルを求めた番組なんで、僕も清水盛三の本当の姿、トーナメントプロとして全力で魚を探していった。

わずかな手がかりを元に、作戦を立て直して臨んだ2日目・・・
とはいえ現実、初日のプラクティスデイはノーバイトでほとんど何もつかめないまま終わってしまい、「えらい場所を選んでくれたなぁ~」と・・・(笑)

で、その晩寝る前に初日を振り返っていろんなことを考えて、初日には持って行かなかった、しかも今までほとんど使ったことがないワームを持って行くことにした。それが2日目、50アップを2本獲ったバイズシュリンプというワームの3.5インチやったんですよ~

3.5インチ+10.5g+22lbの組み合わせで答えを導き出した。
初日は下流から上流までいろんなエリアを見てまわったけど、ブッシュカバーエリアでは僕のテキサスリグの基本である4.5インチのワームに7gシンカー、フロロ22lbという組み合わせで釣っていた。

それで全くアタリもなかったんやけど、でかいのはシャローカバーにいるけど喰わないだけだとアメリカでの経験から予想できた。だから、「フォールスピード」を速くしてリアクション的に無理やり口を使わせようと考えたんですわ~

そこでシンカーのウェイトを重くしワームのシルエットも小さくして、より「フォールスピード」を速めてやろうと考えて、3.5インチという小さめのワームに10.5gという重めのシンカーを組み合わせた。

もちろん活性が低い冬ということもあるんで、一口で吸い込みやすいようにスモールシルエットにしたという意味もある。

2日目は、このスモールシルエット&ヘビーシンカーのセットでブッシュカバーを撃ち切って5バイト2フィッシュ! 狙い通り2本とも50アップやったけど、ミスした魚も一瞬見えた感じだと余裕の55アップだったんで悔しかったですね~

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■ 10.5g→8.8g→7.0gでビッグウェイトをマーク

それと、ファルコンレイクでのバスマスターエリートシリーズ第2戦でもテキサスリグがメインだったね。

この試合ではテキサスリグ用に同じロッドを4本、ワームとフックもすべて同じもので、シンカーとラインのサイズだけを変えて用意していた。そのセッティングで日に日に変わる状況にアジャストしていったんやけど、ここでもキモになったのがシンカーのウェイトやったね。

たかだか1g、2gという微妙な差が・・・
初日は約15lbと出遅れてしまったんやけど、バイズクロー・ポートリー4.8インチに10.5gシンカーの組み合わせをメインに使っていた。

そこで、2日目は「少し変えなアカン」と考えて、ワームは同じままでシンカーが8.8gのセットを使い、「フォールスピード」を少しだけスローにしてみたらそれが大当たり。27lb以上のビッグウェイトを出すことができた。で、一気にジャンプアップして準決勝進出!

大きな差を生み出すこともある。だからこそ・・・
で、3日目も8.8gで釣り始めたんやけど、あまり釣れない。というのも、前日までと違いこの日は無風で、タックルは全く一緒だったけど、前日見つけた「釣れるフォールスピード」とちょっと違っていた。風があった昨日の「フォールスピード」よりも、風がない今日の「フォールスピード」の方が若干速くなっていたんやね。

で、それを感じとったんでウェイトを微調整、7gに変えてからアタリ出した。結果この日も21lb以上のビッグウェイトを釣ることができた。残念ながら決勝の12人には残れなかったけど、いい感じでアジャストできたと思うわ~

派手なテクニックだけを追いかけるのではなく・・・
たかだか1g、2gという微妙な世界なんやけど、このちょっとしたことに気付いて、実際に動けるかどうかで、1日やると結果に天と地ほどの差が出るねんなぁ~

ライトリグでなら1g、2gというのは大きな差になるというのはわかると思うけど、豪快そうに見えても、カバー撃ちってホンマはものすごく繊細っていうことを知ってほしいなぁ~

地味なことを地道に積み重ねていく、それが夢にたどり着く道だと信じて。

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■ モリゾーこだわりのテキサスリグシンカー、ついに完成

そんな僕のテキサスリグ、特にカバー撃ちの釣りを支えてくれている道具の1つが、近々発売になるE.G.タングステンバレットシンカー

従来のシンカーで使い勝手が悪かったところをなんとかしたいと2年間テストしてきた、こだわりのシンカーですわ~

で、まずこだわったのがワームとの一体感。そのために気にせなアカンのがノット部分やねんけど、カバー撃ちで太いラインを使うとどうしても結び目が大きくなるんで、それがワームとシンカーの一体感を邪魔しているんやね。みんな結び目の大きさまではあまり気にしてないかもしれへんけど・・・

でも、ワームとシンカーに一体感がないとカバーに入りにくくなってそれがストレスにもなるし、第一見た目も不細工やん。そこで、ノット部分がシンカー内部にきれいに収まるようにした。(※下図③)

それと一般的に、同じメーカーのシンカーでも重いところと軽いところではラインを通す穴(パイプ)の径が違っていて、軽い方のパイプ径が細くなっていたりするよね。でも、それじゃアカンねん。パイプ径が細いと太いラインが全く通らなかったり、通しにくかったりするやん。

ライトウェイトシンカー=ライトラインとは限らないのがカバーの釣りやからね。20lb以上のラインで3.5g、5gなんかも使えないと、様々な状況に対応できなくなってしまう。だから、このシンカーは軽い方のウェイトでも重い方のウェイトと同じサイズの太径のパイプを使っている。(※下図②)

で、パイプの形状も特殊で、先端をあぶって溶かしてなだらかにアールをつけている。(※下図①)いちばんラインが擦れるパイプの端面にひと手間掛けることで、フリッピング、ピッチングなんかの近距離戦での強烈なアワセによるラインブレイクのリスクを減らした。

もちろん、細い糸を使う場合にも同じ効果があるのは言うまでもない。

ホンマにこれらの特徴がどれだけ意味のあることか、カバー好きの人ならわかってくれるよね。釣り方だけじゃなく、道具の機能においてもちょっとした差が大きな差になるんで、僕は道具にも徹底的にこだわっているんですわ~。

ウェイト選択については、風がないときほど軽く、風があるときほど重くするというのが基本的な考え方。

あとは、濁っているほど軽くするかな。あまり速く落とすと、バスから見つけにくくなってしまうからね。逆もありで、クリアなときはバスに見切られないように重くすることもあるね。まあ、僕の場合、7gを基準に考えることが多いかな。


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■ テキサスリグのキモはフォールスピードの微調整

それである程度やってもダメなときは、まずワームのカラーを変えてみることが多いな~ ちょっとした差というのはルアーのカラーにも言えることで、今までも何回か紹介してきたように、ホンマにちょっとしたことで結果がガラッと変わるからね。

もちろんその間にもフォールスピードが合っているかということは常に考えているんで、カラーチェンジで結果が出なければ、次にシンカーの重さを変える。淀川のときは「軽から重へ」、ファルコンレイクでは「重から軽へ」というチェンジでハマったけど、こればっかりはいろいろ試してみて経験値をあげていくしかないね。

モリゾーの試合用テキサスリグシンカーBOX。
テキサスリグはホンマにシンプルで簡単。と言いたいところやけど、ワーム、フック、シンカー、ラインの組み合わせによる「フォールスピード」の調整は無限にできるし、カバーに入れた後の動かし方まで考えると超奥が深いよ。

一般の釣り人が気付かないようなちょっとした差が大きな差になるということは、アメリカでも嫌というほど経験してきたし、バスマスターエリートシリーズで生き残るためには、派手なテクニックばかりじゃなく、今回紹介した一見地味なことを地道に積み重ねることがホンマに大切やねん。

でも、難しく考えすぎるとイヤになってしまうんで、まずは「釣れるフォールスピード」を見つけるための調整ということだけを考えてやってみたらいいんじゃないかなぁ。

そのために一番簡単なのは、シンカーの重さを変えることなんで、面倒くさがらずに試してみてくださいね!

■タックルデータ
【淀川】
ロッド:タクティクス TCSC-77X モリゾーフリップ
ライン:フロロカーボン22lb
ルアー:バイズシュリンプ 3.5インチのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 10.5g

【ファルコンレイク】
ロッド:タクティクス TCSC-77X モリゾーフリップ
ライン:PE56lb・70lb
ルアー:バイズクロー・ポートリー 4.8インチのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 7g・8.8g・10.5g

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/


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