2009.06.29 (月)

菊元俊文の必殺テク、 ロイヤルフラッシュ・デッドスティッキング

先日オンエアされた「The Hit」見てもらえました?
やっぱり、ロイヤルフラッシュは凄いルアーでしたわ!

ロケ当日の青野ダムは減水傾向でカバーもほとんど無く、バスどころかブルーギルさえ全く見えない状況。ところが、このポスト~アフタースポーンの時期はロイヤルフラッシュのデッドスティッキングが極めて効果的だと知っていた僕は、どう考えてもタフな状況で、それを押し通した。そして50cmを頭に3本のデカバスを引き出すことに成功した。

ここでは、番組では解説しきれなかったロイヤルフラッシュの必殺テクであるデッドスティッキングについて詳しく紹介しようと思う。

プレゼンテーションは風上から

p_0332_006_1246005655ロイヤルフラッシュは五節から構成される多連系ビッグベイトである。長年のテストから生み出された、絶妙なセッティングにより、キャストして放っておくだけのデッドスティッキングにおいて、水面で、自発的に極めてナチュラルにくねり、もだえる。

それは、わずかなラインテンションの影響だけでも動く、アングラー側が出そうとしても出せない魅惑的な動きである。

それに加え、風、波、流れを利用し味方につけることで、さらに魅惑的なアクションでビッグフィッシュを惹きつける。当たり前だが、無風より、少しでもルアーを「勝手に」動かしてくれる要素があったほうが良いということである。あまりにも強風は良くないが、風が当たることでベイトフィッシュも寄りやすくなる。

この時、プレゼンテーションは風上からのキャストが理想だ。

なぜなら、ルアーが風でアングラーと反対方向に引っ張っていかれるほうが、一箇所でアクションさせやすいからである。

逆に風下からのキャストになるとボートポジションはキープしやすいが、ラインの抵抗と相まってルアーが手前に寄りやすいのでできれば避けたい。

p_0332_010_1246255023風もしくは流れを利用して1箇所でウネウネもだえさせるのが理想なのだ。特にポストスポーナーのまだ体力が完全回復していないデカバス、アフター回復でもややレンジが深いバスには、できるだけ移動させず、1箇所でもだえさせること。これがデッドスティッキングのキモとなる。

バスは大抵、ゆっくり浮上してきて「パフッ!」と吸い込むことが多い。まるで、浮子がゆっくり消し込まれるようなバイトがポストスポーナーの特徴だ。アワセはルアーが水中に引き込まれてから、スウィープに大きく行う。


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ラインの選択とロッド操作が重要

でもその前に重要なのが、浮上してきたバスがすぐにバイトせず、ルアーを観察するような仕草を見せた時の対処法だ。この時最も駄目なのが、「ビシッ!」と鋭くアクションをつけてしまうこと。これは厳禁。

誘いのアクションは、あくまでもソフトかつデリケートに、ゆっくりとほんの少しだけラインを張ってやるぐらいのニュアンスで丁度良い。水中のラインが鋭い糸鳴り音を発するのは最悪である。

p_0332_014_1246256135着水直後からサミングして余分なラインを出さないようにして、ロッドティップも高いポジションに保ち、ラインを水に着けないように配慮しよう。

となると、あまりロングキャストしてしまうと物理的にラインが水に浸かりやすくなるので、基本的には20mも投げない。

TV等の映像ではかなり遠くまで投げているように映るものだが、実際はそんなにロングキャストはしていない。10m~15mくらいが最も多用するキャスト距離である。

引っ張ってきて喰わせるのではなく、一箇所で浮上させてバイトさせるので、ロングキャストよりむしろ正確なアキュラシーが重要なのだ。

ロッドは、レギュラーテーパーで投げやすく、強靭かつ軽量なヘラクレス・アクテオンが僕のメインだが、より軽いヘラクレス7でもロイヤルくらいの重量なら全く平気だし、ラクである。

p_0332_016_1246007898そして前述したように、ラインを水に着けたくないので、フロロではなく比重の軽いナイロンラインを使うのもキモである。僕はデカバスでも極力抜き上げたいので、バスザイル・フレックスハード30lbを使用している。

以上のベストなタックルバランスでロイヤルフラッシュを使えば、より正確なキャストと誘いの動作、ランディングがよりイージーになるのは間違いない。


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輪ゴムチューンとノンチューンの使い分け

さらに季節が進みサマーパターンに移行してくると、シェードや水通しを意識して攻める。勿論、ドピーカンのカンカン照りより、曇天や雨あるいは風といった要素があるほど、デッドスティッキングは有効となる。

p_0332_020_1246267674ただし、リザーバーのバックウォーターや激流の川などでは、晴れていてもチャンスは充分にある。その際は、流れを利用した「ドリフティングメソッド」が有効となる。どんどんルアーが流れて行ってしまうところより、ルアーがそこでだけ止まったり、反対に流れるところを集中的に狙ってやる。

こうした「流れのヨレ」、「反転流」はロイヤルを生き物に変えるといっても過言ではないほど艶かしく演技させてくれるのだ。バイトは、止めている時かリトリーブ開始直後に多い。

ちなみに、僕が激流でロイヤルを使う時は輪ゴムチューン(輪ゴムで第一節を止めるウェイキングチューン)は行わず、ノンチューンで使用する。輪ゴムチューンは水面をゆっくり引くには良いが、速巻きに耐えられなくなってしまうのだ。そのため激流では使いづらくなってしまうので、潜らせて使う時と同様にノーマルの状態で使うのが良い。

菊元的にはクリアーウォーターや激流でデッドスティッキング&リトリーブを併用したい時、潜らせたり速引きをしたい時はノーマルのロイヤルフラッシュを使う。

ノンチューンでは、極めてナチュラルにロールをほとんどせずタイトに泳ぐ。スピードが速くなるにつれ、その泳ぎはよりタイトかつハイピッチになり、限界スピードを超えると左右にバランスを崩す設定になっている。これは設計時の狙い通りで、ベイトフィッシュの動きに極めて近い。

p_0332_026_1246254345一方、輪ゴムチューンは、ロールと水押しが強くなるので、マッディーウォーターでの水面をゆっくりウェイキングさせたい時がメインとなる。

デッドスティッキング時の動きは、ノーマルに比べやや自由度を欠くが、それでも多連ならではの動きで充分にバスを誘ってくれる。実際、「The Hit」の時はデッドスティッキングで釣ったが、濁っていたのとウェイキングも併用していたので、輪ゴムチューンを使用していた。

止めているだけで、ビッグバスを誘ってくれるルアーなどそうあるものでもない。アフターのビッグバスに水面を割らせる威力をもつロイヤルフラッシュのデッドスティッキング。この機会にぜひマスターして下さい。面白いよ。


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タックルデータ

p_0332_028_1245993439■タックルデータ
ロッド : ヘラクレス HCSC-74X アクテオン
ライン : バスザイル・フレックスハード30lb
ルアー : ロイヤルフラッシュ


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