スーパースタリオンGT3RS
開発ストーリー
鋭く撃ち抜く打撃系の張り詰めた硬さ。
締め上げるような柔術系の粘り強さ。
経験と技術の結晶による異次元のアップデートを経て、
スーパースタリオンの理想形がついに誕生する。
プロローグ
とある事情により存続の危機に立たされていたスーパースタリオンGT2RS。ブランクスは最先端、ガイドとグリップは旧式という意外なセッティングに辿り着いたスーパースタリオンの最終結論といえるモデルであるが、そのコンセプトを実現するために必要不可欠なガイドの製造中止が決定されたのだ。
特性が変化するのを覚悟して、ガイドを現行モデルに総入れ替えしてマイナーチェンジするか……それとも、そのまま廃版にするか……その2者択一かと関係者の誰もが思う中、今江克隆の思いは別だった。
「ガイド構成をリセッティングするだけでなく、今までインスピラーレで培ってきた超高弾性高剛性カーボン・トレカ®M40Xを導入することで、必ず化ける」。GT2RSからGT3RSへのアップデートが決定した。
スーパースタリオン
アップデートの歴史
初代スーパースタリオン誕生(カレイド)
業界初の4軸クワトロカーボンクロス全身搭載モデルとして開発され、メキシコ・レイクバカラックで多くの60cmオーバーとの実戦テストを経て、2009年に市場デビューした初代スーパースタリオンは、独自のビッグバス哲学で構成されたヘビー級ロングバーサタイル。
当時のテムジンシリーズ最強クラスのパワーを備え、圧倒的な遠投力と猛烈なフッキングパワーを発揮する一方、高弾性ハイテーパーブランクス&ダブルハンド・ストレートグリップによる手元重心&メガホン効果で、7フィートオーバーのパワーロッドとは思えない軽快な操作感と、ルアーの振動や底質の感知力に優れるモデルであった。
スイムベイトやジグを大遠投して、時には縦さばきで、時には横さばきで、そして積極的に感じてアグレッシブに掛ける。この一連の動作を苦も無く実践できる上、60cmオーバーの強烈な引きに耐え巨体を浮かせる。巻き物系にも撃ち物系にも対応するヘビー級ロングバーサタイルとして、唯一無二の存在感を発揮し続けた唯我独尊の暴れ馬、それが初代スーパースタリオンだった。
2代目スーパースタリオン
(インスピラーレ・トーナメント)
初代スーパースタリオンのデビューから5年。その間にも進化を続けていた4軸製法に関連する理論や技術を取り入れ、さらなる強靭化とさらなる軽量化を果たし、2代目スーパースタリオンが登場。
カレイドシリーズで業界初採用した4軸、±45°製法に加え、元ガイドから下のバット部分に斜め補強の密度が高くより大きなパワーを発揮する±30°製法を新たに導入。2種類の4軸素材を同時に採用したハイブリッド・フルラッピング仕様で、強烈なパワーにさらに磨きをかけている。
そのうえ、独自のセミマイクロガイドセッティングにより軽さやシャープさも進化。そのブランクスの軽量化に合わせてグリップ部も、フォアグリップレス、セパレートグリップを採用して軽量ハイバランス化。
モンスターを余裕で浮かせるパワーのみならず、気難しいビッグバスを相手にする際に重要な、正確無比な操作性、そしてヘビーウェイトルアーを1日中振り抜くことができる軽量性を併せ持つハイパワーロッドの理想形として進化を果たした。
3代目スーパースタリオン
(インスピラーレGT2RS)
20年に一度の革新的素材と言われるトレカ®T1100Gカーボンの登場を機に、3代目スーパースタリオンが登場することになる。スーパースタリオンGT2RSである。
ブランクス全身域に、東レが世界に誇るトレカ®T1100Gを採用したことで、軽快かつシャープな感覚の中に秘める、驚くべき強烈なパワーと分厚いトルクにさらに磨きがかかる。そして前代に引き続き、ベリー~バットを40トン高弾性カーボン、ティップ〜ベリーを±45°カレイドクワトロクロス、バット部を±30°スーパークワトロクロスで締め上げていることも、このブランクス性能の実現に大きく貢献している。
インスピラーレシリーズには、ブランクスは同一ながら、ガイドやグリップセッティングの異なる2シリーズが存在する。今江が試合を戦うために一切の妥協をせず、コスト度外視でつくる最先端ハイスペックレーシング「RSシリーズ」と、機能とコストのバランスを兼ね備え、陸っぱり&一般ユーザーの長年の仕様に耐えるシンプル&タフ「GTシリーズ」である。
しかし、このスーパースタリオンGT2RSは、トーナメントで必要な機能(RS)と陸っぱりアングラーのニーズ(GT)が合致したレアなモデルであり、今江がトーナメントで使用するモデルながら、ガイドやグリップのセッティングが、他のRSシリーズとは異なっている。
その最新式ブランクスには、旧式ともいえる大口径チタンフレームSiCリングのダブルフットLNタイプガイドを、あえて採用。初代と2代目は11個だったガイド総数は、7フィート1インチの全長に対して異様に少ない9個とした。
その意図は太ライン放出時のスムーズさ向上に加え、ガイド径が大きく数も少ないほうがラインの自由度が増し、ルアーの振動をより大きく明確に感じることができるからである。また、スイムベイトやジグのようなスラックラインを多用する釣りにおけるアドバンテージもある。
グリップの素材はRSシリーズのAAAシャンパンコルクを使用しているが、形状はGTシリーズ標準となるストレートタイプを採用。空気を孕んだ最高級コルク素材で、しかも表面積が大きいストレートグリップ。ハイテーパーブランクスとの相性は抜群で、バットの太さとダブルハンドの中空パイプ構造がメガホン効果を発揮するため、振動伝達力は圧倒的。
そのうえ、ストレートグリップはハイテーパーロッドの剛性感をさらに向上させる働きも持つため、とりわけ大型巻き物&スイムベイト系ロッドとして、キャスティング、振動&バイト感知、フッキングすべてにおいて最高峰を極めた存在感を放っていた。
GT2RSに降りかかる
存続の危機
MHパワー表記でありながら適合ルアーウエイトは3/8~3oz。ヘビーバーサタイルロッドの代表格として数々のアップデートを経て、ボート、陸っぱりアングラーに支持されるだけでなく、国外の怪魚を狙うようなアングラーからも好評価を得ていたスーパースタリオンGT2RS。
しかし、そのコンセプトの根幹でもあった使用ガイド(ダブルフットLNチタンガイド)の廃版が決定されたのだ。このガイドは旧式のため、最新ガイドを採用するロッド製造メーカーが多いことからも製造中止はやむを得ないのだろう。しかし、これによりロッドの製造も中止に追い込まれることに……
コンセプト完成度の高さ、市場評価の高さもありGT2RSをこのまま廃版にするのは、あまりに惜しい。とはいえ、ガイドを現行モデルに総入れ替えしてマイナーチェンジモデルを出すことは、下手をすれば改悪になりかねない。
よしんばGT2RSと同等レベルに仕上がったとしても、それでは正直復活させる意味も必要もないのでは……とGT2RSに対する思いは強大なものがあった。
だが、そこに第3の選択肢が現れた。それが、高強度高弾性カーボン「トレカ®M40X」の登場で可能になった「GT3RS」へのフルモデルチェンジ、という選択だった。
GT2RSリリース後、時は進み、フィールド事情や市場のルアー事情も変わり、それに合わせてアングラーのロッドへの要求にも微妙に変化が起きていた。軽快で鋭敏な操作感はそのままに、キャストではウエイトを乗せて投げやすく、それでいて高重量にも負けずに、何なら今まで以上に重たいルアーも使用したい……
狙いは定まった。「投げ心地と操作感」「軽量性と耐久性」という相反する要素、これらをブラッシュアップする。相当な難題である。しかし、考えがあった。低負荷の時と高負荷の時で、特性が変化してくれるロッドに仕上げることができれば、この難題を克服できる。
つまりは、高負荷(キャスト、ファイト)では柔軟な反発力がありながら、低負荷(操作)では適度な張り感があるロッドである。これなら、さらに投げやすく、さらに操作しやすくなる。もちろん、高精度キャスト&操作のための軽さと、重量級ルアーを扱うための強さも同時に持ち合わせていなければならないが……
そのためには、ブランクス設計とガイドセッティングの双方向から、ブラッシュアップを図る必要があった。そして、試作とテストを繰り返した結果……事前に考えた通りブランクス面では、最先端素材の導入、トレカ®M40Xの採用がキーとなり、ガイド面では、時代に逆行するステンレスフレーム、多点ならぬ個数を減らした少点セッティングを採用し、理想の完成を見ることとなった。
GT2RSを超える性能を
具現化する構想
ガイドセッティングをめぐる構想
ガイドセッティングの見直しについて、注目したいのがGT3RSの総ガイド数。トップガイドを合わせて8個という、21世紀の7フィートオーバーバスロッドとしては驚異的な少なさだ。ちなみに初代と2代目スーパースタリオンは11個、GT2RSは9個だったため、モデルチェンジごとにガイド数が少なくなっている。
【キャストフィール】
同一ブランクスでも、求める特性によって様々なガイドセッティングが存在するが、ここでの第一の狙いは、キャストフィールの向上である。
開発過程で行ったのは、ブランクスに負荷を掛けてティップ~バット各セクションのそれぞれのベンドカーブを見ながら、突っ張る部分を確認していく作業。そして、微妙にではあるが突っ張りを感じる部分を見つけ、その周辺のガイド間隔を広げるようにセッティングし直す。ガイドフットの影響を弱めることで、負荷が掛かった際にブランクスを曲がりやすくしてやるのだ。その結果、ガイドは1個減って8個に。
以下は、GT2RSとGT3RSのガイド間の距離を比較したものである。ただし、テスト期間中にサンプルロッドを簡易的に計測した数値で、参考程度にお考えいただきたい。
■ GT2RS(9個)
TOP〜#1 #1〜#2 #2〜#3 #3〜#4 #4〜#5 #5〜#6 #6〜#7 #7〜#8
10.4 11.0 12.0 13.0 14.0 15.9 19.7 23.0

■ GT3RS(8個)
TOP〜#1 #1〜#2 #2〜#3 #3〜#4 #4〜#5 #5〜#6 #6〜#7
10.4 11.0 12.7 15.0 18.5 23.0 28.0
数値が大きい(=ガイド間隔が広い)ほど、負荷を掛けた時にブランクスが曲がり込みやすくなり、結果、キャスト時にロッドのしなり戻りを活用しやすくなるというわけだが、その点に関して数値上はGT3RSの方が優れていることがわかる。
また、ガイドが1個少ないGT3RSの方がガイドの間隔が広くなるのは当然だが、ティップ付近の間隔はGT2RSとほぼ同じで、ベリーからバットにかけての間隔が広くなっているという点も見逃せない。
重要なのは、ガイド数を減らしてブランクス全体に均一にガイド間隔を広げたのではなく、高負荷時にしなやかに扱いたいセクションであるベリー~バットに絞って間隔を広げていること。単にガイドを減らすだけでなく、キャストフィールをより効率的に向上させるためのセッティングだ。
一方、ティップセクションのガイド間隔をほとんど広げていないことも、キャストフィールの向上に一役買っている。
搭載ガイドは、廃版となったLNチタンに変えて、チタンより重量があるステンレスフレームのLNガイド。バット側には別形状の軽量なチタンフレームガイドを搭載しているので、ティップ側が同個数でステンレス、バット側が少ない個数でチタンという変則セッティングである。
つまり、ティップ側にガイドを集中させることで、若干だが重量配分がティップ寄りになり、バックスイングの際にティップを曲げやすく、ルアーのウエイトを乗せやすくなるというわけだ。
まとめると、ベリー~バットのガイド個数を減らして間隔を広げるセッティング。強い負荷が掛かるとロッドがしなりやすくなるため、キャストフィールはしなやかかつパワフル。バットまでの全身を曲げて弾き出すフルスイングキャストでの飛距離アップを果たしている。
さらに、ティップセクションのガイド個数はGT2RSのままながら、あえてステンレスガイドを採用。ガイドの自重でティップが曲がりやすくなるため、バックスイングの小さい近距離へのサイドキャストでもティップにルアーウエイトが乗せやすくなり、キャストアキュラシーも向上する。
「ガイドを減らす=軽量化」というわかりやすいメリットも、もちろんある。だが、ガイドを1個減らすだけでもセッティング次第で、キャストフィールを向上させることができるのだ。ただし、あくまでブランクスとの相性が重要な特殊なセッティングであり、全てのロッドに適合するわけでないことは言うまでもない。
【操作性】
ガイドを減らした狙いは、他にもまだある。操作性の向上である。このように、ガイドの間隔を広げるとロッドが曲がりやすくなるのはイメージしやすいと思うが、それはキャストやファイトのような高負荷が掛かった場合の話。負荷が掛かっていない時は、実は逆の現象が発生する。
つまり、ガイドが少なく間隔が広い方が、ガイドフットやスレッド、エポキシコーティング等の影響が少なくなるため、カーボンの素の影響が強く浮き出てくる。なので、ロッドを構えた時やルアー操作程度の低負荷では、カーボン素材の特性である硬さがクローズアップされてシャープに感じるという現象が起こるのだ。
このように、ガイドを減らしたことがキャストフィールだけでなく、軽快でシャープな操作感の向上にも寄与しているという点は興味深い。
【スラックラインコントロール】
少数ガイドセッティングの狙い、最後はスラックラインを扱いやすくすること。それには、ガイドを減らすだけでなく、トップガイドを除く全てのガイドリングにSiC-Sという薄肉軽量タイプを採用したことも関係する。
トップガイドは、ロッドとラインに急な角度が付くため、ラインの保護目的でリング厚のある通常のSiCリングを採用しているが、その他のガイドに採用したSiC-Sリングは、同じ番手でも通常SiCよりもリングが薄いため、実質ガイド内径を広くする効果がある。つまりは、少ないガイド数と広いガイド内径で、ラインがより自由に遊べるようになっているのだ。
ゆえに、ブレーデッドジグやスピナーベイト、ハードプラグ等の振動系ルアーの動きの自由度も上がり、スイムベイトやスイムジグ、スイミングワームのスロー巻き、およびトップウォーターやビッグベイトの操作では必須のラインスラックを自在にコントロールできる。その結果、ルアー本来の動きを阻害せずバイト数の増加や、バイト時の違和感を緩和しフッキング率の向上等のメリットをもたらしてくれる。
ブランクス素材をめぐる構想
ベースとなるGT2RSのブランクス構成は、ティップ~バットの全域にトレカ®T1100G、ベリー~バットに高弾性40トンカーボン、さらにティップ先端~バットを±45°4軸、バットを±30°4軸というもの。ハイテーパーブランクス、ヘビー級バーサタイルの完成形と言っても良い構造である。
しかし、トレカ®M40Xの登場がこのロッドをさらに進化させるという確信があったことが、今回のマイナーチェンジを決断する要因となっていた。「投げ心地と操作感」「軽量性と耐久性」という矛盾の両立に向けて……通常の40トンカーボンと比較して繊維強度が約30%アップしたトレカ®M40Xは、重量増を避けながら、耐久性と強靭性を高めるのにうってつけの素材であった。
そこで、GT2RSの特性を形づくる上でキーとなっていた、バット~ベリーの高弾性40トンカーボンをトレカ®M40Xにコンバート。
■ GT3RS ブランクス構成素材
ハイテーパーブランクスのベリーセクションは、キャスト時に特に負荷が掛かる部分なので、このパートの素材を高強度カーボンに変更することは、キャスト時の安定感、安心感につながる。高強度トレカ®M40Xだからこそ、そのパートのガイド間隔を広げて曲がる方向にセッティングできるともいえる。
もちろん、通常40トンをトレカ®M40Xにそのまま置き換えるだけでなく、それぞれの素材特性と狙いのアクションを考慮しながら、微妙なアレンジを加えていく。
トレカ®M40Xが登場して以来、ブラックレイブンエクストリームウォーガゼルスパイダースピンに採用してきた今江の実感から、トレカ®T1100Gとの組み合わせでは、シャープさ、強靭さだけでなく、張りがありながらも粘るという特性を際立たせる効果があることもわかっていた。
結果やはり、高負荷でもうひと伸びしてくれる感覚で、ガイドセッティングとも相まってキャストフィールに良好な変化を感じることができた。モニタースタッフによる実釣テストでは、今までのマックスを大幅に超える4.5ozクラスのルアーを試したが、何ら不安なく扱えるという見解もあった。
また、ガイドの話と関連するが、今江は当初、ガイドを減らした8個ガイドセッティングに対して「キャストは問題ないと思うが、縦にさばく釣りでフッキングした際に、ガイドの倒れ込みがきつくなるのでは……」と危惧していた。
しかし、実釣テストを繰り返し「フッキングも全く問題ない。やはりトレカ®M40Xの採用に加え、ティップ先端まで4軸補強を施している効果は大きい」と不安を払拭。
ハイテーパー、トレカ®T1100G&トレカ®M40X、さらに2種類の4軸で構成されるブランクスに8個ガイドセッティングの組み合わせは、本来のブランクス性能をさらに引き出すことに繋がり、よりしなやかでパワフルなキャストフィールに加え、戻す力=フッキング力の向上をも引き出していたのだ。
そればかりか「むしろガイド数が減ったことで、さばきの操作感がより軽快になった」と、その進化を強く実感する感想を抱いていた。実際、2022バサーオールスタークラシックでは、試合時間の9割以上でGT3RS(プロト)を使用していたという事実が、このロッドの完成度の高さを物語っている。
不変のコルクストレートグリップ
変えるべきものと変えるべきではないものが全てに明確なのがGT3RSの特徴。GT3RSのグリップはAAAシャンパンコルクのストレートグリップであり、これはGT2RSとまったく同形状。ハイテーパーのメガホン効果でルアーの振動を最大限に増幅させるには、ストレートコルク以外に選択肢はない、ということだ。
また、グリップ部分の剛性感も高まるため、フルキャスト時やフッキング時のパワーロスもなし。キャスト時に添える手の位置も自由度が高いので、様々な体勢からのサイドキャストやバックハンドキャストにも対応する。
理想形の完成
ガイド&ブランクス変更による様々な恩恵で釣りの精度は明らかに向上した。最後は釣果である。
トレカ®M40X導入前のプロトと比較して、GT2RSの特徴であった「ボ、ボ、ボ……」というようなマイルドな巻き感に加え、「カリカリ……」と角が立つような硬い感触も感じるようになった。本当に微細な変化であるが、いわゆる高感度化ともとれるこの現象を単純に良しとはしなかった。
これがルアーの動きに影響していて、釣果がダウンしてしまわないのか……そこまでやるのかという徹底ぶりで、GT2RSとGT3RS(プロト)を併用し時間を掛けて検証したが、もちろん結果は良好。今回のマイナーチェンジによる様々な恩恵を感じる結果となった。
低負荷(操作)では鋭く撃ち抜く打撃系の張り詰めた硬さ、高負荷(キャスト、ファイト)では締め上げるような柔術系の粘り強さを理想的なバランスで両立。GT2RSは撃ちと巻き3:7ぐらいのロッドだったが、GT3RSは撃ちが4割、巻きが6割と偏りが少ない。
そのうえ、重量級ルアーをキャストする際の安心感も劇的に向上していることと、ウエイトを乗せやすくややマイルドになったティップのおかげで、対応ルアー範囲が大幅に拡大。より一層オールラウンダーに近づいた印象である。
主な適合ルアーは、ブレーデッドジグ、スピナーベイト、スイミングジグ、スイムベイト、ジャーキングワーム、高比重ボトムジャーキングワーム等のシングルフック搭載ルアー、中型以上のクランクベイト・ミノー・シャッド・バイブレーション、マグナムクランク、大型ペンシルベイト、ビッグベイトなど、トレブルフック搭載の中〜大型プラグ系。
さらに、フルサイズラバージグ、ヘビーフットボールジグ、テキサスリグ、リーダーレスダウンショットリグ、フリーリグでのカバー撃ちやボトム攻略まで……
すでに終着点だと思われていたスーパースタリオンGT2RSに降りかかった、ガイドの廃版という危機。それを逆にチャンスに転換し、GT2RSのコンセプトを受け継ぎつつも独特な手法でブラッシュアップを図り、長所をさらに伸ばしきって誕生したスーパースタリオンGT3RS。
唯我独尊のセッティングは、唯一無二のハイテーパー・ヘビー級バーサタイルロッドとして、今後君臨し続けるだろう。
GT3RS-C71MH-TG40X
スーパースタリオンGT3RS
●Length:7'1" ●Power:M-Heavy 
●Lure Weight:3/8~3oz ●Line: 12~30lb
※「トレカ®」&「ナノアロイ®技術」は東レ(株)の登録商標です。