攻撃型スピニングの象徴
「ビースティンガー」が
トレカ®T1100Gコンバートで
極限アップデート。
ビースティンガー エクストリーム
開発ストーリー
スピニングの釣りを進化させる
衝撃的なロッドが誕生
「元々この釣りのために生まれてきたとしか思えないほど心底感動した!」
初使用で今江克隆にそう言わしめたロッドがある。2021年JBトップ50北浦戦に向けて作成したビースティンガー エクストリームの第一弾プロトタイプが、表彰台こそわずかなウェイト差で逃したが、本戦6位入賞の原動力となったのだ。
PEラインを組んだエラストマーマウスを、大きなワンドの両サイドにびっしりと生えるアシの根元にスキッピングで撃ち込み、高速ハイピッチドッグウォークで攻め倒すパターンでこの試合を戦った今江。
軽量ルアーの精密弾丸スキップショットと、返す刀の高速ドッグウォークの無限連続アクションが、このプロトロッドのおかげで想像を絶するほど正確かつイージーに、しかも無理なく続けることができたのである。
抜群の投げやすさ、キレキレの操作性に加え、強烈なフッキング力、そしてキロアップをゴボウ抜きしても不安感を一切感じさせない粘りと剛性感、さらにPEライン直結使用でのトラブルレス性……
ビースティンガー エクストリームでの一点突破で結果を出したことで、今江のロッド開発史上最速のプロトロッド製品化GOサインが下された。今江にとってこのロッドの使用感が、それほどまでに衝撃的だったことを物語るエピソードである。
長きにわたる今江の攻撃的スピニングの
中核がついに……
遡ること25年、テムジン時代のイレイザー60MLやフィランギ64MLに始まり、ブラッシュスティンガー66ML……そして、カレイド・スーパークワトロクロスの登場により進化を遂げたセルペンティ・ビースティンガー64Lへと続く、バットからティップまで全身にシャキッと筋の通った高感度チューブラーモデルは、積極的に操作して積極的に掛けにいくスタイルを得意とする今江流スピニングの象徴とも言える。
その後、ソリッドティップの台頭と共に、超フィネス系あるいはパワーフィネス系と両極に振った方向に厚みを増してきたスピニングシリーズラインナップ中、時代に流されず確固たる地位を今なお継承しているのが、セルペンティ初期ラインナップ8機種中、唯一のチューブラーティップモデルとしてリリースされたビースティンガーである。
6フィート4インチ・Lパワーのオールチューブラー・レギュラーファストテーパーという極めて汎用性が高い設定ながら、軽量高感度でアングラーの意思に忠実にライトリグを操作できる攻めのフィネスフィッシングギアは、トーナメントや取材を問わず、今江が必ずボートに積んでいるという事実から、その完成度の高さ、信頼の厚さを窺い知ることができる。
しかし、ついに今江のボートから、そのビースティンガーが降ろされる日が訪れる。
昨年のJBトップ50北浦戦の後、しばらく他のフィールドでも初期プロトを厳しく評価し続けた今江に、カバーラット以外の釣りにおいてもポテンシャルの高さを見せつけたことで、今江の妥協なきフィールドテストをクリア。ビースティンガー “エクストリーム”として劇的なアップデートを遂げることになったのである。
トレカ®T1100Gの特性を極限まで引き出す
ロッドコンストラクションが
実釣面での計り知れないアドバンテージを生む
そのビースティンガー エクストリーム、ロッドのエンジンとなるブランクスには、ティップからバットの全身にトレカ®T1100Gナノアロイ33tを採用。このメインブランクスに対して、ティップセクションを除くその他全ての部位の外層を高弾性40トンカーボン & ±45°カレイドクワトロ(4軸)クロスで締め上げた。そして、先代ビースティンガーを継承する細径&レギュラーファストテーパーのオールチューブラー設計。
トレカ®T1100G 2つの恩恵 [ その1 ]
張りとしなやかさを両立
とりわけ、トレカ®T1100Gをメインシャフトに使用したことで「触ってみれば一見硬く感じるが、実際に使ってみるとしなやか」という違和感を生じさせる。トレカ®T1100Gの「硬いのに曲がる。曲がるのに硬い」という特性を利用した興味深い現象であるが、今まで数多くの機種にトレカ®T1100Gを採用してきた今江としては、計算通り。
これにより、理想のロッドアクションを追求する上で永遠の問いでもある「ルアー操作とフッキングにはキレがあるが、軽量ルアーを心地良くキャストできフッキングの乗りも良い」という矛盾を見事に成立させている。
さらに、ベリー~バットに40トンカーボン & 4軸クロスをプライアップして、シャープな張り感を付加することで、そんな矛盾に満ちた不可能とも思える特徴を、より際立たせているのだ。
トレカ®T1100G 2つの恩恵 [ その2 ]
全身がバネのような復元力
そしてもう1つ、「硬いのに曲がる」というトレカ®T1100Gが生み出す大きな特徴が、力強い復元パワー。
全身にトレカ®T1100Gを配置した継ぎ目のないフルチューブラーの細径設計により、キャスト時にロッドがしなり、大きなパワーを蓄えて放出される。ルアーの初速は速くなり、ロングキャストやカバー奥へのスキッピングでも減速せず、より遠くへ、より奥へと弾き飛ばす。
ファイト時には、ビッグフィッシュの急激な突っ込みに全身で追従し、バネのような復元力でカバーから引き離し浮かせる。
カバー攻略の最先端
PEパワーフィネスに超適合
この強靭かつしなやかな筋肉質のブランクスは、細身の見た目からは想像できない、いわゆるパワーフィネススピンに負けないパワーを有しているが、大味なパワー系ロッドと比べて、より細かく、より鋭く、機動力に溢れる操作が可能なのが、このロッドの最大の特徴でもある。
パワーロッドで無理が効くのは当たり前だが、「Lクラスの使用感のままでパワーロッドのような無理が効く」というアドバンテージは計り知れない。
それゆえ冒頭で述べた、エラストマーマウスをカバーに絡めて操るといったロングディスタンス操作系パワーフィネスのような、タックルセッティングを間違えるとミスが多発する釣りにもベストマッチするのだ。
遠距離から空気抵抗の大きいルアーを鋭く弾き出し、伸びのあるスキッピングでカバー奥までえぐり、バスに考える間を与えないような連続高速ターンを繰り返す。そして、反射的なバイトを弾かず、フッキングパワーが伝わりにくいカバー越しでも瞬時に掛けて、素早くカバーから引き剥がす……
あちらを立てればこちらが立たずになりがちな、これらすべてを高いレベルで成立させるためには、まさに矛盾に満ちた性能が要求されるのだ。
また時代柄、先代ビースティンガーのブランクス設計では、PEラインの使用をそこまで考慮していなかったが、メイン素材にトレカ®T1100Gをコンバートしたビースティンガー エクストリームは、カバー周りでのラフな使用にも耐える強靭さが向上していることから、PEパワーフィネススタイルの必要性が高まる現代のスピニングシーンにマッチした設計とも言える。
高性能ブランクスを支える重要なパート、
グリップ
さらに、ブランクスの高強度化に伴いグリップもアップデート。細径の軽快さを維持しながらパワーアップしたブランクスならではの鋭いキャストやハイスピード操作、カウンター速掛けフッキングに対応するため、剛性をより向上させるパーツで組み上げている。
まずは、あらゆる動作の要となる親指と人差し指をしっかりホールドできるように、あえて太めのフードをダウンロック方式で採用。
目を引くロングタイプのパワーワインディングチェックは、ロッドアクションを自在にコントロールする上で重要な役割を果たす人差し指の力を、最大限引き出してくれる形状。
そして、センターコルク部を手の平に収まるコンパクトサイズながら元祖ビースティンガーより若干長めに設計することで、激しいアクションにも薬指と小指がブレず、安定感溢れるグリッピングを約束してくれる。
普通を極限まで磨いた
究極のオールラウンダー
とはいえ、ビースティンガー エクストリームはPEパワーフィネスだけのロッドではない。「Lクラスの使用感のままで、パワーロッドのような無理が効く」というユニークな特徴は、先代ビースティンガーと比べて使えるルアーやテクニックの範囲が広がったことも意味する。
例えば、シャッドタイプワームのミドスト&ホバスト、ロングワームのネコリグ&ダウンショットリグ、スモラバ、オフセット高比重ノーシンカー、ソフトジャークベイト&ラット、さらにはシャッド、ミノー、トップウォーター等の小型ハードベイトまで……
スピニングの釣りと聞いて想像されるほぼすべてのルアーやリグを扱うことができるため、出撃頻度が極めて高い1本に仕上がっている。
パワーフィネスロッド vs バーサタイルロッド、
それぞれが苦手とする領域の双方を
射程範囲に捉えた
繰り返しになるが、「硬いのに曲がる」というトレカ®T1100Gの特性から「ライトリグを快適にキャストするためのしなやかさ」を持ちながらも「操作に必要な適度な張り」が共存。それゆえ64Lと同じ軽快なフィーリングでリグを操ることができるビースティンガー エクストリーム。
そこに、トレカ®T1100Gのもう1つの特性「曲がって戻す力と強靭さ」が上乗せされたことで、圧倒的に無理が効く強い一面も手に入れ、パワー面では64Mというレベルに達している。
(実は、このように「64Lの操作性のままで64Mのパワーを持つ」ことから、64MLというアクション表記に決定したという裏話もある)
つまりは、一般的なLクラスのロッドと同様の広範囲対応力と軽快な使用感のままで、特殊系パワーロッド並に無理が効く……これこそが普遍を極めたロッド、ビースティンガー エクストリーム最大の特性であり、エクストリームたる所以なのだ。
先代ビースティンガー64Lの領域をすべてカバーしながら高感度・高強度化。極めて汎用性の高い基本性能をさらに極めると同時に、アグレッシブな操作系パワーフィネススピンの先駆者として活動範囲をさらに拡大した全方位対応・攻撃型スピニング。
変わり続ける現代バスフィッシングに対抗するための、時代を超える究極の普遍。劇的なアップデートを果たしたビースティンガー エクストリーム64MLで、時代の先を掴み取れ!
TKSS-64ML
ビースティンガー エクストリーム
●Length:6'4" ●Power:M-Light 
●Lure Weight:1/32~1/4oz ●Line:3~8lb/PE0.6~1.2号
※「トレカ®」&「ナノアロイ®技術」は東レ(株)の登録商標です。