まさに革新的。バスロッド新時代の幕開け。
2007年。私は、「ロッドの性能が飛躍的に向上する新素材による新製法が確立しそうだ」と言うことを開発チームから耳にすることになる。 内心、期待に胸を膨らますと同時に、正直、少しの疑念を抱いたことを思い出す。当時の愛用ロッドであるタクティクスの性能を遥かに超えるものが果たして可能なのか?
長年、ロッドのプロデュースに携わり自らもプロアングラーである私だからこそ、使って使って、使い倒して自分の体の一部となり自らの腕となったタクティクスを手放す決心をすることが、最大の武器を失うようで怖かった。 このように頑固で疑り深い私が、開発チームにリクエストしたプロトタイプのロッド第1号は、最も多用し、まさに、私の右腕となっていた「タイラントHDを新素材、新製法で作ってくれ」というものだった。
はたして、仕上がったプロト1号機の出来は私の想像を遥かに超える化け物、絶句する程の超弩級の出来であった。「本当に同じレングスなのか?」と思ってしまう程の振り切りの速さと軽さ。同じ力のピッチングでも距離が伸びて行く。極めてブレの少ないシャフトはルアーを限りなく正確にピンスポットへと運んでゆく。そして、何より驚いたのは、軽くなっているのに強くなっていること。それは、無理な体勢からのフッキングや「ミスった」と思ったフッキングがズバズバ決まること。そして、デカバスを真のトルクでヘビーカバーから瞬時に引きずり出すことが何よりの証明となった。「このロッドは化け物だ」心底そう思った。そして、その瞬間が、「夢のバスロッド」ヘラクレス誕生のときであり、私の新しい右腕誕生の瞬間であった。
バスロッドに世界初の4軸クロスを導入したヘラクレス。このロッドにはバスを釣るための超弩級の性能が秘められている。実際にラインを通して、ルアーを結んでキャストしてみてほしい。その時、貴方は、ヘラクレスの本当の軽さと本当の正確さを知るだろう。そして実際にデカバスを掛け、そいつをねじふせた時、貴方は、その真の強さと凄みを思い知るだろう。
Text by Toshifumi Kikumoto
ヘラクレスクロス製法。バット部分をタテ、ヨコ、ナナメ45度、ナナメ135度方向の中高弾性4軸カーボンクロスで補強。これにより、タテ方向の曲げ剛性、ヨコ方向の圧縮剛性に加えナナメ45度、135度2方向により、ねじれに対しても強力な剛性を発揮。それは、どんな方向からのキャストにも素直に追従し、極めて正確なアキュラシーを容易にすることを意味する。また、あらゆる方向のフッキングにもパワーロスが極めて少なくミスが激減。しかしそれはヘラクレスクロス製法の表面的な部分にすぎない。4軸補強をあえてバット部のみに留めることで、軽量化をはかり、テーパー設計の自由度を広げる方向に指向性を持たせたのだ。ロッドの基本性能はあくまでメインシャフトの設計によるところが大きい。そのメインシャフトを限りなくピュアカーボン100%に近いタテ、ヨコの繊維で構成されるカーボンクロスでバットエンドからティップまでコンバットスティックシリーズ最少量の超低レジンコントロールで巻き上げている。ジャパンメイドならではの高い技術力が可能にした超軽量、高感度、高強度なロッド設計である。しなり戻りが速く、どこまでもシャープで正確。どこまでも軽く、なれど強靭。新時代の革新的ロッド製法。それが、ヘラクレスクロス製法である。
「形は機能に従う」。実戦主義のエバーグリーンが独自に開発したオリジナルリールシート、E.G.スーパーバスシート・スリム。バスフィッシングに求められる様々な動作をバランスよくこなすシンプルかつ機能的な形。オリジナルシェイプのスリムなボディはキャスティングの正確性を高め、パーミングにおいて全ての指にバランスよく力が分散して手の痛みや疲れを軽減します。また、これまでにないシートエンドの長さと形状は小指まですいつくようにしっかり握りこめます。精悍なブラックポリッシュ塗装にヘラクレス・オリジナルリールシートエンブレムを装着。