ヘラクレス「LTS」モデル。LTS、それは、どこまでも超軽量(L:ライト)・粘って寄せる力(T:トルクフル)・超高感度、繊細さ(S:センシティブ)を意味します。手にした時、誰もがその軽さに驚くほどの驚異的軽量化を実現したにもかかわらず、相反する要素である魚を勝手に寄せるトルクが向上。さらに繊細な感度を増し、繊細な操作を可能にした、いわばカリカリのレーシングモデルです。

 
   

LTSモデルの原型となったのは沖田護がガイドセッティングをチューンしたヘラクレス69Hと67MH。ガイドのサイズ、数量、そして位置を調整することでブランクの性能をも進化させたチューニングモデルです。

その後、リールシートの変更、フォアグリップレス化を通じ軽量化。全ての贅肉を排除し、従来の優秀なブランク性能を極限にまで昇華させました。そこからさらに、菊元俊文がヘラクレスクロス4軸補強を元ガイドから1つ上のガイドまで延長し、セパレートグリップにチェンジ。実戦テストが繰り返され、夢のLTSレーシングモデルが完成したのです。

同じレングス、同じパワー表示でも、LTSとオリジナルモデルは完全に別物のロッドです。振り抜けが違います。感度が違います。掛けて寄せるブランクのパワーが違います。

菊元はこう言います。「第一に、軽いものが投げやすい。例を挙げると、僕の右腕ヘラクレス69Hはキャスティングジグ1/2oz&キッカーバグ4.5inchをマジックハードR20lbで使うのがしっくりくる。でも、ヘラクレス69H-LTSは7gゼロダン&ダブルモーション3.6inchを14~16lbで余裕で扱える。オリジナルモデルより軽いウエイトのルアーをより細いラインで扱えて、かつ合わせ切れしないのは、独自のガイドセッティング故、ロッド全体が曲がってくれるから。しかも、その曲がりを戻そうとする力で魚は素直に寄って来る。使用ルアーは明らかに軽い方へシフトできるにもかかわらず、むしろパワーを増した夢のロッド」

手数が必要な撃ちの釣りに、その軽さとハイバランスさは圧倒的優位性を示しました。ワンランクライトなルアーをワンランクライトなラインで扱えるヘビー&ミッドヘビーの夢のロッドは、タフ化が加速する日本のバスフィールドに必要不可欠な武器。

ただし、極限のレーシング化に伴うガイドの小口径化、一本足化により、荒々しい使用やロッドを沢山束ねての運搬には注意が必要です。繊細な扱いが使用条件となります。使い手を選ぶロッドかも知れません。しかし、タフであればあるほど、その性能は光り輝き真価を発揮します。シビアでタフな極限の状況下で勝ち抜くため、1本のバスを絞り出すために生まれたロッド。それがヘラクレスファクトリーチューンモデル「LTS」です。