「トレカ®M40X」
バスロッド世界初導入。
超高弾性かつ高強度の二律背反を融合し
バーサタイル超高感度マシンへと極限進化。
ブラックレイブン・エクストリーム
開発ストーリー
数多のルアーを必要とするバスフィッシングにおいて、戦略のメインに据えられる機会の多いワームやラバージグ等の操作系ルアーを扱う際に今江克隆がなにより優先している要素、それは「感度」である。
近年、劇的な機能的進化を遂げるライブビュー投影等の最新鋭魚群探知機を100%使いこなしていたとしても、最後の最後に絶対感覚として頼れるものは、ロッドを通じてわずかに伝わってくる底質の触覚であり、バスの微妙な気配であるからだ。長年の経験から導きだされる「釣れそう」という感触、「バスがいる」という気配、そして「ルアーに触れた」という確信……それらはディスプレイ上に視覚的に表示されるものではなく、掌に伝わる極僅かな振動を本能で瞬時に分析して得られる感覚である。それこそが、他のアングラーとの差別化を生み出す最重要ポイントであり、アングラー今江克隆というアイデンティティーを形成する絶対的根幹部といえる。
その中核を担い、今江克隆という最強アングラーをつくり上げてきたロッドが、テムジン・エアレイドに端を発し、テムジン・エアドライバー、カレイド・ブラックレイブン、そしてインスピラーレ・ブラックレイブンへと受け継がれてきたボトムセンサー型・超高感度ロッドの血脈である。
1. 今江克隆の右腕として進化を遂げてきた
超高弾性・超高感度ロッドの系譜
2000年にデビューを果たしたテムジン・エアレイドは、超高弾性低レジンピュアカーボンマテリアルを高配率で採用し、感度と操作性に重きを置いて設計されたボトム系ジグ&ワーム専用スペシャリティーロッドであった。超高弾性カーボンの特性である張りと軽さが生み出す伝達力で、10mを超えるディープでさえ小石1つを感知し、消え入るようなバイトをも明確に感じ、捉える驚異の底質感知能力が最大の魅力であった。
2000年 テムジン・エアレイド
数年後、コルクグリップ化によってテムジン・エアドライバーとしてバージョンアップを果たし、さらなる軽量化と感度アップを実現。テムジンシリーズならではの切れ味鋭いフッキング能力も併せ持つ高弾性ファストテーパーロッドの最高峰として、今江のボートには常時複数本が積まれていたという事実からも、このロッドへの信頼の厚さ、適応フィールドの広さが窺える。
2006年 テムジン・エアドライバー
そして、2010年の4軸革命においても高感度ボトムセンサーは進化を遂げる。カレイド・ブラックレイブンとして今まですべての先代の性能を受け継ぎながらも、捻じれを抑制する効果の高いカレイドスーパークワトロクロス4軸補強でブランクスのパワーロスを防ぎ、一段とその切れ味に磨きをかけた。とはいえ、ワーム&ジグゲームにより適した高弾性低レジンピュアカーボンの繊細な操作感を活かすため、ティップセクションのみ、あえて4軸武装を解除したのも大きなポイントであった。
2009年 カレイド・ブラックレイブン
さらに、続くインスピラーレ・ブラックレイブンでは進化系4軸、±30度狭角スーパークワトロクロスを採用しパワーアップ果たしながらも、セミマイクロガイド、フォアグリップレス採用によって軽量化ハイバランス化を実現。ボトム系ルアーの絶対定番エースロッドとして圧倒的な存在感を放っていた。
また、パワーアップと軽量化を同時に突き詰めたインスピラーレ・ブラックレイブンは、時代の要求に応えるべく新たなフィッシングスタイルを創造することにもなった。3g程度の軽量スモールラバージグを14ポンドクラスの太めのフロロカーボンラインで扱うといった新しいベイトフィネススタイル「ワイルドフィネス」を確立。超高弾性超高感度に加え、パワーと操作性の向上によって、カバーでスモールジグを正確に操り、ビッグバスを掛けて取り込むという、新世代のパワーゲームを開拓したのである。
2013年 インスピラーレ・ブラックレイブン
2. トレカ®T1100Gに続き、東レが世に問う
革新的カーボン素材「トレカ®M40X」
すでに超高弾性・超高感度ロッドの最終形態に辿り着いていたかに思われたインスピラーレ・ブラックレイブンであったが、ここ数年来続くカーボン素材革命によってさらなる進化を遂げることになる。
素材大手メーカーの東レが、20年に一度の革命的新素材と謳われた33トン「トレカ®T1100G」に続いて、さらに高弾性の40トン「トレカ®M40X」を発表。この新素材は、弾性率が高くなるほど強度が低下するというカーボン繊維の力学特性上、繊維強度の低下は不可避とされた超高弾性カーボン素材であるにもかかわらず、従来と同等の高弾性率を保持したまま強度を約30%も向上させることに成功した画期的な素材である。
※トレカ®は東レ(株)の登録商標です。
3. 素材特性上避けることができなかった
超高弾性カーボンロッドが抱える不安
今江が手がけてきた超高弾性超高感度ロッドの血脈は、衝撃的な軽さと高感度性に秀でるものではあったが、上記のカーボン素材力学特性が物語るように、超高弾性カーボンは極限まで薄く研ぎ澄まされた諸刃の剣ともいえる。相手を切れるがゆえに自らも傷を負うことがあるのだ。
とりわけ複雑なカバーの周りでは、フッキング動作で太い枝にティップがぶつかる、ボートを突っ込んでランディングする際にティップがブッシュに当たって異常な曲がり方をする等の不可抗力でブランクスにダメージを与えることもある。陸っぱりではロッドを振り被るスペースがない状況もあれば、ポイントを移動する際に藪漕ぎをする場合もあり、そこにも同様の危険が潜んでいる。
もちろん、これらのトラブルは超高弾性以外のロッドでも起こりうることである。しかし、弾性率が高くなるほど強度が低下するというカーボン繊維の力学特性を思い返せば一目瞭然。カーボン素材の特性上持って生まれた宿命として、超高弾性超高感度ロッドほど、これらのトラブルに起因する破断リスクが高くなるという事実を背負いながら使い続けるしかないと今江は考えていた。
4. 不安を払拭、超理想的な剛性設計を可能にする
夢のカーボン素材「トレカ®M40X」
だがそれは、今江だけでなく素材メーカーにとっても同じであった。高弾性率を保ったまま強度を上げることは技術難易度が高く、長年カーボン繊維業界の大きな課題の1つとされていたのだ。しかし、この高弾性カーボンが持つ負の側面を、東レの最新カーボン素材「トレカ®M40X」は一蹴した。
従来の40トンカーボン素材に比べ引張強度や圧縮強度、耐衝撃性が大幅に向上したことは、ロッドの破損リスクを軽減する上でプラスに働くのはもちろん、カーボン使用量を減らしても従来品と同等以上の性能(強度)を維持することができるため、より一層の軽量化にも貢献してくれる。ロッド開発においては、超理想的な剛性設計を可能にする夢の素材の誕生である。
この新素材「トレカ®M40X」の登場によって、インスピラーレ・ブラックレイブンで終着点に行きついたかに見えた超高弾性超高感度ロッドの血脈も、大きな変貌を遂げることになる。
すでにゴルフのシャフトやテニス、バドミントンラケットのフレーム等、スポーツ競技の世界でも高い注目を集め、釣り業界では磯竿やソルトルアーロッドのような長さがあり、ある程度の太さを確保できるロッドに採用された実績があるトレカ®M40Xであったが、バスロッドに採用された実績は皆無であった。細身のバスロッドに採用するためには技術的ハードルが高く、また最先端素材であるがゆえのコスト面の課題もあった。しかし、この革新的な素材は、バスフィッシングの世界で常に先頭を走り続けてきた今江を決断させるには十分すぎるほどの魅力的な性能を有していた。
5. フィールドテストで明らかになった「トレカ®M40X」の
性能を最大限発揮させるロッド設計とは
ブラックレイブンを超える「究極」の超高弾性超高感度ロッドを……新素材導入に伴う様々な課題をクリアするべく研究開発、生産技術開発を進めながら、並行して今江によるフィールドでの実戦テストがスタートした。
その第一歩として、すでに超高弾性ロッドの完成形と考えられていたインスピラーレ・ブラックレイブンで使用していた従来の40トンカーボンを、トレカ®M40Xに置き換えるという比較的シンプルな手法を取り入れてみたところ、設計者サイドの評価は上々。だが、それでは終わらないのが今江のこだわり。理論上アクションに変わりはなく強度もアップしているのだが、実際にフィールドで試してみると何か物足りない感覚が残る。
その後も考えうるあらゆる可能性を視野に入れ、実釣テストからのフィードバックを元に設計変更、試作、そして実釣テストを幾度となく繰り返し……ついにたどり着いた結論は、トレカ®M40Xを導入するだけでなく、2016年のグランドコブラで初導入し高い評価を得て以来、今やインスピラーレの代名詞ともなった高強度高弾性カーボン「トレカ®T1100G」とミックスアップするというものだった。
▲「トレカ®T1100G」について詳しくはコチラ
超高弾性・超高感度ロッドとはいわれるが、実際それらのロッドが超高弾性カーボン素材だけで構成されているわけではない。超高感度ロッドをつくりあげるには単に超高弾性カーボンを使えば良いというわけではなく、超高弾性素材の性能を最大限発揮させるために、いかに他のカーボン素材を組み合わせるかが重要になる。超高弾性素材を生かすも殺すも、その組み合わせパターン次第なのである。
6. ブラックレイブンをエクストリームへと昇華させる
カーボン素材配合の妙
ブラックレイブン・エクストリームには、バットからティップ先端までのメインシャフトにトレカ®T1100Gを採用し、トレカ®M40Xの使用はバットからベリーまでに抑えている。ブラックレイブンをシャープな超高感度ロッドたらしめる要因の1つは、ベリーセクションの強靭かつシャープな張りである。意外と見過ごされることが多いようだが、バスロッド、特にワーム、ラバージグ系のロッドにおいて、感度、操作性、フッキング性能を決定づける要素として要になるのがベリーセクションなのだ。
ティップのトレカ®T1100Gをしっかり支えるようにベリーセクションを固めるトレカ®M40Xがその張りをより際立たせる。しかも、両素材共に高強度ゆえ無駄に分厚く巻き込む必要がなく、十分な硬さがありながらも驚くほど軽い。ピンピンに張り詰めた鋭い感覚である。
その軽さを犠牲にしないよう、軽量で優れた耐捻じれ性能を併せ持つ45度スーパークワトロクロスでバットからベリーを補強。最新素材でパワーアップを果たしたこともあり、もはやインスピラーレ・ブラックレイブンで使用していた、より密度が高く捻じれ抑制効果が大きい分わずかながらも重量増になる±30度狭角スーパークワトロクロスを使用する必要はなかった。この点も、シャープに張り詰めた感覚を生み出す、さらなる軽量ハイバランス化に貢献している。
ここまでですでに十分な気もするが、驚くべきは超高感度ロッドのバットからティップに、あえて中弾性24トンカーボンを若干量ミックスアップしているという事実である。T1100G(33トン)+24トンのティップに対して、ベリーから下にM40X(40トン) を追加することでギャップが生じ、ベリーセクションの張りがさらに際立ち、シャープな張りを持つ超高感度ロッドとしての性能がより研ぎ澄まされるという逆転の発想。
しかもそれだけでなく、バットセクションにさらにトレカ®T1100Gを巻き足すことによって、フックセット後の追従性や粘る特性を発揮するという側面も手に入れた。
7. 超高感度ボトムセンサーから
超高感度バーサタイル戦闘マシンへと極限進化
強度が大幅に向上した超高弾性素材トレカ®M40X。高弾性と中弾性の特性を併せ持つトレカ®T1100G。さらには、中弾性24トン、45度スーパークワトロクロスの配合バランスの妙。今までの超高弾性超高感度ロッドの常識を遥かに超えてしまった「究極」の超高弾性ロッド、ブラックレイブン・エクストリーム。
歴代の超高弾性カーボンロッドを凌駕する鋭利な感覚を持ちながら、今江が唯一今までの超高弾性カーボンに抱いていた強度面に対する懸念を克服しただけでなく、中弾性カーボンロッドのような粘りをも実現。また、強化シングルフットガイドを採用したことで、軽量ブランクスの性能を最大限引き出すと同時にガイドの強度不安も完全に払拭している。
手にしたフィーリングはブラックレイブンの劇的なシャープさと軽量感を受け継ぎながら、強度や耐衝撃性能は大幅に上回るブラックレイブン・エクストリーム。超高弾性カーボンの特質がはっきりと前面に押し出された超高感度。フッキングのスピード感に優れたファストテーパー掛け調子。それでいてまるで中弾性ロッドのようなフックセット後の追従性と粘り。そしてパーフェクトな使用感。
その極限の進化を通じて、一点突破主義の超高感度ボトムセンサーから、領域横断的な戦闘力を持つバーサタイル超高感度マシンへと生まれ変わったブラックレイブン・エクストリーム。
テキサスリグ、ヘビーダウンショット、ベイトネコ等、あらゆるワームリグに。シャローからスーパーディープのラバージグ、フットボールジグはもちろん、スモールラバージグをカバーに撃ち込むワイルドフィネスに。さらには中量級スイムベイト、スピナーベイトのスローロール、メタルバイブレーションやメタルジグ等、自在に扱えるルアーの幅は広い。しかも、その鋭い超高感度な特性で根掛りの危険を察知できるため、本当のギリギリまで攻め込むことが可能になる。その群を抜く攻撃精度が釣果に直結することは言うまでもない。
すべての操作を完全支配し極限の反応速度を生み出す鋭く研ぎ澄まされた感覚で、偶然を待つのではなく自らの意志を持って攻め込み射抜く。そして分厚い弾力で制圧し掌中に収める。タフさと粘りを手に入れた超高弾性の血統ブラックレイブンは、エクストリームな世界を謳歌する。
IRSC-66MHF-TG40X
ブラックレイブン・エクストリームRS
●Length : 6'6" ●Power :M- Heavy
●Lure Weight : 1/4~3/4oz. ●Line : 8〜16lb.