2017.03.15 (水)

宮川淳 春からプリスポーン期の芦ノ湖で50オーバー×20本超のメソッドを公開

エバーグリーンプロスタッフの宮川淳です。昨年3月からプリスポーン期までの芦ノ湖で50オーバーを20本以上獲っているメソッド……グラスリッパーのラバージグスイミング! そのキーとなるのがタックルセレクト!

今回は、昨年の芦ノ湖で爆発したスイミングジグテクニックを成立させるためのタックルを中心に、クリアウォーター、春のビッグプリスポーンバス攻略に効果的なメソッドを紹介します。

■ 意外なタックルセレクトが50オーバー連発劇のキーに

冬のポジションから本格的な春に向けて動き出すバスは、段階的に何かに沿うように移動とステイを繰り返すという説がセオリーとなっています。よって、いわゆるセカンダリースポットをしっかり把握し、そこを直撃するというのが早春からプリスポーン期攻略の王道と言われています。

がしか~し!、実際はどうでしょうか!?春の陽気とは裏腹にバスはナーバスで、いい思いをできないまま季節はすでにスポーニング期に移行していた……といった経験はないでしょうか?

私にとって、そんなナーバスな春のビッグバス攻略に欠かせない強力なメソッドが、グラスリッパーのラバージグスイミング。昨年の芦ノ湖では、3月30日の51cmを皮切りにプリスポーン期までに、グラスリッパーで20本以上の50オーバーをランディングしています!

ラバージグスイミングといえば、フラットレイクのグラスエリアといった景色を想像する方が多いかもしれません。しかし、このラバージグスイミング、実は芦ノ湖のようなクリアウォーター山上湖でも絶大な効果が期待できるのです。

そこで重要なポイントは2つ。

① 1/2oz以上のフルサイズラバージグ&ビッグなトレーラーを使用すること。
② MH~Hクラスで7フィート以上のパワフルなロングロッドを使用すること。

クリアウォーターには一見向きそうもない、こんなヘビーなタックルセレクトこそが、実はクリアウォーター、春のビッグプリスポーンバスを攻略するためのキーとなるのです。ちなみに私のタックルセレクトは、ルアーはグラスリッパー1/2oz + ヒュージダディ、ロッドはシナジー・スーパートライアンフ、そしてラインはバスザイル・マジックハードRの14lbです。


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■ ワカサギに引っ張られ中層に浮くビッグバスに効くスイムジグ

これらのタックルで狙い撃つスポットは、スポーニングエリアに向かう途中にある一時的に溜まるであろうと思われる地形の変化が伴うカバーなどのスポット……とセオリー通り。ですが、狙いはその中層から表層付近となり、水面直下がホットスポットになることも多いのです。

なぜなら芦ノ湖は、日本のクリアウォーターレイクに多いタイプのワカサギがメインベイトの湖、いわゆるワカサギレイクでもあり、春のワカサギの接岸を意識したバスがシャローレンジに浮きたがる習性があるから、と私は考えています。

そして、そのワカサギの泳ぎをイメージしながら、レンジとスピードを一定に保ち、ラバージグをスイミングさせるのが基本的な釣り方になります。また、リトリーブスピードは必要以上に遅くしなくても大丈夫。クリアウォーターでは、気持ち速めのリトリーブの方がバスに見切られにくいのでオススメです。

そこでグラスリッパーの登場となります。

グラスリッパーは琵琶湖の大西健太プロガイドが生み出したラバージグで、その完成度は彼の釣果記録を見れば疑う余地もありません。しかし芦ノ湖と違い、彼のホーム琵琶湖はフラットグラスエリアが多いのが特徴。

そんなグラスリッパーを私が芦ノ湖に導入した理由は、リトリーブスピードやトレーラー選択にかかわらず、低重心がもたらす安定したスイム姿勢と一定レンジキープ能力が、ワカサギを意識した芦ノ湖バスにも効くと考えたからでした。

また、クリアウォーターでは、ルアーは動き過ぎず安定していることがキーとなります。グラスリッパーの不自然さを排除した安定感に、トレーラーのポークとの組み合わせで発生する微波動が加わることで、クリアウォーターの中層に浮くナーバスなプリスポーンバスを刺激すると考え試したところ、この爆発的結果に。


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■ クリアウォーターでのアプローチはフルキャスト1投勝負

そして、もう1つのキーとなるパワフルなロングロッドとして私が使用するシナジー・スーパートライアンフですが、シナジーシリーズは清水盛三プロがアメリカのバスマスターエリートで戦い抜く戦闘棒として生み出されたもの。なので、そのパワフルなイメージから「日本国内のフィールドには強すぎるのでは?」とのご指摘を受けることがあるのも事実です。

しかし、そのシナジーシリーズが、実は私がホームレイクとしている芦ノ湖で最大の武器になっているのです。芦ノ湖といえば、クリアウォーターでワーム使用禁止のハイプレッシャーレイクとして難易度超A級と認識されているフィールドの代表格。

クリアウォーター攻略のセオリーとして、通常は繊細なタックルをセレクトするのがセオリーですが、なぜ、パワフルなシナジー・スーパートライアンフとフルサイズ1/2ozのグラスリッパーの組み合わせなのか……

芦ノ湖のようなクリアウォーターでは、ボートやアングラーの存在を極力小さくしないと、チェイスばかりでバイトにいたらないことが多いのはみなさんご存知の通りだと思います。私の場合は、バスやポイントからできる限り距離をとるだけでなく、さらに、姿勢を低くして手でエレキのペダルを押しながらアプローチするぐらい神経を使う重要なポイントです。

そのうえ、シビアなコンディションではキャストを繰り返すほどバスがスプークしてしまうことが多く、経験上キャストすればするほどバスの気配は消えてしまうもの。1投目で勝敗が決まるといっても過言ではありません。2投目以降はないと思ったほうがいい。

なので、アプローチは基本的に「フルキャスト1投勝負!」

私が使用するシナジー・スーパートライアンフは、7フィート3インチのパワフルなシャフト全体にルアーの重さを乗せ、はるか遠くまでルアーを運ぶことが可能です。また、ロッドが曲がったときのネジレを抑える製法により、パワーロスせずそのキャストの力をルアーに伝えロングキャストに貢献するのと同時に、ルアーの左右へのブレも抑えられるためアキュラシー性能に優れます。まさに、1投に魂を込められる戦闘棒。

また、グラスリッパー 1/2ozという関東では重めのフルサイズラバージグを使うことも、飛距離の向上に一役買ってくれます。

タックルを繊細にしたところで一筋縄では口を使わせられないクリアウォーターのタフ&ハイプレッシャーバスを攻略するためのキーは、遠距離アプローチを可能にするフルサイズラバージグ&パワフルロングロッドの組み合わせなのです。

そして、スーパーロングキャストした先でバイトしてきたビッグバスを掛けるためにも、パワフルなロングロッドが必要です。

だから、多少のスラックがあっても7フィート3インチのロングレングスかつネジレを抑えるブランクがキャスト時のみならずフッキング時にも有利に働き、確実かつ正確にビッグバスの顎を捉えるスーパートライアンフ。スイミングジグにおける、その特筆すべきビッグバスフッキング時のベリーとバットのテーパー連携!これはぜひ実際に味わっていただきたいところです。

そこにグラスリッパーの卓越したフッキング性能が加わり、貴重な1本を確実にランディングに導いてくれます。

上顎を捉えやすい形状の4/0のフックは、バスが巨大化している昨今のフィールドにマッチ。長めに設定されたブラシガードは、狙うスポットにより本数を間引いたり、すべて取り除くなどの使い分けが容易なのもうれしいですね。個人的には、グラスの少ない芦ノ湖ではフッキングを最優先してガードをすべて取り除いて使用しています。

いよいよシーズンイン! 今からワクワクが止まりません! 今年はバス発祥の地、箱根芦ノ湖で10lbオーバーの目標を掲げ、更なる高みを目指します!

今回は、昨年早春からプリスポーン期の芦ノ湖で20本以上の50オーバーをランディングしたラバージグスイミングテクニックにおいてキーとなったタックル、グラスリッパー&スーパートライアンフについてご紹介させていただきました。

このタックルセッティング&釣り方は、春のクリアウォーター、ワカサギレイク等、他でも応用できると思います。みなさんもぜひ試してみてくださいね。

■タックルデータ
ロッド:シナジー CSYC-73MH+ スーパートライアンフ
ライン:バスザイル・マジックハードR 14lb
ルアー:グラスリッパー 1/2oz + ポーク


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