2010.01.15 (金)

下野正希が語る「プロガイダンスC68開発コンセプト」

ヘラクレス・プロガイダンスC68下野流の基本的な開発コンセプトは「対食い渋りのアフターバスへのライトテキサスロッド」だった。

スポーニング行動後沖に出てアフター場に辿り着いたバス

スポーニング行動後沖に出てアフター場に辿り着いたバスは、しばらくの間「ワームに反応はするが活発に食い込まない」。つまり「当たりが有っても、直ぐに離す」。そう「乗せにくいバス」の状態になる。

この、当たった時にロッドでラインを軽く張っても、バスがルアーを離さない「聞けるロッド」があれば、バスがワームを離す確率を下げられる訳で、実際、この聞けるロッドティップの柔らかさのロッドは数多く有る。

しかし、このタイプのロッドでバスを掛けたとすると後が大変。ロッド全体がスローな為に、僕が釣りたいのは最低50アップのバスなので、いくら体力低下アフター君でもバスに主導権を持たれてしまう。

そこで、「食わすティップのしなやかさ」と「主導権が取れるバット強さ」のバランスを考えていると、68L(ティップ)/MH(バット)表示のロッドとなった。ティップで「聞いて」バットで「合わせる」。ロッド全体で「主導権を持ったやり取りをする」ことが可能になった。

開発を進める間に僕はプロトタイプで楽しい釣りを続けられたが、発売のタイミングは完全にワンシーズン以上ズレてしまった。ただ、このズレが、このロッドのポテンシャルの高さを、僕以外のエバーグリーンスタッフから引き出してもらう結果を生んだ。

2009JBトップ50トーナメント四国旧吉野川戦の初日は、このロッドのライトテキサスで釣っていたが、2日目に同じエリアで食い気が悪くなった時、フッと関和プロから「ヘビダンするのにイイですよ」と言われていたのを思い出し、ヘビダンに変えて決勝3日目へのキッカーフィッシュが釣れた。

また、台風18号通過以降釣りにくさが増す条件下で開催された、2009琵琶湖オープントーナメント最終戦では、釣りにくさに増して「当たりが出にくいバイト」の条件下で、ウエインしたバスの全てがこのロッドのドロップショット(ヘビダン)。

「触ったかな?」の感触をロッドでラインを張って聞きながらバスを反転させて、バシッと合わせない「巻き合わせ」で乗せていった。ウエインした最大魚は2,500gだったが、このバスの引きをこのロッドのバットパワーは簡単にあしらってくれた。

琵琶湖の場合、これからのシーズンには「メタルパターン」も存在するのだが、狙う水深20~30mのボトムでのバスのバイトを、このロッドの軟らかさは「弾く」こと無く乗せてくれて、バットの強さで合わせられる。

最初はライトテキサスロッドで開発したが、この、プロガイダンスC68下野流の使い道の多さの広がりに自分でも驚いている。


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