佐川洋介 吸い込み抜群の新シーバスロッド・ソリッドソリューションUFT86が持つ真のポテンシャルとは
こんにちは! エバーグリーンシーバスプロスタッフの佐川洋介です。
ついに発売となったソリッドソリューションUFT86、みなさん触ってみていただけたでしょうか? 今回は、開発者・小沼正弥氏との対談や、私が実際に使ってみてのインプレッションをご紹介したいと思います。
このロッドの最大の特徴は、ズバリ「超柔軟なグラスソリッドティップ」を搭載していること。そしてその特徴により、バチやマイクロベイトを捕食するシーバスにありがちなショートバイトでも確実にルアーを吸い込ませフッキングすることができるロッドです。
小沼正弥氏との対談で明かされたソリッドソリューションUFT86が持つ真のポテンシャルとは?
いったい何がどうブラッシュアップされているのでしょうか?
実は、今回めちゃくちゃこだわったのが、グラスソリッドティップが継がれているカーボンチューブラー側のアクション。ここを徹底的にブラッシュアップした。
というのも、ますますタフ化する近年のシーバスシーンでは、従来の「柔らかいソリッドティップが搭載された吸い込みの良いロッド」というだけでは、ハッキリ言って物足りない状況も多くなってきている。
例えばバチパターンでのプラッギングにおいては、極端なショートバイトが増えており、バイトがあってアワセても空振りになってしまい乗らないことがかなり多い。
また、スレたシーバスに強いダートワームメソッドをはじめとする操作系ワーミングにおいても、バイトはあるがアワセを入れても乗らない、乗ってもバレるということが多発しがち。
要は、吸い込んでもすぐに吐き出す状況が増えてきているんだ。
で、そんな状況で釣るためには、柔らかいソリッドティップで確実に吸い込ませることは前提として、そこから吐き出すまでのほんの一瞬の間にいかにフッキングに持ち込むか、ということが課題となる。
アタリを手元に感じてからアワセたって遅いことが多いのは分かっていたから、そこで考えたのが、「アワセなくてもアワセるより速くロッドが自動的にフッキングしてくれる特殊な調子」が実現できないかということだった。
小沼:そう! 方法は、グラスソリッドのティップ部とチューブラーのベリー部であえて硬さの差を出すことで、魚の重みがベリーに乗った瞬間に自動的にフッキングさせるというもの。
ただ、ベリー部が硬すぎると、吸い込みが悪くなったり、キャスト性や操作性、ファイト性が低下したりと全体に悪影響を与えてしまうから、そこは硬すぎず柔らかすぎずの絶妙にバランスがとれたアクションが求められるんだ。
正直、これがかなり難しかった……(笑) でも、プロトの製作とテストを何度も繰り返すことで、結果的には理想のアクションを実現することができた。
普通だったらどうしても乗せられないような極小のショートバイトでも、このロッドなら簡単に乗せられる。凄いポテンシャルを持つロッドが完成したよ。
佐川:確かにアワセても乗らないということは、ハイプレッシャーな場所での釣りや、バチパターン、マイクロベイトパターンなどシーバスの吸い込みが弱い状況ではよくありますよね。
あれをアワセずに高確率で乗せられるとしたら、本当、もの凄いメリットです!
実際に現場に出撃! ショートバイト対策以外にも判明した2つの大きなメリット
そんな小沼氏との対談を終え、現物を手にした私はさっそく現場に出撃! その後も何度か釣行を重ねました。
結果、まず実感したのは、やはり圧倒的なフックアップ率の高さ。実際にアワセなくてもショートバイトを高確率で乗せることができました。これは、今後非常に強力な武器になること間違いなし!
さらに、小沼氏が語ったメリット以外にも私なりに2つのインプレッションを得ることができましたので、ここでご紹介させていただきます。
「しなやか=操作性が悪い」ではない! 「しなやかだからこそできるルアー操作法」とは?
近年、多様化する対シーバスのルアーやメソッドの中で、ダートワームメソッドをはじめとする操作系ワーミングや、プロップマジック75のプロップ外しチューンによるジャーキングなど、リップで水を噛まないルアーをロッドワークで操作することによりバイトを誘発するメソッドが港湾部のデイゲームで爆発的威力を発揮するケースが多々あります。
そして、軽い力でリズミカルに動作を繰り返すために役立つのが、実は、動作に合わせてしなってくれるしなやかなティップセクションなのです。
ティップのしなやかさを最大限活かしたこのルアー操作法がここまで高レベルでできるのも、ベリー部が小沼氏の語る「硬すぎず柔らかすぎずの絶妙なバランス」を実現しているからこそだと強く実感!
また、セパレートタイプの新グリップデザイン採用が、ルアーの操作性や取り回しの向上に一役買っていることを付け加えておきます。
超しなやかなティップがもたらすもう一つのメリットは「引き抵抗感知能力」の向上
バチやアミ、マイクロベイトを意識した状況で使われることが多い、俗に「引き波系」や「I字系」といわれる水噛みが弱く動きの大人しいオネスティなどのミノーや、コルセアなどの小型シンキングペンシル。
これらのプラグは流れに対してダウンクロスに引けば流速次第ながらある程度引き感を得られるものの、基本的には遊泳力の弱いベイトを演出するためにアップクロスでキャストして流れに乗せてリトリーブすることがほとんどであることも相まって、引き抵抗はほとんどありません。
ただ、ほとんどないといっても、実際少しはあるわけで、もしこの微細な引き抵抗を感知できるとすればどうしょうか?
そう、ソリッドソリューションUFT86を使用する中で気づいたのが、そうした微細な引き抵抗を感知する能力の圧倒的な高さでした。
超しなやかなティップが微細な抵抗を拾い「もたれる」ことで、実際、ほぼラインテンションが掛かっていない状態から常に引き抵抗を感じるため、流速や流れの変化をしっかり把握することができます。
また、それは同時に「ルアーを引いている」感触を得られるということも意味します。
このことは、スローな展開が余儀なくされる局面において真価を発揮します。まず、リトリーブ時に集中力を維持できるということ、そして、引き抵抗の小さいルアーを使用している時に出がちな、ルアーのウエイトを感じようとする人間の悪い癖(どうしてもリトリーブが速くなる)も、抑える効果があります!
バチやアミ、マイクロベイトを意識した状況、安定したスローリトリーブが求められる状況では、もはや絶対に欠かせないロッドとなりました。
バチパターンはもちろん初夏のマイクロベイトから真夏のデイワーミングまで完全対応!
さてさて、このレポートが掲載されるころには、バチパターンが終盤となり、極小イワシやハクをシーバスが好んで捕食するいわゆるマイクロベイトパターンがシーズン真っ只中に突入していることと思われます。
ちなみに私の地元である東京湾近郊では、今期ハクパターンが絶好調の様相を呈していますよ!
ソリッドソリューションUFT86はそれらの釣りに完全対応し、ストレスフリーな使用感を実現、さらには、あなたの強力な武器になること間違いなしです。
「超柔軟なグラスソリッドティップ」を搭載し、さらにはチューブラー側の絶妙なアクションの実現により、アワセなくてもショートバイトを高確率で乗せることができるソリッドソリューションUFT86。ぜひ試してみてくださいね!
■ブログ:蒲田S系ジャンキー
関連記事
- 関連する記事はありません