4軸スーパークワトロクロス製法
×
SXFスーパークロスファイア製法
最新技術のハイブリッド結晶体
「エリート」と呼ぶにふさわしいロッドが誕生。
クーガーエリート7 開発ストーリー
コンバットスティック30年の歴史は、スパインとの戦いの歴史である。スパインによる悪影響を完全に排除したロッドを手に入れることができれば、アングラーの技術レベルの如何を問わず、そのアングラーのバスフィッシングのレベルが格段に進化するのは明白である。
その夢のようなロッドをつくる上で解決策の1つとなるのが、SXFスーパークロスファイア製法である。しかし、ロングロッドになるほど、またハイテーパーになるほど難しくなるSXF製法パーフェクトスパインレス化。その実現を目指し、数々の難題を克服して辿り着いた我々の解答、クーガーエリート7がついにデビューの時を迎える。
1. コンバットスティック近年のスパイン対策の流れ~
クーガーエリート7誕生への軌跡
2016年、革新的カーボン「トレカ®T1100G」が誕生。高弾性の張りと軽さ、高感度性を持ちながら、中弾性のしなやかさと強靭さを同時に備える特性は、それまでのバスロッドの常識を覆した。今江克隆はこの夢の素材をインスピラーレ・グランドコブラに採用。5グラムテキサスから4オンスのビッグベイトまで1本でこなせるロッドとしてバーサタイルロッドの新境地を切り開いた。
2017年、グランドコブラで培ったトレカT1100Gを効果的に使用するためのロッドメイキング理論&技術を元に、インスピラーレシリーズはRS/GTコンセプトと共にフルモデルチェンジを果たすことになる。コブラ、スタリオン、スーパースタリオン、ラピッドガンナー……多くの機種がトレカ®T1100Gを適材適所に纏い、劇的に進化を遂げ生まれ変わった。コンバットスティック30年の歴史における「高弾性×4軸製法」によるネジレ(スパイン)対策の流れである。
もう一方のネジレ対策「スパインレス路線」においては、2019年、最先端素材だけでは解決できなかった、しなやかなロッドのフルスパインレス化をSXFスーパークロスファイア製法の確立により実現。超多層構造ブランクスで究極のキャストフィールを持つスーパースティードをラインナップに追加し、インスピラーレはさらにシリーズとしての厚みを増すことになった。
そして2020年、「高弾性×4軸製法路線」究極の到達点として超高弾性ロッドの血脈、ブラックレイブンが、東レの最新高弾性カーボン素材「トレカ®M40X」を採用し、ブラックレイブンエクストリームへと進化を遂げたことは記憶に新しい。
このように、最新素材&最先端製法を取り入れながら続々と進化を遂げるインスピラーレシリーズ各機種の中で、未だにモデルチェンジが進まない、いや、その完成度の高さから手直しすべき部分が見つからず旧モデルのまま発売が継続されている機種が存在する。高強度高密度30度狭角スーパークワトロ(4軸)クロス製法を初採用した後期カレイド~前期インスピラーレのフラッグシップ、スーパークーガーである。
2. モデルチェンジ不要の完成度を誇る
スーパークーガーを劇的に変える手法とは
2011年に誕生したスーパークーガーは、片手で扱える6フィート10インチ・ミディアムアクション。「エキスパートバーサタイル」と呼ばれ、そのしなやかなフィーリングとは裏腹に、ひとたび獲物と出会うや野性を剥き出しにした圧倒的なスピードと瞬発力を発揮すると評された。
ハードベイトを自在にコントロールし、かつバイトを弾かないティップの柔軟性と共に、そのレングスメリットと±30°4軸製法による張りと粘りを持つベリーセクション&強靭なハイテーパーバットでソフトベイトの繊細な操作性、高感度、そしてパワフルなフッキング性能をも見事に両立し、巻き物全般からワーム、ジグまで、長さとしなやかさ、そして強さとの驚異のバランスが、エキスパートアングラーのあらゆる高度なテクニックに高次元で対応するモデルとして君臨していた。
しかし2020年、ついに……「高弾性4軸化」と「パーフェクトスパインレス化」という2つのネジレ対策路線の融合によって、そのスーパークーガーがクーガーエリート7として生まれ変わり新たな道を切り開くことになる。
2017年のインスピラーレフルモデルチェンジの際に、スーパークーガーにもトレカ®T1100Gをコンバートし、高弾性4軸化路線のみでブラッシュアップを進めることは容易だったかもしれない。しかし、しなやかさと鋭い瞬発力の共存する独特なフィーリングを有するこのロッドにおいて、高弾性化方向からの手法だけでのリニューアルでは物足りなさが残ることは明白だった。
今までのカーボンをトレカ®T1100Gに置き換えるだけでも、鋭い瞬発力という点においてはそれなりの進化は見込めるだろう。しかし、しなやかさという特性をさらに進化させることができなければ、ただ最新素材を使ったという話題づくりのためのモデルチェンジになってしまう……もちろんそれは今江、エバーグリーンの本意ではない。
トレカ®T1100Gを使用して鋭さを進化させながらもしなやかなフィーリングも進化させるための手法……それが、ローテーパー、ショートレングスのスーパースティードで築き上げたスーパークロスファイア製法を、編肉が発生しやすいロングレングス&ハイテーパーロッドに応用するという難題だったのである。
ハイテーパーの7フィートミディアムアクション、セパレートタイプのショートグリップ、そしてパーフェクトスパインレス……その難題を克服し劇的進化を遂げたクーガーエリート7とはどのようなロッドなのか、具体的に見ていこう。
3. 高難度ハイテーパー&ロングレングスの
SXF製法で実現した片手で振り抜ける7フィート
まず、スーパークーガーが6フィート10インチだったのに対し、クーガーエリート7はその名の通り7フィート。全長が2インチ(約5cm)アップしている。
これは見せかけのロングレングス化ではなく、グリップ長がほぼ同じまま、純粋にブランクスの長さ、いわゆる有効レングスが2インチ長くなっている。にもかかわらず、片手で自在にキャストを繰り出せる俊敏性は健在。いや、むしろ610のスーパークーガーよりも70のクーガーエリート7の使用感は明らかに上を行く。
これは、SXFスーパークロスファイア製法によるパーフェクトスパインレス化による恩恵である。誰もが投げる度にうっとりするようなキャストフィールを味わうことができるのだ。
タフ化、ハイプレッシャー化が進む現代のフィールドと対峙するアングラーであれば、その2インチのレングス差、ストレスを感じないキャストフィールが有利に働く状況は容易に想像できるだろう。
また全国的に、年々使うルアーのサイズが大きくなっていることや、バスの絶対量が減ったことから小さなバスを数釣るより1本で良いから大きな個体を獲りたいというアングラーが増えているという状況を考えると、ロングレングス化の果たす役割はさらに大きくなる。
スーパークロスファイア製法について詳しくはコチラをご覧ください
ただ、7フィートロッドの割には短いグリップで、しかも軽量なセパレートタイプとなれば懸念されるのが先重り感である。
しかし、その心配は無用。手元に重量が集まるハイテーパーデザインをベースに、トレカ®T1100Gで高弾性化し、軽量化を図ると共にロングレングス化する際に生じがちなダルく感じるフィーリングを排除。そして、ベリー~バットセクションをより密度の高い±30度4軸クロスを継続採用、ティップ~ベリーセクションには重量増を最小限に抑える±45度4軸クロスのさらに極薄タイプを新採用することで対ネジレ性能を維持しながらも重心バランスを最適化、ティップセクションの軽量化を実現した。
さらには、24トン、33トン(トレカ®T1100G)、40トンといった弾性率の異なる複数種類の極薄のカーボンシートを、ローテーパー、ショートロッド以上に緻密に組み合わせる設計および生産技術によってハイテーパー、ロングレングスロッドのパーフェクトスパインレス化を達成。手元重心ハイテーパーデザインに加えて、キャストの際スパインが悪さをして無意識に無駄な力が入ってしまうという現象がなくなることも、7フィートロッドを片手でシャープに振り切れる大きな要因となっている。
トレカ®T1100Gついて詳しくはコチラをご覧ください
※トレカ®は東レ(株)の登録商標です。
そのSXFスーパークロスファイア製法パーフェクトスパインレスブランクスと取り回しの良いショートグリップのコンビネーションで、オーバーヘッドキャスト、スリークォーター、サイド、アンダーからのフォアハンド、フォアハンドサークルはもちろん、バックハンドやバックハンドサークル等、あらゆる体勢からのキャストを自在に繰り出す能力と同時に驚異的なキャストアキュラシーを備えることになる。
また、ブランクスが弾性率の異なるカーボン素材で構成されていることも多種多彩なキャスト能力に貢献。「ティップセクションはしなやかで粘りのある24トンカーボン」「ベリーは張りと粘りを兼ね備えた33トン(トレカ®T1100G)」「バットには反発力に優れる40トンカーボン」という組み合わせで、ティップを回して投げるピンポイントショートキャスト、ベリーの張りで鋭く振り抜く低弾道ミドルレンジキャスト、バットまでのブランクス全体のしなり戻り(反発力)をフル活用するロングキャスト等、力の入れ加減によって、ブランクスの異なる部位を最適に働かせることができる素材構成となっている。
4. 巻き、操作、掛け……すべてに高度に適応する
シャープさとマイルドさを兼ね備えた独特のフィーリング
この卓越したキャスト性能はあらゆる釣りにおいてアドバンテージとなることは言うまでもないが、それだけで終わらないのがクーガーエリート7の大きな特徴である。
バイトを弾かず吸い込みをフォローする中低弾性24トンティップの乗せる柔軟性。トレカ®T1100Gによるベリーの張りと、先重り排除・手元重心ハイテーパー構造が生み出すシャープな操作感。そして内部空間の多いハイテーパーならではの乾いた感度。さらには超高弾性40トンを30度狭角スーパー4軸クロスで補強したバットセクションのフッキングパフォーマンス ── しかもフッキング時のわらい(パワーロス)を完全排除するパーフェクトスパインレス構造……
これらの要素の集合体、4軸スーパークワトロクロス製法とSXFスーパークロスファイア製法のハイブリッドクーガーエリート7は、巻き物や乗せ系だけでなく操作系や掛け系、ハードベイト、ソフトベイト問わず使える懐の深さをさらに広げることになった。
例えば、ブレーデッドジグやスピナーベイト、スイミングジグ、ワーム系スイムベイトのようなシングルフック系の巻き物を鋭くスキッピングさせて精度良くオーバーハングやカバー下に滑り込ませながらも、フッキングにパワーの必要なシングルフックをバスの顎に深く撃ち込む能力。
シャロー~ミドルクランクベイト、バイブレーションを広大なウィードエリアでロングキャストして巻くだけでなく、手元でウィードタッチを素早く感知し、止めて浮かせるライザーテクニックや外してフォールさせるハングオフテクニック等の積極的操作でリアクションバイトを誘発し掛ける能力。
また、感度を要求されるロッドを縦捌きで使うワーム系の釣り、テキサスリグ、ヘビダン、フリーリグやロングワームのノーシンカーやネコリグにも幅広く対応する能力。さらに、3.5~5gスモラバでのベイトフィネスの強化版ワイルドフィネスにも高次元で対応する能力。
これらすべての能力が桁違いに研ぎ澄まされて生まれ変わったクーガーエリート7であるが、ガイドセッティングも重要な構成要素の1つとなっている。
片手で振り抜ける軽さとシャープさを維持するためにチタンシングルフット・セミマイクロセッティングを採用しながらも、耐久性を向上させる強化シングルフットフレームをベリーセクションに配置。同時に、スーパークーガーのSiCリングから、同サイズでもリング内径が大きいトルザイトリングへと変更し、ルアーアクションを妨げる要因となる過剰なラインテンションの発生を抑制している。
このようにガイドセッティングも、クーガーエリート7のコンセプトである「シャープさとマイルドさを兼ね備えた独特のフィーリング」を生み出すことに一役買っているのだ。
────────────────────
7フィートハイテーパー、しかもセパレートショートグリップという極めて特殊なバランスでありながら、しなやかなキャストフィールと片手で自在に扱える俊敏性、吸い込ませて乗せる能力と積極的に掛ける能力を併せ持ち、巻き物にもワーム、ジグにも高度な適応性を発揮する「クーガーエリート7」。高弾性化の流れである4軸スーパークワトロクロス製法とスパインレス化の流れSXFスーパークロスファイア製法をハイブリッドした「最新技術の結晶体」。コンバットスティック30年の歴史の中で、実戦至上主義を具現化するために培ってきた設計&生産技術によって「エリート」と呼ぶにふさわしいロッドが誕生した。
IRSC-70MF-SXF
クーガーエリート7RS
●Length : 7'0" ●Power :Medium
●Lure Weight : 3/16~1oz. ●Line : 8〜18lb.