▶ ジャイアントディアウルフ詳細解説 ◀
〜 ロッドコンストラクション編 〜
〜 ロッドコンストラクション編 〜
6フィート11インチ……一般的なビッグベイトロッドと比較すると明らかに短いそのレングス。
しかし、この長さには極めて深い意味と価値がある。63から74まで、1インチ刻みでプロトタイプを作成して、試した結果辿り着いた巨大ルアーのキャスト性能と操作性の絶対バランスレングス、611。
現代バスフィッシングにおいて、ブン投げて巻くだけのビッグベイティングでは、年間を通して結果を出すことは難しい。近距離からの超高精度キャスト、精密な着水音コントロール、そしてテクニカルな操作でビッグバスのバイトトリガーを引く、新時代のビッグベイティング。
7~8フィートのエクストラヘビーが定番の一般的なビッグベイトロッドでは対応しきれない……新しい時代への突入により、「前例が通用しない」という現象が顕著に現れるようになった。
「辿り着いた絶対バランスレングス」
6フィート11インチというレングスは、ビッグベイトロッドとしては明らかに短いが、極端に短いというわけでもない。そこで、アキュラシーを考えるともっと短くても良いのでは……という疑問を持つ方もいるかもしれない。
しかし、考えてみてほしい。正確なキャストを1日中繰り出すためには、巨大ルアーの重さを苦にせず、ロッドの反発力を使ってルアーを弾き出すことが基本となる。
ショートレングスで重量級ルアーを背負えるように設計すると、その短さゆえ、硬さが際立ち、しなりにくいロッドになってしまう傾向がある。ルアーの重さを利用してロッドを曲げて、しなり戻りで投げるというよりも、巨大ルアーをアングラーの腕力や手首の力だけで投げるようなイメージである。
つまり、身体に掛かる負荷は相当なものとなり、かえってキャスト精度が乱れるという事態を引き起こしてしまうのだ。
逆に、ロッドが長くなるほど、アキュラシーやコントロール性能が低下してしまうのは言うまでもない。さらには、繊細なロッドワークや鋭いジャーキング等の操作にもロングレングスは不利となる。
ジャイアントベイトまでを背負えるパワーと弾き出す力に加え、重量級ルアーを正確にかつ着水音を殺して投入できるコントロール力、抵抗の強い巨大ルアーを繊細に操り、かつ鋭く速くジャークできる強靭な操作力……
これらの矛盾する多機能さを追い求めた結果の絶対バランス、それが6フィート11インチのトリプルエクストラヘビー(XXXH)なのである。対接近戦だけでなく、時に必要なロングキャストにも対応できる懐の深さもある。
「超濃密肉厚ブランクス×SXF製法」
レングスやパワーと同時に、テクニカルなビッグベイティングを成立させる上で無視できない超重要性能に、ブランクスの捻じれや潰れへの耐性がある。
重量級ルアーがブランクスに乗り、ロッドが曲がれば曲がるほど、ティップとバット間の捻じれる力、潰れる力は増幅する。そして、ロッドが曲がり切った時点で発生するブランクスの歪みは、リリース時に一気に開放される。
その際、引っ掛かり(スパイン)があると、ロッドの復元はいびつな弧を描き、タイミングもずれ、キャスト軌道に重大な影響を及ぼしてしまう。このように、ビッグベイトのキャストがカーブやシュートしやすいのは、ロッドの性質上による理由も少なからずある。
そこで、テクニカルビッグベイトロッドの設計では、「捻じれを抑制すること」「スパインを排除すること」が課題となる。
ジャイアントディアウルフの場合は、メインシャフトに粘り特性に優れるレジンリッチタイプの24トンカーボンを採用し、既存バスロッドでは類を見ないほどのムキムキ超肉厚に設計。
さらに、トップガイドに特殊な太径・超大型ガイドを採用することで、ティップ先端まで超濃密肉厚ブランクスを実現し、超重量級ルアーによるティップ垂れや強烈な捻じれ負荷に対抗している。
超極太肉厚設計のティップセクションは、キャスト時のティップの捻じれを抑制するのみならず、超重量級ルアーに負けず、鋭く切れるジャークで仕掛けることを可能にする。
センター~バット部は、インスピラーレでは定番となったトレカ®T1100Gで構成。重量増を最小限に抑えつつも粘りと張りを付加することで、パワーとシャープさのバランスが取れ、柔軟かつパワフルながらも身のこなしが軽快なスーパーヘビー級ロッドに仕上げている。
もちろん、しっかりと掛ける瞬発的パワー、掛けた後にバラさないトルクフルな追従性、巨大バスを寄せるリフティングパワーも、全身がバネのような引き締まった筋肉質ボディのスーパーヘビー級ならでは。
しかし、肉厚と謳われるロッドには、危険な罠が潜んでいることを忘れてはならない。
ロッド製法特性上、カーボンを巻き込むほどスパインが顕著に出やすくなるため、捻じれ対策と銘打って極太肉厚に設計するほど、余計に歪みが発生しやすいロッドになってしまう危険があるのだ。これでは本末転倒。
重量級ルアーの高精度キャスト、この本来の目的を達成するためには、超厚巻き設計だけでなく、スーパースティード、クーガーエリート7、ディアウルフワイルド7等で培いジャイアントディアウルフへと受け継がれた、スパインを厳格にコントロールする技術(SXF製法)との組み合わせが不可欠なのだ。
[バット断面図]
左:Hクラスのバスロッド
右:ジャイアントディアウルフ
左:Hクラスのバスロッド
右:ジャイアントディアウルフ
Hクラスのバスロッドとほぼ同外径のバット部。超肉厚に巻き込むことで、細身に仕上げながらもXXXHパワーを実現。
[ティップ断面図]
左:ジギングロッド
右:ジャイアントディアウルフ
左:ジギングロッド
右:ジャイアントディアウルフ
均一かつ超濃密に巻き込まれたティップ部。水圧や潮流の影響を考慮したジギングロッドよりも太径&肉厚に設計。
このように、適正なスパインコントロール技術の元、バットからティップ先端までブランクスを超肉厚かつ濃密に巻き込むことで、驚異的な「捻じれ耐性(①) & リフティングパワー(②)」を生み出している。
① 捻じれ耐性比較
[左画像]
スピニングロッドでロッドが嗤う状態を再現したイメージ。トップガイドがほぼ真横90度まで捻じれているのがわかる。
スピニングロッドでロッドが嗤う状態を再現したイメージ。トップガイドがほぼ真横90度まで捻じれているのがわかる。
[右画像]
ジャイアントディアウルフは、その4倍以上の負荷を掛けた状態でもトップガイドが上を向いたままで、捻じれは発生していない。
ジャイアントディアウルフは、その4倍以上の負荷を掛けた状態でもトップガイドが上を向いたままで、捻じれは発生していない。
② リフティングパワー
[3kgリフト] | [5kgリフト] |
[7kgリフト] | [180度引き込み 7kg] |
3kgリフト、5kgリフトに加えて、実用上、バスロッドにこれ以上の検査は必要とされない7kgの荷重検査も余裕でクリア。
さらに、ブランクスにとって最も過酷な180度引き込みテストを実施。このテストでも7kgをクリアした。バスロッドの基準を遥かに超える異次元の強さである。
「絶対バランスを支える独自形状グリップ」
リアグリップセクションには、近距離精度を重視し、自由度高く扱える独自形状のエイトシェイプグリップをセット。
このリアグリップはその名のとおり8の字のような凸凹形状をしており、握り込みやすくすっぽ抜ける不安が少ない。引き手を安定させることで、キャスト精度が桁違いに安定すると同時に、ボート際で咄嗟のワンハンドのエイトトラップを仕掛ける時などに、非常に有用なグリップ形状となっている。
軽量かつ操作性に優れるセパレートグリップかつ動作の邪魔にならないグリップ長ながら、エイトシェイプグリップのボリュームがあるため、グリップエンドのバランサーは不要。
ロッドを振り上げるピッチングや、ロッドを振り下ろすジャーキング等の動作を軽快に続けることができると同時に、長時間使用しても肩や肘への負担が少ないのもアングラーにとっては大きなメリットだ。
このように、筋肉質でパワフルな超濃密肉厚ブランクスを手元で支えるグリップは、ブランクス同様、絶対バランスレングス611を実現する上で、非常に重要な役割を担っているのだ。
前例が通用しない……バスの生息数が年々減少しつつある現代のフィールド環境において、「人と同じことをしていても釣れない」という言葉は、ある意味真実であろう。逆に言えば、釣れる確率を上げるためには「人と違うことをすれば良い」ということでもある。
今や教科書に書かれていないことを新しく開発した者が、その情報をいち早く実践した者だけが大きなリターンを得られる、全く新しい時代に突入している。
超厚巻きレジンリッチ24トンカーボン+トレカ®T1100G、超極太肉厚設計ティップセクション、エイトシェイプグリップ……6フィート11インチに凝縮されたトリプルエクストラヘビーパワーのスパインレスフィーリング。
圧倒的ワイドウエイトを扱える強靭性、高汎用性を持ちながら、繊細かつシャープな操作性に秀でたテクニカル・ビッグベイト~ジャイアントベイトロッド。
ディアウルフの無差別級代表ジャイアントディアウルフが、新時代に突入したバスフィッシングに新機軸を創造する。
IRSC-611XXXHR-SXF<SG>
ジャイアントディアウルフRS
●Length:6'11" ●Power:XXX-Heavy
●Lure Weight:14~230g ●Line:12~30lb.
●Lure Weight:14~230g ●Line:12~30lb.