2017.12.13 (水)

清水盛三が語る スイミングラバージグ、ベストシーズンは晩秋から冬

バスマスターエリートシリーズのシーズンオフにあたる晩秋から冬に行われることが多い清水盛三のテレビロケ。

バスを手にすることが厳しいこの時期の切り札として、長きに渡り清水を支えてきたDゾーンパワーブレードフェイスに続く新たな武器を手に、ここ最近数々のロケを成功に導いてきた清水がそのメソッドを紹介します。

サスペンドしたビッグバスを獲るメソッド、ラバージグスイミング

トーナメントシーズンオフの今、晩秋から初冬にかけてのロケで、3回連続して炸裂しているルアーがある。『フィッシングライフ(湯原ダム)』や『バーニング帝国(青蓮寺ダム)』を見てくれたみんなはわかっていると思うけど、そのルアーは……スイミングトゥルーパー

スピナーベイトやブレーデッドジグのように巻いて使うラバージグ、スイミングラバージグというジャンルのルアーで、今日本で一番ホットな釣り方&ルアーだと思う。

ベイトフィッシュを追いかけまわし、本格的な冬に向けて体力を蓄えるためにたらふくエサを喰いまくっているこの時期のビッグバス。そして、さらに季節が進んだ真冬でもしっかり捕食活動をしているのもビッグバス。

しかし、冬型の気圧配置がもたらす冷たい北風による急激な水温低下やターンオーバーによる水質悪化などで、でかいサイズのバスはサスペンドし、ピタっと口を閉ざしてしまう。とはいえ僕の経験上、実際はエサを喰いまくっていて、ルアーには簡単に反応しないだけということが多い。

この時期フィッシュイーター化するビッグバスに風、濁りとくれば、横の動きが出せて、振動やフラッシングで誘うクランクベイトやスピナーベイトが効果的な季節でもある。さらに、水温が低下すればジャークベイトという選択肢もある。いずれにせよ、ビッグバスには横の動きで浮かせて口を使わせるルアーが強い時期と言える。

もちろん、それらで釣れるならその釣りを貫けばいい。しかし、クランクベイトやスピナーベイトではウンともスンとも言わない、ジャークベイトを使うには水温も中途半端だし濁りが気になるということも、この時期意外と多い。

そんな困った状況で切り札となるのが、スイミングトゥルーパー

このスイミングトゥルーパーというルアーは、サスペンドしたタフなビッグバス、みんなが難しいと言っているバス、すなわち他の人に釣れないバスが釣れるルアーだと言って良いと思う。

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TVロケで55cmオーバーを筆頭にスイミングトゥルーパーが炸裂

実際、湯原ダムのロケではクランクベイトを巻き続けたけどイマイチで、最後にスイミングトゥルーパーで連続でビッグフィッシュをキャッチ。

「ああ、こういう感じだったのか」と掴んでの次の青蓮寺ダムロケ。

本場アメリカでありとあらゆるタイプのフィールドを戦いながら学んできた僕の釣りの基本は、特定のフィールドだけでしか通用しない超特殊なローカル的なものを追いかけるのではなく、どこでも通用するバスフィッシングの本質を捉えたものだと思っているので、違う湖での取材ではあったが、大きな視点から判断して、この状況なら同じ釣り方でいけると読んでいた。

そして狙い通り、開始15分でいきなり55cmオーバー。このロケではもう1本50オーバーも出て、その他40後半サイズ等々、スイミングトゥルーパーですべての魚をキャッチし良い釣りができた。

さらに、オンエアー前なのでまだ詳しくは言えないけど『The Hit(津風呂湖)』でもビッグサイズを釣っている。すべてエサを喰いまくっているコンディション抜群のバスだった。

クランクベイトなんかの強いルアーには反応しないし、タフだからといってワーム(縦の釣り、ボトムの釣り)を使いたくなるけど、それだと余計釣れない状況でもあった。

ビッグバスは中層でサスペンドしていて下方向にワームを追いかけて行かないし、ボトムを釣っていれば小さいサイズばかりだったはず。だから、今回のロケで釣っているバスは、スイミングジグでしか喰わない魚だったと思う。


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通常のラバージグとは違うスイミング専用設計、スイミングトゥルーパーの特徴

僕自身、スイミングジグというテクニックはかなり前にアメリカで学んだものだけど、そのテクニックをより効果的に使うにはあまり良いラバージグがなかった。そこで、僕なりのアイデアを詰め込んでつくり上げたのがスイミングトゥルーパーなんだけど、その最大の特徴はヘッドとオフセットフックがスプリットリングで接続されているという点にある。

だから、トレーラーワームのサイズに合わせてフックをチェンジできるので、いろいろな状況に対応しやすい。

最近のロケでは、3.2インチのシャッドテール系のワームをセットしていたけど、例えばベイトフィッシュのサイズに合わせてトレーラーを大きくしたり、巻きスピードや泳ぐレンジを調整するためにトレーラーサイズを大きく、もしくは小さくしたりするのに合わせてフックサイズを変えることができる。または、同じトレーラーでも、フッキングを良くするために大きめのフックに変更するという手も使える。

さらに、オフセットフック・セルフウィードレススタイルは、ガード付のラバージグに比べて突起が少なく引っ掛かりにくい。だから、ブッシュ系カバーだけでなく、普通のラバージグがどちらかと言うと苦手なカバーと言えるウィードにも比較的強い。これも、いろいろな状況に対応しやすいことの理由の1つになる。

もう1つ言うと、フッキング後、このヘッドとフックが分離して動くことで、ヘッドシェイクやジャンプにもヘッドが遊んでくれるため、ヘッドが振られてもフックにその力が伝わらないのでバラシにくいという効果もある。この時期の貴重な1本をミスしないためにも大事なところ。

基本的な使い方は投げて巻くだけだけど、それで十分動いてくれる。そして、何かに当たったときや引っ掛かって「パン!」と外れたときにイレギュラーに動きやすいのもジョイント式のメリット。これが、喰わせるタイミング、バスにスイッチを入れるタイミングになる。

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ラバージグスイミング、タックルセレクトの重要性

ただ、なかには「スピナーベイトやブレーデッドジグと違ってバイブレーションが伝わってこないので使いにくい」という声があるのも事実。でも、僕のなかではそれが面白いと思っている。スパっと吸い込んだときのバイトはいきなり「ドン!」とすごく良いアタリが出るからね。

逆に、抵抗が弱いことで微妙な違和感を感じやすくなるというのもある。つまり、ブリブリ動くクランクベイトに小さいゴミがくっついてもわからないけど、スイミングトゥルーパーならそれがわかるので、無駄なキャストやリトリーブをしなくて済むようになる。考え方次第で良い面が見えるようになるし、そうなればより集中して信じて引き続けることができるようにもなる。

そのためには正しいタックルセレクトが重要。特にロッドは凄く重要で、スイミングトゥルーパーなら全サイズ、シナジー・スーパートライアンフを使っていれば間違いない。

ロッド選びの基準としては、バットバワーがあるのは当たり前として、吸い込ませるティップと掛けるベリーという要素が、スピナーベイトのスローロールと同様重要になるから、「乗せ」と「掛け」という矛盾を高次元で両立しているかという視点で見ると良いと思う。あと、リールはギヤ比6:1程度のミディアムギヤのもの、ラインはフロロカーボン16lbあたりが基本になる。

リザーバーでバンクを釣るなら3/8ozを基準として、少しレンジを下げたければ1/2oz、5/8oz、琵琶湖ではウィードトップを釣れるようなウエイトを選ぶのが良いと思う。ただし、ボトムを這ってしまったらスイミングジグとしての機能を果たさないので、その点は注意が必要。バスは下から突き上げてくるので、とにかく中層をスイミングさせること。

バスマスターエリートでは早春からポストスポーンのタフな時期に活躍してくれた試合も多いし、実際1年中釣れるルアーだけど、特に晩秋から冬のタフな状況では、この釣りでしか獲れないビッグバスがいるのも事実。

日本中がパターン真っ只中のスイミングトゥルーパー。今がこのルアーの真価を発揮させるベストシーズン。この記事を頭に入れて、あとはとにかく信じて投げ続けることができれば、きっと思い出に残る魚との出会いが待っているはずなので、ぜひ試してみてください!

■タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYC-73MH+ スーパートライアンフ
[ライン]フロロカーボン 16lb
[ルアー]スイミングトゥルーパー + シャッドテールワーム

■関連サイト
フィッシングライフ
釣りビジョン
SUN-TV/The Hit

■清水盛三メディア
・公式サイト:No Limit Morizo World
・公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
・公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
・公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ

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【動画】スイミングトゥルーパー・清水盛三 解説


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