清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第1戦・第2戦
スイミングジグが陰の立役者&対フロリダ・サイト戦
2014年3月13~16日のジョージア州レイク・セミノール戦、そして、その翌週3月20~23日のフロリダ州セントジョンズリバー戦と2週連続して開催されたバスマスターエリートシリーズ。
「いかに広範囲を効率良くカバーするかがキーとなった開幕戦。サイトフィッシングがキーとなった第2戦」と語る清水盛三がその戦いを振り返ります。
第1戦レイク・セミノール
プリ~スポーニングバスを相手に広範囲を効率良くカバーする戦略で挑む
今シーズンのバスマスターエリート開幕戦はジョージア州レイク・セミノールで行われたけど、僕としては11年ぶりに行くフィールド。でも、そのときは、まだバスマスターエリート選手としてはルーキーやったけど13位に入賞することができた。グラスやスタンディングティンバーがいっぱいあって、アシのようなのもあって・・・カバーが豊富で結構得意なフィールドやね。
ただ、クラシックが終わってから体調不良で入院しかけて、予定よりかなり渡米が遅れてしまった。それで開幕戦の公式練習の初日には間に合わなくて・・・結局はなんとか公式練習2日目の昼から半日と最終日に半日の練習時間がとれたけど、正直全然時間が足りなかった。
でも、日本で病気でウンウンうなっているときも、湖の地図だけはしっかり見ていたよ。広大なフィールドを短時間で攻略しようと思ったら、地図からいかに多くの情報を読み取るかが大事やし、さっきも言ったように、セミノールはスタンディングティンバーがたくさんあるので、チャンネルマーカーをはずしたらボートが大破なんてことになるほど危険なんで、走行ルートを確認する必要もあったからね。
とは言っても、やっぱり最終的には実際フィールドに出て、自分の目で見て確認していかなアカンねんけどね。で、実際見てみると、水温が思ったより低くて約16℃だったので沖にはまだプリスポーンがいっぱいいたし、でも岸にはスポーニングの魚もいるという状況やった。
だから、サイトの選手も半分くらいいたと思うけど、僕には時間がないから普通の釣りで探そうと考えていた。しかも、試合をプラクティスにあてて探しながら釣りをするしかない、ガンガン動いて公式練習でやってないエリアもどんどんやっていこう、という感じで初日のスタートを迎えた。
まず朝一はバンクのシャローに入ったんやけど、Dゾーンですぐに4lb半のグッドフィッシュをキャッチできた。タンデムウィロー1/2ozのカラーはホワイトチャートでブレードカラーはシルバー&ゴールドやったね。で、「これはハマるか!?」と思ったけど後が続かず・・・しばらくやってもバイトがなかった。
そこで、予定通りすぐに移動。そこはリリーパッドが絡む場所で、そのまわりをすばやく探っていったんやけど、スイミングトゥルーパー(プロト)に変えて2本目を釣ることができた。その後もこのエリアをスイミングトゥルーパー1/4oz+ツインテールグラブで速く広く探りながら魚を拾っていきリミットメイク達成。
結局スイミングトゥルーパーで4本キャッチできたんやけど、使い方はスピナーベイトと一緒で投げて巻くのが基本。このときはリリーパッドの際を、ミディアムスピードで巻いて時々カバーに当ててというオーソドックスな感じやった。
で、帰りしなのラスト30分だけはクランクベイトを巻こうと思ってオフショアへ。グラストップで1.5mのエリアをシャロークランクで狙って、最後の5分で6lbフィッシュを獲ることができた。
初日は約19lb、17位とまずまずのスタートだったけど、実はその日の1~3位の選手も同じエリアを釣っていた。十分に練習できなかったけど、エリアの選択はバッチリだったんやね。
ただ、時間がなかったこともあって、本当に核となるスポットや正解ルアーや釣り方にまでたどり着けなかった。もう少し時間があれば・・・と悔しいね。まぁでも、一時は試合をキャンセルすることも考えたんで、出れただけでも良しとせなアカンよね。
2日目は霧で1時間20分ほど遅れてのスタートとなったので、新たな場所を探す時間がさらになくなって苦しい展開になりそうな感じやった。でも、朝一、初日のラストスポットでいきなりの5lbフィッシュをキャッチ。ここで炸裂するか?と期待したものの、その後続かず・・・
そこで、この日も予定通り、とにかく新たな場所を探していこうと移動を繰り返し、初日にも釣りをして、釣れなかったけど気になっていたオフショアのグラスがちょろっと生えている場所に入ると、チャターベイトで5lb。「やっぱりおるやん!」ってその後も同エリアでチャターベイトを投げ続けたけど反応なし。
そこで、スイミングトゥルーパーにチェンジ。そして3本キャッチ。リミットメイク。初日に続き、この日もスイミングトゥルーパーで複数のバスをキャッチできた。
このルアーは、これからのトーナメントシーンを戦うのに絶対必要なルアーとしてテストを続けてきたんやけど、ホンマ、今回は狙い通り、本気の試合で使うためにスイミングトゥルーパーをつくったんですわ、という感じで威力を発揮してくれたよね。
そこからもまだまだ移動を繰り返して、同じような感じのグラスエリアを見つけて、最後は4lbを獲って入れ替え。この日も17lbちょっと釣って12位までジャンプアップ、準決勝進出!
でも正直「きついな~」と思っていた。毎日毎日手探りで探しながら釣っているし、ルアーもスポットも完全には絞れてない。とりあえず拾っている感じやったね。ただ、そんななかでもなんとかスイミングトゥルーパーが効いていたんやけど・・・
こんな状況ではムービングベイトで広範囲をすばやく効率良くカバーしていくしかないねんけど、スポーン絡みでナーバスになっている魚を狙っているんで、そんな魚にはプレッシャーに強いルアーが必要になる。だから、その両方を満たしたスイミングトゥルーパーが効いていたんやね。
3日目は開き直ってデカイのだけを狙いに行って1時までノーフィッシュ。この日も釣れそうな場所を片っ端からまわっていろいろ投げて・・・あと2時間というところでチャターベイトで1本目6lb。
その後、同じエリアで3回ミスバイトがあって、「1エリアでそれだけ連続でバイトがあるということは、絶対もっといるはず」と、もうその場所からは離れないで最後まで集中して釣ったよ。で、またまたスイミングトゥルーパーで1本獲った。
そして最後はドロップショットで2本獲って終了。リミットメイクはできず最終結果は25位。ここまで来たら決勝に行きたかったんで、悔しかったな~かなり。
でも、体調不良、準備不足のなか悪くはない結果を出せたんでホッとしたよ。いかに広範囲を効率良くカバーするかがキーというなかで、スイミングトゥルーパーがいい仕事をしてくれたしね。
第2戦セントジョンズリバー
鬼門フロリダ戦では大船団のなかでサイトフィッシングを敢行
気力で乗り切った1戦目に続き2週連続での2戦目、フロリダのセントジョンズリバーでは、ホンマに体力的な部分で集中できなかったね。練習でも、しんどさから移動が面倒でしたくてもできなかったりと、魚を見つけきれなかった。サイト戦になるってわかっていたのに・・・
しかも、雨が降っているから見えないと決めつけてしまっていたけど、実際はエリアによってはしっかり見えていたところもあったみたいで、もっとたくさんのエリアを見ておくべきやったよ。とは言っても、ホンマ広大なフィールドなんで、2日半の練習でガソリン400リッター以上は焚いてんねんけどね。
ただ、初日の朝一だけは巻こうと思ってワイルドハンチSRで4本獲った。で、そこからサイトに走ってリミットメイク。さらに1本入れ替えたかな。でっかいバスも見つけたけど釣ることができなかった。フロリダの場合は釣り方が特殊すぎるから難しいよ。
2日目も朝一は巻きに行ったけど、小さいのを1匹、ワイルドハンチSRで獲っただけ。で、もう勝負するしかないんで、でっかいバスを見つけたところに行ったんやけど・・・
広大なフィールドなんやけど50艇以上の船団のなかでのサイトフィッシングという、僕にとってはかなりストレスの溜まる釣りをしたよ。
結果としては、でかいのは釣れず、単にリミットメイクしただけで終わってしまった。97位という最悪の結果だったけど、今回は避けずにあえてその中に飛び込んで行って極限状態の中で釣りをしてみて、今後の課題、フロリダでのサイトフィッシングに少し光が見えた気はする。
これもひとつの勉強、長い目で見れば成績以上に得るものがあったよ。詳しくはまだ言えないけど、今後またいつかこういう状況の試合があったときには、何とかしのげるんちゃうかと・・・
次の3試合目は4月3日からのテーブルロックレイク戦。ここは、サイトだけっていう極端な試合にはならないパターン的な釣りが可能なフィールドだから、そのパターンにハマる釣り方を見つけたいね。このレイクでは3回試合経験があって、同時期には2回、その両方ともアカンかった。まぁ、エリートに出だした頃やったし自分自身の力もまだまだやったしね。
でも、去年同じオザーク水系のリザーバーで試合があったんやけど、もう少しで決勝に残れるくらい釣ってこれたから、今の経験値で場所、釣り方を探せればチャンスはあるかなと思うよ。
第3戦もがんばりますので、応援よろしくお願いします。その前にまずは体調をしっかり元に戻せるよう体を少しでも休めて・・・そんなこと言いながらも第3戦の公式プラクティスの前に第5戦が行われるレイク・ダーダネルに練習に行ってたんやけどね(笑)
ロッド:ヘラクレス HCSC-611MHG サーバル
ライン:フロロカーボン 16lb
ルアー:シャロークランクベイト
ロッド:ヘラクレス HCSC-70MH ブルーマイスター7
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:スイミングトゥルーパー 1/4oz
ロッド:ヘラクレス HCSC-73HG レパード
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:チャターベイト
ロッド:ヘラクレス HCSS-611M パワーシェイカー611M
ライン:フロロカーボン 10lb
ルアー:6インチストレートワーム ドロップショットリグ
ロッド:ヘラクレス HCSC-68MG オセロット
ライン:ナイロン 19lb
ルアー:ワイルドハンチSR
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/
関連記事
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第4戦
ポストスポーニングのタフな試合、頼りはスイミングジグ - 2014年5月1~4日にテキサス州とルイジアナ州にまたがるトレドベンドリザーバーで行われたバスマスターエリートシリーズ第4戦。 スポーン~ポストスポーンというタ ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第4戦
-
- 清水盛三が語る スイミングラバージグ、ベストシーズンは晩秋から冬
- バスマスターエリートシリーズのシーズンオフにあたる晩秋から冬に行われることが多い清水盛三のテレビロケ。 バスを手にすることが厳しいこの時期の切り札として、長きに ...
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第1戦
対フロリダバス、サイトフィッシングで勝負 - 3月17~20日、2016年バスマスターエリートシリーズが開幕。初戦の舞台はフロリダ州セントジョンズリバー。一昨年の雪辱を果たすべく、フロリダバスを相手にサイト ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第1戦
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第2戦
テキサスリグを主軸に早春のフロリダバスに挑む - 2017年2月23~26日にフロリダ州レイクオキチョビで開催されたバスマスターエリートシリーズ第2戦。春の変わりやすいフロリダの気候&気難しいフロリダバスを相手 ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第2戦
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第5戦
ポストスポーンをフィネス&スイムベイトで攻略 - 2015年6月3~7日に開催されたバスマスターエリート第5戦は、ケンタッキー州とテネシー州にまたがるケンタッキーレイクが舞台。清水盛三にとっては過去に優勝経験も ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第5戦