2014.05.16 (金)

清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第4戦 
ポストスポーニングのタフな試合、頼りはスイミングジグ

2014年5月1~4日にテキサス州とルイジアナ州にまたがるトレドベンドリザーバーで行われたバスマスターエリートシリーズ第4戦。

スポーン~ポストスポーンというタフな状況下で清水を救ったのがスイミングトゥルーパー、そしてフロリダ戦での経験を活かしたサイトフィッシング。清水盛三がその第4戦を振り返ります。

■ 正解エリアに辿り着くも痛恨のミス・・・

トレドベンドはテキサス州とルイジアナ州にまたがる南北に長い巨大なリザーバー。ここは過去に何度か試合や取材で釣りをしたことがあるフィールドだけど、大きなクリークが何本も入り込んでいて、スタンプやスタンディングティンバーがたくさんあって・・・

でも、今回は今までにない増水でさらに面積が広がって、過去に釣ったときと違ってグラスやマットなどのベジテーション系カバーの生育状況も良くて、まるで別の湖のようだったね。で、この超広大なフィールドからエリアをいかに絞り込むかが課題だった。

しかも、南北に長いんで(南北約180km)水温が場所によって全然違った。この冬は日本もそうだったけどアメリカもものすごく寒かったんで、ボディウォーターではいまだに18℃のところもあれば、コーブの奥では27℃のところもあった。ホンマにアメリカの天候はダイナミックやね。日本では考えられへんでしょ、同じ湖でここまで水温が違うなんてこと。まぁ、あってもせいぜいリザーバーのバックウォーターで水温が下がるくらいやね。

で、そんな巨大でいろいろなシチュエーションがあるフィールドを短時間で攻略するためには、自分の釣りのスタイルに合った魚を見つけることが重要。これだけ広くて水温も違えば、いろいろな状態の魚がいるからね。ただ、トーナメントでは自分のスタイルで釣りやすい魚を釣るだけではダメで、自分の魚で、かつクオリティーがある魚を探さないともちろん勝ちにはつながらない。

今回僕にとってのそんな魚が、スポーンからポストスポーンのデカいメス。だから狙いはグラス。特にクリークやコーブのマウスや岬に絡むグラスを狙っていた。エリアによっても違うけど、ボトムまでの水深が1~3.5m。そこに絡むグラス。つまり、スポーニングで出入りするルートに絡むグラスを釣っていった。

釣り方はジャークベイト、スイミングジグ、ロングカーリーテキサスリグの3本柱。

ジャークベイトは、グラストップのレンジが浅くてフェイスのレンジと合わなかったのでもっとレンジの浅いものを使っていて、プリスポーン狙いとは違い、ポーズは一瞬だけでかなり速めのジャーキングでよりリアクションを意識して釣っていった。

スイミングジグはスイミングトゥルーパー3/8ozにシャッドテールワームの組み合わせで、グラスにコンタクトさせながら、魚の目の前をゆっくり巻いてくるイメージで。

テキサスリグは7インチのロングカーリーテールワームに7gシンカーでリフト&フォール。これはスイミングジグに比べて少し縦の動きを取り入れてよりスローに釣る感じかな。

これらをローテーションしながら釣っていったんやけど、実際はまだスポーニング中の魚も多く、ポストスポーンの魚もまだまだ回復しきっていなかったので喰いが浅く、初日はデカいのをことごとくバラシてしまった。しかも3本も。それも、6ポンドクラス1本と4ポンドクラスを2本・・・

この日は、2本4ポンドの魚を持っていて、トータル約16ポンド(5本)だったので、もし全部獲れていれば22ポンド。つまりトップ5には入れていた。1日に3回もミスしてたらダメ。絶対に勝てない。で、この日は34位という結果だった。


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■ 第2戦の経験を活かしてアジャスト、そして準決勝進出

2日目はローカルトーナメントがあったみたいで、朝一にメインのエリアに着いたときにはすでにローカルに占領されていた。しかも、目の前で魚をネットインされるし。まぁ、いつも言ってることやけど、こんな中でも釣ってくる連中は釣ってくるし、どんな状況でも釣ってこないと勝てないのもわかっている。

だから、すぐに気持ちを切り替えて移動。でも、この日は風が全くなくて厳しかった。そんななかででも、スイミングトゥルーパーでなんとかポツポツと釣っていったんやけど、1時過ぎまで4本だった。

ウェイイン後にケビンバンダムとも話したけど、彼も同じようなスタイルの釣りをするので、「風がなくて厳しかった」と同じことを言っていたよ。結果的にこの日は彼も僕とほぼ同じウエイトだったはず。

ただ僕は、実際はその後、次なる作戦に走って、サイトフィッシングで3本獲って入れ替えた

あの無風でタフな状況に合わせてサイトフィッシングに切り替えることができたのもそうだし、入れ替えまでできたのは、あのフロリダ戦を活かせたということ。高い授業料を払って学んだ甲斐があったよ。

釣れる魚と釣れない魚の見極めが格段に速くなったし、今までなら一見無理と思える魚でも、今回は釣ることができたし。リグも魚に合わせて、テキサス、ジグヘッド、ドロップショット、ラバージグ・・・といろいろ使い分けて釣っていった。

で、2日目は約13ポンド釣って36位でなんとか準決勝に進むことができた。


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■ 3日間通して最も魚をキャッチしたスイミングトゥルーパー

ただ、3日目はさらに厳しくなって初日、2日目の場所が全然ダメだった。そこで、プラクティスのときにやっていた場所で気になるところがあったので、そこに入ってスイミングトゥルーパーで3本獲ることができた。

それにしても、スイミングトゥルーパーをつくって良かったよ。今年の試合では大事なところできっちりと魚を獲ってくれている。今回はバラしてしまったけど、6ポンドクラスのビッグフィッシュも喰わせているしね。

とにかく、スイミングトゥルーパーは使いどころが多い頼りになるルアーやね。

まず、トレーラーを変えることでいろんな魚に合わせことができる。しかも、トレーラーのサイズや形状に合わせて、フック自体を大きくしたり小さくしたりと変えることできるからバランスが崩れない。トーナメントはタイプの違ういろいろなフィールドで開催されるし、刻々と変わる状況にも素早く対応しなければならないし・・・これはホンマに大きいね。

それと、水深も選ばないし。引き抵抗が抑えられて浮き上がりにくくレンジキープ力にも優れるので、今回も1mのところは着水後すぐ巻いて、3mのところはいったんボトムまで沈めてから巻いてという感じで、いろいろな水深で活躍してくれたよ。

あとは、カバーにも強いし。とにかくスピナーベイトと同じ感覚でグラスに絡めて巻いてくるだけで、ゴンッとくる感じだった。

今回ブレットハイト(22位)もスイミングトゥルーパーを使っていたみたいで、チャターベイトが得意の彼も「チャターベイトの弱い版がスイミングジグ」と言うように、プレッシャーの高いトーナメントや日本のフィールドにもいたって合っているルアーだと思う。

スイミングトゥルーパーには僕のこだわりを100%詰め込んでいるし、これからの時代、アメリカ、日本問わず絶対に活躍してくれるルアー。もっと出番が増えるのは間違いないね。

で、3日目その後は、この日もサイトで2本。そして、最後にテキサスリグで1本入れ替えて10ポンドちょい、トータル41ポンドで47位という結果に終わった。

正直あともう一歩だった感はある。正解のエリアにはたどり着けていたからね。僕と同じエリアでもっと浅いところをパンチングとかで釣っていた選手がトップ12で3人いたし、なかでも優勝者は3日間とも僕と同じエリアでやっていた。

あとは釣り方。エリアが広大なのでじっくり釣り込むのはなかなか難しいけど、もう少し釣り込んで釣り方さえ見つけることができれば・・・

僕自身の釣りに対する感覚もすごくいい感じなので、なんかすごいことが起こりそうな気がするよ。特にこれからは、僕の得意な釣りがハマるシーズンになってくるしね。この調子で一戦一戦がんばりますので期待して見守っていてください!

■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-64M マニピュレーター
ライン:フロロカーボン 12lb
ルアー:ジャークベイト

ロッド:ヘラクレス(プロト)
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:スイミングトゥルーパー 3/8oz+シャッドテールワーム

ロッド:タクティクス TCSC-70X ディトネーター
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:7インチロングカーリーテールのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 7g

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/

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