2018.04.20 (金)

久保浩一 人に釣り勝つ秘訣とは…… ハイピッチジギング理論&新ロッド・ハイピッチジャーカーライト解説

みなさんこんにちは。エバーグリーン・ソルトプロスタッフの久保浩一です。

今回は、ハイピッチジギングに関する実戦的な理論を交えつつ新ロッドのハイピッチジャーカーライトについて解説します。

面白い上に理にかなったハイピッチの釣り

ハイピッチの釣りは、ジギングの原点であると同時に今でも最高に面白い釣りの一つだと僕は思っています。ガンガンしゃくって「ゴン!」と喰ってくる瞬間のあのドキドキ感はたまりません。

もちろん、面白いだけではなく理にかなった釣り方でもあります。まず、スローピッチとハイピッチの釣りを比較した場合、手返しに関してはハイピッチの方が圧倒的に良いです。ジギングはひと流しの間にいかに効率よく釣るかで釣果が大きく変わる釣りですから、これは大きなメリットです。

さらに、ゆっくり動かした方が良く釣れることがある一方で、より速く動かした方が良く釣れることも多いです。例えばシオ(カンパチの若魚)狙いの場合なんかは絶対にハイピッチです。僕の経験上、みんなで同時に落としたら明らかに一番速く動いているジグを選んで喰ってきます。また、その他の青物や遊泳力の高い魚種を狙っていても、この傾向を感じることは少なくありません。


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前後にフックが付いたジグをハイピッチでしゃくってもエビりにくいハイピッチジャーカーライト

さて、そんなハイピッチの釣りに対応する新しいロッドがハイピッチジャーカーライトです。どんな竿かと言いますと、「前後にフックが付いたジグをハイピッチでしゃくってもエビりにくい、ハイピッチジャーク用ロッド」です。

というのも僕の場合、必ずと言って良いくらいジグの前後両方にフックを付けます。各2本ずつの計4本です。

理由は単純で、フックの数が多い方が掛かる確率が高いから。特に近年はアングラー全体のレベルが高まっているので、人より釣ろうと思ったら針掛り率の高いフックセッティングは不可欠です。

しかし、前後にフックが付いたジグには、後ろのフックにリーダーが引っかかるいわゆる「エビ」と呼ばれる現象が起こりやすいという弱点があります。この現象はジグをしゃくる際に微妙な力加減をすることで回避することができますが、ジグを激しく動かすハイピッチの釣りではこれが結構難しいです。せっかく針掛り率が高くても、しょっちゅうエビって釣りの効率が落ちてしまっては元も子もありませんよね。

そこで、誰もが簡単に、前後にフックが付いたジグをハイピッチでしゃくれるよう作ったのが、ハイピッチジャーカーライトです。

ティップに適度なしなやかさを持たせることで、ジグがエビらないための微妙な力加減をロッドが勝手にやってくれるようにしました。それでいてバットはしっかりしていますから、ジグを思い通りに速く動かすことができます。

レングスは、PHPJ606L-4は6フィート6インチで、PHPJ607L-3は6フィート7インチと少し長め。僕のハイピッチの釣りは基本ワンピッチジャークですが、時にはより釣果を伸ばすために竿のストロークをめいっぱい使ってジグを大きく飛ばしたり、送り込んでフォールの時間を長めにとったりと、変則的な動かし方をワンピッチジャークに織り交ぜます。そのためにはある程度長さがあった方が有利なので、少し長めにしました。

ガイドセッティングは、近年のライトライン化に対応し小口径なものを採用しました。今はPE自体が強くなり、結束強度もほぼ100%です。昔はPE自体が今より弱く、しかも結束部分で60~70%に落ちていたことを考えれば、今のPE2号のシステムは昔のPE4号のシステムと大体同じくらいの強さだと思いませんか? 僕自身、近海ジギングではPE2号前後を使うことが多いので、必要以上に大きいガイドは不要だと判断しました。

また、この小口径セッティングの利点として、ラインが遊ばずきちっとブランクに沿うため、ラインとブランクの一体感が高いということが挙げられます。これにより、しゃくった際にブランクがしなり戻る力がロスなくジグに伝わるため、より軽快なしゃくり心地を実現しました。

PHPJ606L-4PHPJ607L-3は、状況や使うジグの重さによって使い分けてください。僕の場合は、PHPJ606L-4は潮がしっかりとしていて水深もあるような場所で180g前後や場合によってはそれ以上を使いたいような時、PHPJ607L-3は浅場を中心に130g前後をメインに使いたい時、といった感じで使い分けています。

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自信あり! 釣果を生み出す最強の3点セット

ハイピッチジャーカーライトとカプリスエッジは同時期に開発を進めていたので、一緒にテストをして作りました。また、その時に使っていたリールはオケアノスです。実は、このハイピッチジャーカーライトとカプリスエッジオケアノスの3点セットこそ、僕の中で最強の組み合わせ。もう釣り負ける気がしないくらい自信があります。

まず、カプリスエッジはキレの良いダートアクションで誘いスローなピラピラフォールでバイトチャンスを演出し喰わせる薄型ジグで、ハイピッチジャーカーライトと組み合わせることで自由自在と言ってもいいくらい動かしやすく、しかも前後にフックを付けてもかなりエビりにくいので、極めて効率よく釣り続けることができます。

また、オケアノスはあれだけコンパクトですがギア比が高く、スプールがいっぱいならハンドル1回転で1m以上巻けます。ハンドル1回転で糸が多く巻けるということは、回収が速いということはもちろん、ジグを動かす時に初速を与えやすいということでもあります。つまり、よりメリハリの効いた良い動きで誘うことができるということです。

要は、この3点セットを使うことで、僕はおそらく人よりも針掛り率の高いフックセッティングのジグで、人よりもたくさんのバイトチャンスを演出し続けることができていると思うんです。だとしたら、まず釣り負けることはないはずじゃないですか(笑)

そして、これは僕の釣りのウデによってではなく、道具の性能によってできていることなので、同じ道具を使えば誰にでも真似ができるといっても過言ではありません。人に釣り勝ちたい方は、良かったら参考にしてみてください。

ちなみにこの3点セットを使ったオススメの動かし方は、

■青物……
基本ワンピッチでしゃくって「1・2・3・4・バーン」とか「1・2・3・4・5・6・7・バーン」とかでジグを飛ばして使います。カプリスエッジは薄いからバーンとしゃくればぶっ飛びますし、さらにぶっ飛んだ後には「ピラピラピラピラ……」と美味しそうにフォールして、渋い状況でも喰わせることができます。

■サワラやタチウオなど歯が鋭い魚……
規則正しくワンピッチでしゃくるのがオススメです。ジグが不規則な動きをすると、噛みつく位置を誤ってラインブレイクする確率が大きくアップします。タチウオはハイピッチで釣ると数は出にくいかわりにサイズは出やすいですよ! デカいのを選んで釣りたい方はぜひやってみてください。

実際どんな動作でしゃくっているかは、動画を参考にしてくださいね!
▼ルアルアチャンネル 第172回放送(1/17)久保浩一さんの紀北沖の青物ジギング
▼ルアルアチャンネル 第159回放送(10/18)久保浩一さんと友ヶ島水道・青物ジギング

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