2014.05.29 (木)

エバーグリーン蛯原英夫 
ゼロダン&ネイルリグでシャローカバーを攻略 
W.B.S.第2戦 霞ヶ浦 レコードウエイトで優勝!

エバーグリーンプロスタッフ蛯原英夫です。

初日6,970g、2日目6,320g、トータル13,290g! 5月17、18日に霞ヶ浦で開催されたW.B.S.2014 PRO-TEAM トーナメント 2ndでW.B.S.の2dayレコードをたたき出し優勝することができました。

■ 全ての狙いが的中した初日 55cm霞モンスターを獲りトップウエイト

今年の霞ヶ浦はスポーニングがダラダラと長く続いているため、プリ、ポスト、アフターの三種類が混在する中での試合となりました。自分はその中でも今回はアフターに的を絞り、ザリガニがたくさんいるエリアで、そのザリガニを捕食に来ている回復系を狙うことにしました。

天候には左右されますが、この魚はこの時期でもフロッグで釣るのが効果的なバスなのです。練習ではローライトコンディション時や晴れていても朝夕はキッカーフロッグでナイスサイズを釣っていて、完全にカエルモードになってしまっていました。しかし、試合では朝からドピーカン。それでもポイントに着いて最初にキャストしたのはキッカーフロッグでしたが・・・(笑)

すぐに切り替えて、そこからはダブルモーションに。カラーはこの季節の鉄板スカッパノン(#11)とマッディークロー(#24)。7gゼロダンにセットし、落ちパク狙いでひたすらアシ際をタイトに撃っていきます。

少し濁っていたのと、アシ際のように水深が浅くてフォール距離が短くてもしっかりアピールしてくれるダブルモーションをメインに、動きの違いでキッカーバグ3.5インチのリバーシュリンプ(#37)をローテーション。ザリガニがいそうなアシ際を撃って撃って撃ちまくっていき、2時間半でリミットメイク。

しかし、この時点ではまだ4kg。その後、いくら釣っても金太郎飴状態だったので移動を決意。ここからはランガンタイムに突入。

練習でデカイのを仕留めていたポイントに向かおうと走っていた最中に直感が閃きハンドルを切りました。そこは今回の練習で行ってもいなければ、しばらくバスも釣ってもない所。なぜ行ったのか、未だにわからないのですが・・・

ここではピッチンスティックのネイルリグで攻めていくことに。このリグはダブルモーションのゼロダンとは逆に、スローフォールするので浅い水深でバスに見せる時間を長くつくることができます。

さらにゴロタ、リップラップ系の場所での根掛かりも少なく、しかもワーム自体に適度なボリュームと重さがあるため、14lbラインを使ってもまったく問題なし。水深が浅くてカバーの多い霞水系で使いやすいリグです。

このリグでしばらく撃ち続けていくとブッシュとゴロタが絡む複合スポットに差し掛かかりました。このとき、記憶にはありませんがパートナーによると、キャスト前に「なんか釣れそうだな~」と言ったらしいのです。無意識に何かを感じたのでしょう。

ピッチンスティックをスキッピングで最奥に送り込み、奥から手前にチョン、チョンとアクションさせ、テナガエビが泳ぐ様を演出。
すると・・・

濁り気味でしたが偏光サングラス越しにドデカいバスが一瞬見えたのです。そして、反転したのを再度確認した後、思い切りアワセを入れました。物凄い引きでしたが、14lbラインで引き寄せパートナーにランディングして貰うと、なんと55cm、アフターの2,120g霞モンスターでした。

このテナガエビをイメージしたアクションは、ルアーが手前に移動しすぎないように、ロッドを横に構えてラインスラックをしっかり出してやることが重要。だから、ロッドは操作性を優先して70MHではなく67MHのヘラクレス・ブルーマイスターを使っていますがまったく問題ありませんでした。

このとき感じた何か信じられない不思議な力。それからは「ここがいるならあそこも!」みたいな発想でまわると、それが大正解! 行く場所、行く場所、ピッチンスティックのネイルリグで怒涛の入れ替え。初日は6,970gでトップウエイト!


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■ 初日から一転 窮地を救ってくれたダブルモーション

2日目。初日と同様の戦略でまずは4kgのベースを獲りにいくも、朝の1時間半でたったのワンバイト。しかも、その貴重なバイトを物にすることができませんでした。はじめはへこみましたがすぐに立ち直り、「一匹いたんだからまだまだいる。必ずつかんでやる!」と自分を信じてさらに集中力を高めました。

そして、ダブルモーションとキッカーバグ3.5インチのゼロダンをより細かく丁寧に撃っていき、3時間半掛けてなんとかリミットメイク。

初日と比べ厳しい展開でしたがウエイトは予定通り約4kg。「でも、これでは勝てない。とうしても5kgは欲しい。勝負!」と移動を決意。

そこからランガンを繰り返し、初日良かったシャローのリップラップ、アシ、杭などをまわるものの、風が当たり過ぎていて思った様にはいきません。気になる場所を一通りまわったもののワンバイトのみ。時間はすでに11時。試合終了まで後3時間。

かなりのあせりがありましたが、ここでいったん沖に出てエンジンを止めました。そして、コーヒーを呑みながらその時点の霞ヶ浦の状況を分析。

その結果「今は走りまわっても無駄。確実にバスがいるエリアに行こう!」と冷静に判断。まずは朝一のエリアに戻り2時間使って、ラスト1時間をランガンに当てることにしました。

しかし、朝一のエリアに戻るとバスボートが・・・それでもあせらずとにかく自分を信じてやり切るしかありません。それには今まで何度も何度もつらい状況で自分を助けてくれたルアー、「ダブルモーションしかない!」

集中力を極限まで高め、自分の魂、ダブルモーションのゼロダンでアシ際を丁寧に撃って落とし撃って落としを続けること約1時間、フォール中に少し違和感が・・・

「次の1投で決める!」そう思い、次のキャストでアクションを変えました。着底後ロッドを縦にあおりスイミングさせると・・・ラインが走ったので思いっきりフッキング! キロオーバー! 入れ替え成功!

不思議なことにその直後、風が少し穏やかになったのを体が感じ「今だ、行くしかない!」ラスト1時間になる前に予定を変更して、初日ビッグフィッシュを獲ったポイントに。

あたりを見回すと先ほどまでの波は収まってはいるものの、強風で底荒れしているのを確認できたので軽くひと流ししてそこは見切ることに。「ダメか・・・まだ5kgは超えていない」


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■ ピッチンスティックで最後の最後に奇跡が

この時点で試合終了まで残りちょうど1時間に。もちろんまだ諦めるわけにはいきません。2年前の最終戦で優勝して以来、あと一歩のところで勝てない試合が続き、精神的にもつらい思いをしてきたので「もう悔し涙は流したくない。2位だけは絶対にいやだ、勝つんだ!最後の最後まで諦めない精神、エバーグリーン魂だ!」とあの悔しさ、情けなさをここで思い出し、気合を入れ直しランガンを決行。

しかし、時間は刻々と過ぎていき残りわずかに・・・そしてたどり着いた霞ヶ浦大橋付近のシャローエリア。ここが最後のエリア。ここでピッチンスティックのネイルリグをバックスライドさせると奇跡が。

ラインが走った! なんと、このバスがこの日最大となる1,600gオーバー! 最後の最後に入れ替えに成功。これで5kgは完全に超えたことを確信。しかし、あともう1本700gのバスがライブウェルに・・・

「まだ時間はある」と興奮冷めやらぬまま、すぐに次のキャスト。それがこの日のファイナルキャスト。ピッチンスティックをブッシュ際にキャストし、バックスライドで奥に送り込むと、吸い込まれるラインの速度が変わり・・・

「喰った?マジか?マジだ!」で思いっきりアワセ、無事ランディング。なかなかのサイズ。計ると1,200g! ラスト2投で2本、奇跡の入れ替え。これで確実に6kgは超えたので優勝を確信。正直吠えました。大声で「シャー!」

正に神降臨。勝利の女神が舞い降りてくれました。そしてパートナーと思いっきり握手。2人共、興奮で手が震えていました(笑) そして土浦新港に向かい無事帰着。

ウエイインはファィナルウエイイン。計ると2日目6,320g、トータル13,290gでブッチギリの優勝!終わってみればW.B.S.の2dayレコードを樹立していました!!

試合の翌日、仕事の合間に菊元さんのブログを見ていたら、何だか込み上げるものがあって涙か止まらなくなってしまいました。目薬でごまかそうとしましたが・・・勝って泣けるなんて自分は幸せ者だと心から思えました。優しい親分に出会えたこと、心からうれしく思います。一生忘れません、本当にありがとうございました。

また、みなさんから今回もたくさんの応援をいただきありがとうございました。今後も自分の成し遂げていない「夢」に向かい絶対に諦めない精神「エバーグリーン魂」で頑張りますので応援よろしくお願いします!

■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-69H ヘラクレス
ライン:バスザイル・マジックハードR 16lb
ルアー:ダブルモーション 7gゼロダン

ロッド:ヘラクレス HCSC-75H エアリーフリップ
ライン:バスザイル・マジックハードR 16lb
ルアー:キッカーバグ 3.5インチ 7gゼロダン

ロッド:ヘラクレス HCSC-67MH ブルーマイスター
ライン:バスザイル・マジックハードR 14lb
ルアー:ピッチンスティック 1/32ozネイルリグ

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