2023.09.29 (金)

清水盛三が語る キーはヘビーウエイト・ラバージグ、夏のクリアリザーバー・サスペンドバス攻略法

晴天無風、スーパークリアウォーターのリザーバーで夏のサスペンドバスと対峙する……誰もがライトリグに頼りたくなるタフな状況下で、清水盛三が魅せた!

そこにあったのは、低活性バスを反応させるラバージグの使い方。キーはヘビーウエイト。人とは違う自分だけの魚を追いかけるモリゾースタイルをぜひご覧ください。

2023年8月23日放送【The Hit】浮かすよりジグ落として50センチに慌てましたわ

 

今回はThe Hit夏の金砂湖ロケ。超クリアで晴天無風にフル満水、カバーにボーッと浮く見えバスもいて明らかにタフな状況だった。さすがにハードベイトの巻きではめるのは難しかったけど、ライトリグに頼りすぎずに自分のスタイルで良い釣りができた。50アップも獲れたしね。

みなさんも釣りに行く時は良い条件の時ばかりじゃないだろうし、そんな厳しい状況で「こんな釣り方もある!」というのを今回はお見せできたと思う。その時のThe Hit動画とこの記事を合わせてチェックしてもらえれば、タフ=ライトリグだけじゃないということが理解できるし、釣れる魚も増えるはず。


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巻きで得たヒントを元にスローダウン、表層ピクピクで45オーバー×2

といっても、朝はいつも通り攻めの釣りから……(笑) バブルトルネードクラッチヒッタースイミングトゥルーパーワンズバグあたりで表層付近を手早く探っていった。しかし、何回かチェイスがあったもののノーバイト。

このプロセスは、モーニングバイトを期待しているというのもあるけど、その日の状況を素早く掴んだり、魚が濃いエリアを見つけたりするためのものでもあるので、たとえ釣れなくても無駄にはならない。

実際、この日最も良かった1/2ozという重めのIRジグに辿り着いたのは、バブルトルネードに50クラスのビッグバスのチェイスがあって、そのバスが深いところから浮いてきたというのも1つのヒントになっている。

ただその前に、流していると岸寄りの表層にもチラチラとバスが見えるエリアがあったので、反応を確認するために一旦スローダウンしてみることにした。

まずは、見えバスに対してラストエース80Fのピクピクでアプローチ……でも、もう一歩のところで喰い切らない。

さらにこのエリアは、最初は見えていなくても、深いところからルアーを見に浮いて来るバスも多かった。しかし、バスの動きはゆっくりでルアーを喰い切らない。

そこで、オーバーハングや冠水した枝や葉っぱを楯にするような感じで、バスとの間合いをもう少し取ってアプローチ。ラストエースのピクピクのこの釣り方で、ようやく2本キャッチ。

2本とも45オーバーの良いバスだったし、やり切ればまだ釣れたとは思うけど、かなりスローな展開で、もしかしたら他にもっと良い釣り方があるのに結局この釣りで1日終わってしまった、とならないように次なる展開を試してみることにした。


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クリアウォーターだから1/2oz、ヘビーウエイトIRジグで50オーバー

それが、1/2ozのIRジグ。今までの材料から判断すると、バスは少し深いところにサスペンドしていて、表層に興味があるヤツもいるけど動きはスロー。なので、ルアーをバスのレンジにダイレクトに入れるか、逆にボトム側に追わせる方が良いのでは……と考えた。

そして、まずはラストエースの時と基本同じ考え方で、岸際のカバーを利用。冠水している枝や葉にIRジグを入れてからフォール。枝や葉はそんなに深いところまで入っていないけど、そのまま落とし込んでいき、5mくらい落とすと着底。その瞬間にバイト。40アップ。

次は、細かい枝の立木に添わせて落とし込んでいくと、ラインがいつまでも止まらない?? フォール中のバイトに慌ててフッキングしたが、バスがジグをくわえて走っていてラインが水中の枝で曲がっていたようで、十分なフッキングパワーが伝わらず、残念ながらジャンプ一発で外れてしまった。があきらかな40アップだった。

さらに、岸際のカバーにスキップで入れて、ラインを出して、ボトムに着いて1~2アクションでバイト。サイズは小さかったが1本追加。この展開の速さは、あきらかにバスがラバージグを好んでいる。

そしてついに……50アップをキャッチ。IRジグ1/2oz。

釣れた水深は7~8mのボトム。このビッグバスもやはり、1/2ozというラウンドヘッド系のコンパクトジグとしてはやや重めのウエイトがキモだった。

でも、1/2ozを選んだ理由は、水深じゃなくてスピード。重めのウエイトで、クリアウォーターのタフでやる気がないバスに、見切らせずに口を使わせてしまうフォールスピードが必要だった。

それと、岸際に冠水した枝や葉に入れるのにもコンパクトで重いほうが良い。ここでは、深いから重めのウエイトというだけじゃなくて、それプラス「クリアだから重め」「カバーだから重め」という考え方だよね。

同じ1/2ozでも、ヘビーカバージグを使うとスライドしたりしてフォールスピードが遅くなるし、まっすぐ素早く落とせてボトムで誘えるフットボールジグではカバーを抜けにくい。あと、もちろんスモラバでは軽くて速く落とすことができないし、フックが小さくて対カバー、対ビッグバスには不安もある。

変形ラウンドヘッド&ロングシャンクフックのIRジグは、カバーでも、フォールでも、ボトムでも、とバーサタイルな特徴があって、いろいろな場所や状況で使いやすい。

特に1/2ozと3/4ozはクリアで急深な日本の典型的なリザーバーでテストを繰り返してラインナップに追加したウエイトなので、今回の動画で実際にその釣りを見てもらえて良かったと思う。ラウンドヘッド系のラバージグのヘビーウエイトってメジャーな存在じゃないけど、特にリザーバーに行くなら持っておきたいね。


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対サスペンドバス、ラバージグのアドバンテージ

ただし、速いフォールスピードが必要とはいえ、今回狙っていたのは中層にサスペンドするバス。ルアーをボトム方向に逃がして、追いかけさせる釣り方なので、フォール中や着底直後~1アクション2アクションでバイトがある。そんな浮いているバスが相手だから、極端にフォールスピードが速すぎるのも、追うのをあきらめてしまうので良くない。

だからラバージグというのもある。スカートの抵抗で少しフォールスピードが制御されるからね。それと、ドンっと着底した時に、ラバーがフワーっと開くのが、喰わせのキッカケにもなる。

トレーラーによってもフォール姿勢や速度が変わるので、状況に合わせてそれらを微調整できるのもラバージグの良い点だね。ダブルテールはゆっくり落ちてハイアピール、チャンクは速く落ちてスライド気味、ストレートは速く落ちてローアピール等々、まだまだいろいろある。この日は、小さなテールだけがピロピロ動く抵抗の少ないバイズクローポートリーを使用した。

それと、ラインもフォールスピードに影響することは言うまでもないよね。オープンウォーターで10lbラインを使うなら3/8ozで同程度のスピードを出せたかもしれない。でも、ここではカバーを狙うために、フロロカーボンの16lbを使っていたので、3/8ozではスピードが足りないと考えて1/2ozを選択した。

ラバージグのカラーはシークレットスモーク(#202)、トレーラーはグリパン/緑&紫ラメ。クリアなリザーバーでは良く釣れる組み合わせ。

で、ラバージグもハードベイト同様、アタリの出方や吸い込みの深さでカラーが合っているかいないかを判断している。実際、コンッ、パッ、「あっ、離したかっ……」というアタリも多いと思うけど、そんな時はルアーを変える前に、まずサイズやウエイト、カラーチェンジするのも手。それだけで、グングングンと持っていくアタリに変わることは良くあるよ。

その後夕方、Dゾーンで横の動きも再度試してみたけど、反応がない。そこで、IRジグに戻してカバーにフォールさせると、サイズは小ぶりながら2本追加。最後はボイルにワンズバグで1本追加してロケは終了となった。

厳しい1日だったけど、ヘビーウエイトIRジグの釣りを映像で見せることができたのは良かった。こんな状況でも、ライトリグのスローな釣りだけじゃなくて、ヘビーウエイトのスピーディーな釣りでも釣れるということを知ってほしかったからね。

ラストエースをそのまま続けていれば、まだ釣れたとは思う。でも、ロケでもトーナメントでも、その限られた時間の中で、常にベストクオリティを追い求めて、自分だけの魚を探しに行くのが僕のスタイル。その結果が、今回はヘビーウエイトIRジグの釣りだった。

【The Hit】浮かすよりジグ落として50センチに慌てましたわ/2023年8月23日放送
※動画は期間限定公開です。一定期間経過すると配信終了となります。

こんな感じでいろいろ考えて試して上達していけるから、バスフィッシングは楽しいよね。この動画と記事を参考に、みなさんもバスフィッシングをより楽しんでいただければ嬉しいです!

P.S.
ラバージグ、トレーラー、ラインをこのタックルデータと同じ組み合わせで使ってもらえれば、僕が今回釣っていたのと同じフォールスピードになるので「モリゾーが言っているのはこのスピードか!」と体感した上で、この動画を見直してもらうと、より一層理解が深まるのでおススメです!

■タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYS-73MH+ スーパートライアンフ
[リール]ジリオンSV TW 8.5:1
[ライン]エクスレッド(フロロカーボン) 16lb
[ルアー]IRジグ 1/2oz
[トレーラー]バイズクローポートリー 4インチ(1節カット)

■関連サイト:サンテレビ The Hit
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