2023.12.28 (木)

清水盛三が語る クリアリザーバーでシャロークランキング~バスフィッシングをもっと楽しむために

清水盛三が得意のシャロークランキングで晩秋の七色ダムを攻略。

2023年12月6日放送【TheHit】プロとアマの違いを検証したらやっぱ全然違った

クリアウォーターでフルサイズクランク、ゼルクを選んだ理由とは……パワーフィッシングで釣果を伸ばすために意識すべき大事なこととは……厳しい時代だからこそ1匹の価値を高めるバスフィッシングを……The Hitロケを振り返りながら盛三が語ります。

 

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ディープ?ライトリグ? 情報に惑わされず、いつも通りシャローの巻きからスタート

「磯部さん、あと1時間、いや30分巻き足りなかったかもしれませんね~(笑)」

開始からノーバイトが続いていたけど、1時間半の沈黙を破りグッドコンディションの七色バスがゼルクを襲った。いつも言っているように、これも信じて巻き続けた結果。

今回のThe Hitロケは晩秋の七色ダム。1週前にサンデーアングラー代表、番組MCの磯部公彦さんが釣った七色ダムを、元ツアープロ清水盛三が攻めるとどうなるのか……という企画。

磯部さんの方は、朝は巻きを続けていたけど、1時間で耐え切れずにスピニングを握ってしまい……(笑)、最後の最後にディープのキャロシャッドで1本獲ったのは感動的だったけど、全体的にかなり苦戦していたよね。

それから1週間後、僕のロケ日も、その時とあまり状況が変わっていないとレンタルボート店のスタッフ。最近はライトリグで1~2匹釣れれば御の字だと言う。

実際、ロケ当日、レンタルボートのお客さんもあまり釣れていないと言っていたし、とあるプロが取材に来ていたけど、25cm3匹とのことで、本当にタフな状況だった。

でもその結果は、あくまでそのアングラー達の釣りによるもので、僕がベーシックにしている釣りをやっていないかもしれない。僕と同じスタイルで釣って釣れていないのならまだしも、違う釣り方で釣れていないと言うのなら、その情報を気にする必要は全くない。

そこで、いつものように「自分の目で確認して、納得するまで自分の釣りを展開しよう」とシャローの巻きの釣りからスタート。

まずは晩秋のクリアリザーバーで効くDゾーン1/2ozタンデムウィローから。続いて、今年のリザーバーロケで結果を出し続けているジャックハンマーSB1/2ozで流していく。

所々現れるレイダウンのようなカバーには、IRジグ1/2ozを撃ち込んでいく。それで1本拾えればラッキーと考え、2~3発入れてダメなら、すぐまた巻きに戻す。

天気は曇り。冷え込む季節とはいえ、朝のフィーディングタイムが終わるまでに、ルアーを回しながら釣れるエリアと釣り方を探したいという意識もいつもどおり。

 

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釣れない……それでもルアーのパワーを上げるローテーションを実践

そんなスピーディーな展開で流していくが、全く反応がない。ここ最近のリザーバー釣行は好調だったこともあり、ここまで約1時間半、あまりの反応のなさに弱気な発言が口をつく。「磯部さん、やっぱり厳しいですね~(笑)」

「もう冬なのか……?」とレンジを下げて、Dゾーン3/4ozのスローロールも試してみるがノーバイト。「何かが違う……」

そこで次は、同じ巻きでも、真逆なことをやってみようと考えた。そこで選んだのが、オリジナルサイズのゼルク

釣れないからといってルアーのパワーを落とすのではなく、逆にパワーを上げる方向のローテーションを実践する。するとすぐに結果が。

太くてきれいな40アップが、ゼルクを「バフォッ!」と力強く吸い込んだ。

七色ダムは山間部にあって寒いけど、思ったより季節は進んでいない。水の中の季節はまだ初秋っぽい感じ、と狙いがズバリ的中。

釣り始めて約2時間。巻き続けた結果。これが冒頭の発言につながっている。釣れないからと言って、早々とスローダウンしていたら、このバスに巡り合えなかったはず。

七色ダムはクリアウォーターだからフルサイズクランクはないでしょ、という先入観を持たず、純粋にルアーのパワーを上げるには……と考えてゼルクを選んだ。

ただし、クリアウォーターの水の色を意識してトーンを落としたカラー(この時は#27 アユ)を選択していた。

見た目より波動でアピールする作戦だったが、もし季節が進んで冬寄りかなと感じていたら、エックスオーバーフェイスを選んでいたかもしれないね。

 

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これだけは意識したい、巻きの釣りならではの超重要なテクニック

その後、ゼルクを投げ続けていき2本目をキャッチ。

またしても鋭くルアーを吸い込むアタリに「この喰い方なら絶対にまだ釣れる」と確信。2本とも喰い方が完璧で、手元にクランクベイトを吸い込んだ時の感触がズバッと伝わってくる。

このような感触が伝わってくる時はルアーが合っている、といつも言っているけど、こういうアタリが出る時のバスの喰い方は、「やばい、逃げられる」とちょっと離れていても追いかけてきて喰っていると思う。

目の前を通ったルアーを嫌々口にしているのではなく、喰いたいから追いかけてでも喰うという感じ。だからバイトが深いし、コンディションの良い魚が釣れる。

大事なのは「釣れて良かった!」と、ただ喜ぶのではなく「どんな喰い方だったか?」を意識すること。何度も言うけど、喰い方の良し悪しは、その日の状況を判断する絶好の材料なんだ。

これは、巻きの釣りでは超超超重要なテクニック。その情報を元に、次の展開を組み立てることで正解に近づくことができる。

ライトリグやジグの釣りだとそうはいかない。スローな動きやラインスラックの影響で、アタリが手元に伝わってこないこともあって、その釣り方やルアーが合っているのか、なかなか確信に至らない。

でもファストムービングでは、バスがルアーを喰った感覚が手元に伝わりやすいから、その感覚から状況を判断しやすいんだ。そこを意識していないと、いくらパワーフィッシングといえども、破壊力のある固め釣りに繋がらない。

 

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自分の頭で考えることで、バスフィッシングがさらに面白くなる

1本目、2本目の喰い方から「ルアーは合っている」と集中。釣れる気満々でゼルクで流し続け、3本目をキャッチ。このバスもグッドコンディションの40アップ。

まさに、パズルのピースがピッタリ合った感じ。僕は、バスフィッシングは推理ゲームで、パズルや知恵の輪を解くようなものだと思っている。頭の中で立てた推理を、体で実践しながら答え合わせをしていく。「あれっ、このピースは違うのかぁ」「それならこのピースはどうだ」と別のピース入れるとピタリとハマる。

パズルが完成した時の爽快感のように、バスフィッシングでも、自分の脳ミソを使って考えて、それがハマった時の楽しさは格別。たとえ釣れない時間でも、ああでもないこうでもないと妄想を楽しみながら過ごすことができる。

基本的にバスフィッシングは、自分から動いて魚を探していく釣り。しかも、あれだけたくさんの種類のルアーがある。「バスはどこ?」「ルアーは何?」と想像を膨らませるにはもってこいの釣りで、他の釣りではなかなか体験できない奥深さや楽しさがある釣りだと思っている。

その面白さを体感するためには、バスフィッシングの王道でもある巻きの釣りは、避けて通れない絶対的に必要な釣り方だよね。

 

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難しい時代だからこそ、1匹の価値を高める釣りをしたい

クリアリザーバーのゼルク。とどめの1本は50cm近いビッグフィッシュだった。

でも、大きいサイズを釣ることや、数をたくさん釣ることだけが絶対的な正解というわけじゃない。今は、何を投げても釣れる簡単な時代じゃないし、1匹釣るだけでも本当に難しい。でも、正解のピースを見つけると会心の釣りができる。

だからこそ、今まで以上にゲーム性が高くなっている、つまり現代のバスフィッシングは、より深く、より面白くなっているとも言える。

1匹が貴重なこの時代だからこそ、1匹の価値をもっと高めるような釣りをしてほしい。そのために必要なのが、「釣れた」ではなく、自分で狙って「釣った」というプロセス。

もし1匹しか釣れなくても、バスフィッシングはそんな楽しみ方ができる釣り。たとえ全然釣れなくて悔しくても、いろいろと考えてやり切ったという充実感があれば、それはそれで良いかなとも思う。

そんな楽しいバスフィッシングの扉を開く第一歩として、オススメはやはりパワーフィッシングかな。積極的に動いて、感じて、考えて、試していくこと。そうすれば、何か手掛かりは得られるはず。

その手がかりを元にゲームを組み立てて手にした1匹は、サイズに関係なく本当に価値ある魚だと思う。そんなバスとの出会いをひとつひとつ積み重ねていくことで、バスフィッシングがどんどん楽しくなってくる。

そうは言ったものの、難しく考えすぎる必要はない。まずは「朝の2時間は巻くぞ!」と決心すること。必ず道は開けるので、みなさんにもぜひチャレンジしてほしいと思っています!

【The Hit】プロとアマの違いを検証したらやっぱ全然違った/2023年12月6日放送
※動画は期間限定公開です。一定期間経過すると配信終了となります。

■タックルデータ
[ロッド]ヘラクレス HCSC-611MHG サーバル
[リール]ジリオンSV TW 6.3:1
[ライン]ポリアミドプラス(ナイロン)16lb
[ルアー]ゼルク

■関連サイト:サンテレビ The Hit
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