2021.11.19 (金)

秋のリザーバーで巻き物が炸裂!
清水盛三が語る バスフィッシングを楽しむためのモリゾー的思考 

40アップ数本を含む、20本以上の爆釣劇。しかも、そのすべてをハードベイトの巻きで叩き出すという展開は、まさに盛三ワールド。

10/20にオンエアされた「The Hit」のロケで、数年ぶりに七川ダムを訪れた清水盛三が、秋の巻き物を楽しむために……番組内では紹介しきれなかったその極意を解説します。

The Hitのロケで、久しぶりに七川ダムに行ってきた。動画を見てもらえればわかる通り、巻きの釣りだけで20本以上キャッチという楽しい釣りができた。バスを釣ったルアーは、ゼルクエックスオーバーDゾーンワイルドハンチ8フッタージャックハンマーと、秋の巻き物感謝祭という感じ(笑)

でも、風がなくて意外とタフな状況だったので、正直サイズアップに伸び悩んだ。最終的にはDゾーン1/2ozダブルインディアナの中層プチスローロールにたどり着いて、良いバスを獲ることができた。

今回は、その釣行の模様を振り返りながら、その時、どんなことを考えながら釣りをしていたか、みなさんの釣りのヒントになるようなお話しができればと思います。

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ルアー&カラーローテーションで獲った朝の40up×2

まず朝一。レンタルボートで出船して、すぐ近辺から釣り始めた。モーニングバイトを期待してDゾーン・ダブルインディアナで表層付近を探り、次にエックスオーバーに持ち替え少しレンジを下げてみる。

でも、反応なし。水が少し濁り気味で色が付いていたので、エックスオーバーより動きが強いゼルクへとチェンジした。

すると、いきなりの40オーバー。幸先の良いスタートを切ることができた。

開始早々の40オーバーというだけでなく、この魚の喰い方から、「今日は釣れる!」という手応えを感じていた。なぜかというと、「ここで喰うだろうな」と思っていた場所では喰わずに、離れた場所で喰ってきたからなんだ。

「狙いとは違う場所で喰ったから釣れる……???」

なぜ?と疑問に思う人もいるかもしれないけど、狙っていた場所(=ストライクゾーン)でバイトがなく、そこからさらに巻いたところで喰ってくるということは、追いかけてきて喰っていると考えられる。だから、その距離が離れているほど、追いかけてくる距離が長い → 活性が高い → 釣れるということ。

デカいのが釣れてうれしいというだけじゃなく、釣ったバス1匹1匹から、様々な情報を読み取って、それを元に考えて、いろいろと試していくこと。これは、さらに釣果を伸ばすためだけじゃなく、考えて釣りをすることで、バスフィッシングがより深く楽しめるようになるからなんだ。

ただ、まだ朝の1匹で結論を出すには早すぎる。その後もルアーを回しながら流していった。そして、今度はエックスオーバーで40アップをキャッチ。

さっきエックスオーバーを投げた時は釣れなかったので、この濁りを考えて、動きが強いゼルクに変えたら釣れた。で、ゼルクが正解か、と思いきや、今度はエックスオーバーで釣れた。

実は、最初に投げていたエックスオーバーは、濁りを考えてチャート/ホワイト系のカラーだったんだけど、この40アップが釣れたのは、アユ系のカラーだった。

1本目を釣ったゼルクがアユカラーだったから、それをヒントに、リグってあったチャート/ホワイト系のエックスオーバーをアユ系の色に変えていたんだ。
やはり、億劫がらずにカラーローテーションすることは大事だね。この朝のやる気のあるバスに対しては、動きの質よりもカラーの方が重要だったのかもしれない。

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1日で結果を出すためのベストな方法 〜 40upを獲った釣りに固執せず広く速く流す

という感じで、まずは40アップを2本獲って良いスタートが切れたけど、その日の状況を決めつけるには、まだ早い。次は最下流ダムサイトまで走り、さらに別の筋の最上流まで走り、と広範囲を素早く流していった。

僕の場合、このようなロケでは、ぶっつけ本番1日で結果を出さないといけないので、フィールドの状況を素早く把握するために、基本午前中は、できる限り多くのエリアをザッとでも見るようにしている。そして、できるだけたくさんの情報やヒントを、自分の目で見て、肌で感じて、全体像をつかんでから、その日にやるべき釣りを見極めていく。

一見よさそうだなという場所でネチネチやってしまったら、本当はもっと釣れるエリアや釣り方があるかもしれないのに見落としてしまうかもしれない。

まずは、その日の傾向を素早くつかむことから。1日で結果を出すためのベストな方法が、これ。

週1回しか釣行できないサンデーアングラーも、1日で結果を出さないといけないという点は同じ。だから僕は、番組を見てくれるみなさんの参考になるように、とも考えて、このスタイルでロケに臨んでいる。

ムービングベイトを多用するのもしかり。もちろん好きというのもあるけど、素早く状況をつかむためには、巻きの釣りが欠かせない。

1日でできる範囲でベストな答えにたどり着くために、そしてせっかくの休日を楽しむために。ぜひ、そんなところも意識して見てもらえるとうれしいですね。

で、話しを戻すと、朝40アップ2本を獲った後は、フローティングカバーの際をDゾーン・ダブルインディアナで狙って釣れたり、ワイルドハンチ8フッターで少しレンジを下げて釣れたりしたものの、サイズは小さかった。
それでも、今はまだ情報収集の段階。まだチェックしていないエリアで、もっと良い釣りができるかもしれない、と考え、ひたすら投げて巻く、投げて巻く、を繰り返していった。

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沖の釣りでもモリゾー流 〜 1投に時間を掛けすぎず投げ続ける

そして、時々魚探に目をやり水深を確認しながらバンクを流していると、沖まで張り出したフラットを発見。水深1.5mのフラットが4mまでドンと落ちている。秋はこんなところに魚が溜まっているから、ここで固め釣りができるかも、と思いながらバンクからボートを離し、すぐに釣り始めた。

ルアーは、ブレイクのレンジに合わせたワイルドハンチ8フッター。ここでも、魚探を念入りにかけてボトムの地形を事細かく把握、なんてことはしない。自分の使っているルアーの潜行深度がわかっていれば、ボトムにコンタクトする感じで、キャストをしながら大まかな地形を把握することができる。

魚探とにらめっこして、1投するまでにメッチャ時間を掛けている間に、とりあえず10投した方が釣れる確率も高くなる。ルアーを水に入れておく時間を増やしたい。最新の魚探がないから……とあきらめる必要はまったくない。それならバンクに寄って、目で見える岸際に10投すれば良い。その方が、絶対チャンスは増える。

なので、この時もルアーをいろんな角度で投げながら、釣りながら地形を把握していった。「ボトムコンタクトが続いているのでここはフラットの上だな」「今ボトムに当たらなくなったのでブレイクを横切ったな」とか感じながら、釣っていく。そして、5~6本連続でキャッチ。やはり思った通りバスは固まっていた。

このような沖の釣り(レッジフィッシング)はアメリカのレイクガンターズビルで学んだんだ。でその後、バスマスタークラシック・レイクガンダーズビル戦に出場した。季節は違ったけど、同じく沖のスポットを釣って、6ポンドクラスのビッグフィッシュを3日間毎日獲った。

そのルアーが、ワイルドハンチ8フッターのプロト最終型。そしてカラーが、今回と同じシークレットホワイトライム(#288)だった。

エイトフッターのプロトを、ボロボロになるまで投げ倒した時のことを思い出しながら釣っていたよ。僕にとっては思い入れがあるルアーで、本当に大好きなカラーでもあるんだ。

残念ながら、ここではビッグフィッシュは出なかったけど、魚の喰い方がアグレッシブだった。このカラーは、ベイトフィッシュを追っているけど水が濁っているので少しアピールが欲しいな、という、まさにこのフラットで起きていたような状況で凄く効くね。

この後も、もう少し粘ればまだ絞り出せるかな、とも思ったけど、サイズも伸びなかったし、まだ流していないバンクもあったので、この場所をキッパリと見切って再びバンクを流すことに。

朝にシャローレンジで40アップを釣った、ミドルレンジではサイズが伸びない、等々、今までの情報を元に、1.5mくらいまでのシャローレンジを引けるルアーをローテーションしながら釣っていく作戦を立てた。


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秋と言えば、やはりDゾーンの中層スローロール

そしてここからも、投げて巻く、投げて巻く、を繰り返し、順調に釣果を重ねていった。

ゼルク、エックスオーバー、Dゾーン、ジャックハンマー……パターンらしきものは何もなく、どのルアーでも釣れてしまう。ある意味、贅沢な悩み。サイズは伸び悩んでいるが、ワームではこうはいかない。これがムービングベイト。

数は20本近く出た。あとはビッグフィッシュ。何か反応するルアーや釣り方があるはず……

そしてついに、40アップをキャッチ。ルアーはDゾーン1/2ozダブルインディアナ。

釣れたのは、岬の岸から少し離れた場所に顔を出している立木を狙ったキャスト。沖側へのキャストだったので、少しだけレンジを下げようと、今までDゾーンを巻いていた速度よりも、少し遅く巻いていた。

ここで使ったのが、前にも記事で紹介したことがある、スピナーベイトのプチスローロールというテクニック。

秋に良く釣れる釣り方で、スピナーベイトをボトムに当てずに中層をゆっくり引くだけというシンプルな釣り方。

でも、例えば急激な水温低下なんかで、動きたがらないビッグフィッシュをリアクションバイトさせてしまう強烈な釣り方でもある。フラッシングを伴う動きでゆっくり目の前を通過するスピナーベイトは、デカい魚からすると、つい反応してしまう要素があるんだろう。

で、どのくらいのスピードで巻くかと言えば、着水後すぐに巻き始めて、ブレードの振動が感じられるギリギリのスピードで巻くだけでいい。Dゾーンは、それで釣れるようにつくっているからね。

その後、同様の釣り方で、40アップをもう1本追加した。

紀ノ川の時には、Dゾーン1/2ozダブルウィローを使っていたけど、今回は、濁りがあって、よりゆっくりと引きたかったので、強い振動のダブルインディアナを使っていた。

このプチスローロールは感覚的な釣りで、慣れるまではイメージがつかみにくいかもしれない。難しいと感じる人には、Dゾーンのダブルインディアナを使ってもらうのが手っ取り早い。

ウィローリーフブレードと比べるとダブルインディアナは、ゆっくり巻いてもブレードが大きく回転するので、手元にコンコンとノックする振動がすごく伝わりやすい。

だから、スピナーベイトの中層スローロールをマスターしたい、という人には、まずダブルインディアナから始めることがオススメです。

プチスローロールを覚えたら、今まで釣れなかった魚が釣れるようになって、バスフィッシングがもっともっと楽しくなること間違いなし!

秋のリザーバー。これからは数を釣るのは難しくなってくるけど、そのかわりデカいのが釣れる。

しかも、バスは、まだまだボトムじゃなく浮いていることが多いので、ワームよりもムービングベイトで押し通した方が、良い結果が出ることが多い季節でもある。

みなさんも、ぜひフィールドに足を運んで、巻きまくってほしいですね!

2021年10月20日放送【The Hit】巻き物で秋の荒食い20匹越え…バスが湧いてます
※動画は期間限定公開です。一定期間経過すると配信終了となります。

■タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYC-70M マルチローラー
[リール]ジリオンSV TW 6.3:1
[ライン]FCスナイパー 14lb
[ルアー]Dゾーン 1/2oz ダブルインディアナ

[ロッド]ヘラクレス HCSC-611MG サーバル
[リール]ジリオンSV TW 6.3:1
[ライン]ディファイアーアミーロ 17lb
[ルアー]ゼルク

[ロッド]シナジー CSYC-610ML リッピンフィート
[リール]ジリオンSV TW 6.3:1
[ライン]FCスナイパー 12lb
[ルアー]エックスオーバー

[ロッド]ヘラクレス HCSC-611MG サーバル
[リール]ジリオンSV TW 6.3:1
[ライン]FCスナイパー 10lb
[ルアー]ワイルドハンチ8フッター

■関連サイト:サンテレビ The HIT

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