2014.11.28 (金)

小林知寛 JBワールドチャンピオン獲得
TOP50・2014全試合レポート

エバーグリーンプロスタッフの小林知寛です。今年はJB TOP50での初優勝、そしてアングラーズオブザイヤーを獲得することができ、とても良い年でした。たくさんの応援・サポートをしてくださった皆様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

簡単ですが今年の全試合を振り返ってみました。

■ 動きの鈍い春バスを獲るための戦略とは

【第1戦 4月4~6日 七色ダム  9位】

七色ダムでは自分の得意とする強い釣り(=くればデカイという釣り)で魚を見つけることができず、完全に守りの展開を強いられました。パターンとしては、これからスポーニングに上がろうとしている300~500gという七色の平均サイズを狙って、C-4シュリンプのライトキャロで水深3~5mの張り出しを釣るというものでした。

キモになったのは、とにかくゆっくり引くこと。それとワームを浮かさないこと。

まずゆっくり引くために、ボートを風やエレクトリックモーターでドラッギングするように流したりせず動かないようにしっかりステイさせて、ロッド操作で岩一つ一つを丁寧に乗り越えていくよう意識。このようにして、動きの鈍い春バスにバイトするチャンスを与えていました。

さらに、この時期に張り出し沿いに上がってくるバスはボトムのものに反応しやすいため、ワームがなるべくボトムから離れないように、いつもよりフックサイズを上げて対応しました。これは僕の考えですが、浮いているベイトフィッシュは低水温に慣れていて動きの鈍いバスが追いかけてもすぐ逃げてしまいますが、ボトムで生活しているゴリやエビは比較的動きがスローなのでバスも食べやすいことから、ボトムへの反応が良くなるのだと思います。

結果9位というまずまずのスタートを切ることができました。


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■ トップウォーター勝負で予選を1位通過

【第2戦 6月6~8日 北浦 13位】

この試合は正直あまり振り返りたくない試合ですが……プラクティスではある程度、バスの群れを追うことができていました。沖の水深1~3mにある杭やブレイクにバスの群れが入ってきていて、曇りや雨になるとシャローに上がってエサを食べまくっているというところまで読めていました。

試合当日は、曇りのち雨と言う予報で、「これなら群れがフィーディングに入るはず。シャローで勝負できる」という感じだったので朝一からシャロー勝負に。そして読み通りラッシュ・ラッシュでリミットメイクすることができました。

メインパターンはトップウォーター。ルアーはワンズバグシャワーブローズでした。

この時は雨で徐々に水位が増えてきていたので、どんどんシャローへバスが差してくる感じでした。しかし、アシ際ではヘラとコイがバシャバシャしていて、バスは完全に際までは入りきれていない感じだったので、ワンズバグ&シャワーブローズを一旦アシ際へ入れ、そこから沖に向かって3~5回アクションを入れステイさせるという動作を5セットくらい繰り返すという釣りが当たりました。

初日はトップウエイト。しかも、まだまだ魚はたくさんいるという感じで2日目も同様に釣れて予選をトップで通過。自分の中で今まで感じたことのない自信があった試合だったのですが……

最終日は予想以上に水位が上がりすぎて完全にバスを見失ってしまい、結局ノーフィッシュ(シャワーブローズでワンバイトのみ)に終わり優勝を逃してしまいました。自然相手なのでしかたがないと思いたい(言い訳ですが)ような、かなり悔しい結果でした。


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■ 虫パターンに好反応、ファランクスとの相性抜群でバラシゼロ!

【第3戦 7月18~20日 野尻湖 優勝】

第2戦の悔しさをバネにようやく優勝を手にした第3戦。この試合について、詳しくはレポートをご覧ください。

小林知寛 JB TOP50第3戦 野尻湖 優勝報告
虫パターンに好反応、ファランクスとの相性抜群でバラシゼロ!



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■ 攻めのスタイルを貫き年間タイトル獲得のターニングポイントに

【第4戦 8月29~31日 桧原湖 25位】

第3戦の野尻湖で年間成績トップに立って挑んだ桧原湖戦。安全に行くか勝負するか悩みましたが、勝負するのが僕のスタイルなのでそれを貫きました。そして、結果的にこの試合がアングラーズオブザイヤータイトル獲得のターニングポイントになったと思っています。

メインに使ったのはライトキャロとフットボールジグでしたが、フットボールは2パターン準備していました。

1つはロッドにヘラクレス・フォースグランディス7を使ったフットボール。もう1つはレッドマイスターを使ったフットボール。ルアーは全く同じ、ロッドアクションも全く同じでも、ロッドのテーパーの違いでルアーの動きが変わるので、その違いで使い分けていました。

フォースグランディス7はレギュラー気味のテーパーなので、アクションさせたときにベリーに力が掛かるのが少し遅くなり、ルアーの動きもゆっくりに。一方のレッドマイスターのストレートテーパーは素早くベリーに力が掛かるので、同じロッドアクションをしてもルアーが少し跳ね上がるイメージです。

初日12時までノーフィッシュでしたが、最後にフットボールで連チャン。この連チャンがなければ、年間タイトルはなかったと思います。結果は25位でしたが、久々にシビレた試合でした。


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■ ハイプレッシャーをネイルリグのドリフト釣法で攻略

【第5戦 10月3~4日 旧吉野川 3位】

年間順位を3位まで下げてしまい挑んだ最終戦。トップとは16ポイント差あったので、自分の目標は最低でもお立ち台。

今年の旧吉野川はかなり難しいフィールドという感じでしたが、この時は、水位が上がればシャローでボイルが始まるくらいフィーディングモードに入っている状況でした。そんな時はキッカーフロッグで釣っていきました。シャローには浮ゴミが多く、さらにアシ際でしかバイトがなかったため、根掛かりなどでキャストを無駄にしてしまうことを避けるための選択です。

もうひとつ、水位が低い時、フィーディングモードに入る前のバスに有効だったのが、ワームのドリフト釣法でした。ルアーはフィッシュ系ワームのネイルリグ。これを、フィーディングに入る前に立ち寄る場所にナチュラルに送り込むイメージです。

流れがある時は、その流れを利用しポイントの上流へキャストしポイントへ送り込めば良いのですが、流れがない時でもドリフトで狙っていきました。そこで利用したのが風。コツは、風上にキャストしたあと竿を少し立てて、よりラインに風を受けるようにしてやること。

通常コレ系のルアーを使う時のように風の影響を受けないようにするのではなく、あえて風の影響を受けるようにしてやるのです。それで風にラインを持たせて、風でラインを流していくようにしてゆっくりとポイントへ送り込む感じでした。

そのとき活躍してくれたのがヘラクレス・メタルウィップ

このロッドを使うと適度な張りのおかげでラインテンションのコントロールがしやすく、しかもラインテンションをごく軽めにしても手元に感覚が伝わりやすいので、テンションを掛けすぎるとすぐに離してしまうようなプレッシャーの掛かったバスを相手に効果を発揮してくれました。

結果、最終戦で目標のお立ち台を達成。3位入賞でJBTOP50年間タイトルを獲得。これもにたくさんの方々の応援・サポートのお陰だと思っています。本当にありがとうございます。

来年は追われる立場になりますが、今まで同様自分のスタイルで戦っていきたいと思いますので、今後も応援よろしくお願いいたします。

■タックルデータ
【第1戦】

ロッド:ヘラクレス HCSS-70UL ファランクス
ライン:バスザイル・マジックハードR 3lb
ルアー:C-4シュリンプ ライトキャロ(2.7g・3.5g)

ロッド:ヘラクレス HCSC-67MHR レッドマイスター
ライン:バスザイル・マジックハードR 14lb
ルアー:シャワーブローズ

【第3戦】
ロッド:ヘラクレス HCSS-70UL ファランクス
ライン:PE0.4号
リーダー:バスザイル・マジックハードR 3lb
ルアー:虫系ルアー
【第4戦】
ロッド:ヘラクレス HCSC-70M フォースグランディス7
ライン:バスザイル・マジックハードR 12lb
ルアー:フットボールジグ 3/8oz

ロッド:ヘラクレス HCSC-67MHR レッドマイスター
ライン:バスザイル・マジックハードR 12lb
ルアー:フットボールジグ 3/8oz

ロッド:ヘラクレス HCSC-65ML+ メタルウィップ
ライン:バスザイル・マジックハードR 8lb
ルアー:フィッシュ系ワーム ネイルリグ1/64oz

ロッド:ヘラクレス HCSS-65L UTスピン
ライン:バスザイル・マジックハードR 4lb
ルアー:フィッシュ系ワーム ネイルリグ1/96oz


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