福島健、2011JB TOP50 ワールドチャンピオン獲得!
最終戦北浦で見せた驚愕のテクニック
TOP50最終戦・北浦を9位で フィニッシュ、全5戦中、優勝1回を含む表彰台4回、全戦シングル入賞という驚異的な成績でワールドチャンピオン獲得したエバーグリーンプロスタッフ福島 健。最終戦・最終日、年間タイトルを決定付ける1本を獲った驚愕のテクニックとは・・・福島健の強さの秘密に迫ります。
福島:今年1年を振り返ってみて、ワールドチャンピオンをとることができた最大の要因として「集中力」があげられます。
「絶対に釣る!」という前向きな強い気 持ちを持ちつづけながらも、「今釣れていなくても焦る必要はない、必ずどこかでチャンスは必ず来る!」というポジティブな考え方ができるようになったこと で、すべての試合において最後まで「集中力」切らさなかった結果が年間タイトルにつながったのだと思います。
特に最終戦、最終日の集中力は、今考えても自分でも恐ろしいほどでした。それが極限まで研ぎ澄まされ今年1年を集約することになったのが、北浦戦最終日にウェイインし年間優勝を決めた1本だったと思います。
福島:釣り方はダウンショットの中層引き、狙うエリアの水深は約80cm。ミドストのようにティップを小刻みに動かしながら、シンカーを底から5cm浮かすイメー ジでルアーを泳がせました。岩などの硬いものが沈むハードボトムを狙っていたので、ときどきシンカーが硬いものにコンタクトする感じで、常に根掛かりとは 紙一重でした。
そして、案の定?根掛かってしまったんです。しかしそこで、「しまった・・・」とは思いませんでした。逆に「ここがチャンス!」と集中力をより高めたんです。根掛かりがハズれた瞬間に食ってくることはよくあることですから。
そこで、ロッドを立てて小刻みにシェイクし続けて根掛かりをハズそうとしました。なかなかハズれなかったのですがすぐには諦めず、ハズれた瞬間に喰ってくるとイメージして、ロッドをできるだけ高く上げて激しくシェイクしてハズそうとしたんですが・・・
根掛かりを回収するためにボートを近づける。 福島の本当の狙いは・・・ |
それでもハズれなかったんで、ロッドをシェイクしながらもラインをたどってボートを根掛かりしたルアーの方に寄せていきました。それから・・・
福島:北浦のようなマッディーレイクでは全然問題ないですね。というよりむしろ、昨年夏のTOP50北浦戦でも使った「あえて自分が狙っているスポットの真上にボートを入れて、エレキの水流を使って水をかき回し、ベイトを散らしてバスのスイッチを入れて喰わせる」というテクニックがあるので、逆にチャンスと考えることもできます。
それに、ルアーとの距離が近くなるほどラインに角度がつくので、根掛かりがハズれやすくなります。なので、シェイクを続けながらボートを近づけて行けば、根掛かりの真上まで行かなくても途中でハズれる可能性もありますしね。
ただ、今回は全然ハズれなくて、最終的には引っ掛かったルアーの真上にボートを乗せて、ロッドを反対側にアオってみましたがそれでもダメでした。で、次にロッドをバット近くまで水中に突っ込んで、軽くロッドティップを向こう側にアオって根掛かりをハズしたその瞬間・・・
コンッ!というバイトがあったんですが、実はこれを狙っていたんです。このキロフィッシュがワールドチャンピオンを決定付ける1本となりました。
狙い通り根掛かりをハズした瞬間に喰わせた! |
福島:特に霞ヶ浦水系では前から同じような経験を何回もしていました。そのため、ロッドを水中に入れて外すとき、リールをいっぱいまで巻かずにフリッピングのときのようにラインを引き出して、ロッドを持つ手と反対の手でラインを持った状態でロッドティップとルアーを近づけてハズすようにしています。
トップガイドとルアーの間のラインに余裕がないと、バスの吸い込みシロがなくなってしまい、せっかく喰ってきても乗せられなかったりします。なので僕の場合、すぐにラインを送り込めるように手で持っておくことで、フッキングややり取りがスムーズにできるようにしています。
とにかくロッドを水中に入れて根掛かりをハズしているときも、いつバイトがあってもいいように集中していました。
ロッドティップを水中に入れて根掛かりをハズす。この状態から根掛かりをハズした瞬間にバイト! |
福島:僕は根掛かりを逆にチャンスと考えています。つまり、「根掛かる→何か変化がある→魚がそこについている可能性がある」という風に考えます。なので、すぐに 切ったり、ハズしに近づいたりせず、まずは離れた位置からハズれた瞬間のバイトを狙ってしつこくハズす動作を続けます。
いずれにしても、根掛かりで集中力を切らしているようではTOP50レベルの試合で上位は狙えません。逆にチャンスと考えてハズれた瞬間のバイトを狙うことは、TOP50クラスのプロなら全員が普通にやっていると思っています。
極限のプレッシャーが掛かるトーナメント最高峰JB TOP50。勝つためには極限の集中力が要求される。 |
ただ、しつこくやってもハズれないときはラインを切るか、あるいは今回のようにボートを近づけて回収に行くしかありません。こうなると、さすがにTOP50のプロでも集中力が切れる人が多いのではないでしょうか。「しょうがない、諦めて回収に行くか」という感じですよね。
僕の場合は、回収のためボートを近づけていくとき、さらにロッドを水中に入れて根掛かりをハズしているときでも、絶対に集中力を切らさないようにしています。
ルアーが水の中にある限りは、バスが喰ってくるチャンスはありますからね。というか、このような場合でも喰わせるキッカケをつくることができるので、むしろチャンスと考えるようにしています。
最終戦の最終日まで、たとえ根掛かりをハズしているとき、それもロッドを水中に入れてハズしているときでも集中力を切らさなかったことが、年間優勝を決める1本をもたらしてくれた、本当に今年1年の集中力を象徴するシーンだったと思います。
福島:実際、このテクニックで毎回バイトがあるわけではありませんが、根掛かりをハズすときは常に「バイトがあるかも?」と意識していれば、獲れる確率が上がると 思います。ただし、ロッドを水中に突っ込んで根掛かりをハズそうとするときは、「ロッドティップでルアーを突いてしまうとロッド折れの原因になる」ので十 分に気をつけてください。
あと、オカッパリアングラーのみなさんでも、このテクニックは十分使えると思います。今回釣った場所も岸近くでしたし霞ヶ浦水系では岸際を狙うことも多いと思うので、使いどころはかなりあると思います。
「根掛かりをハズした際のバイトを狙う」 という考え方はオカッパリでも同じ。 |
あとは考え方次第ですが、オカッパリで 根掛かりをハズしに近づけない場合でも、「根掛かり=チャンス」と考えることはできます。根掛かりをハズす動作が誘いになりますし、仮に上手くハズれなく ても次のキャストでそこを避けるのではなく、シンカーを1ランク軽くしたり、より引っかかりにくいルアーやリグに変えてアプローチするという手が考えられ ますね。
根掛かりで、そこに魚が付いている可能性があると前向きに考えればより集中できるはずです。
もちろん集中するためには信頼できるタックルを使うことも大切です。特に試合で集中力を保つためには、本気で「釣れる!」と思うルアーしか使えません。
僕自身、トーナメンターとしての活動はもちろんですが、これからは、そのJBTOP50という極限のプレッシャーが掛かるトーナメントで結果を出すためにも、純粋に「釣れるルアー」というものをプロデュースしていきたいと考えています。
■JB TOP50最終戦・北浦タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSS-61ULST ソリッドセンサー
ライン:バスザイル・マジックハードR 3lb
ルアー:ボウワーム 4.2インチ(プロト) ワッキー掛け
1/16ozダウンショットリグ(リーダー10cm)
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■休日のハイプレッシャーフィールドで釣れるルアー
トーナメントアングラーとして、どれだけきびしいコンディション であっても「なんとしてでも釣らなければならない、結果がすべて」という気持ちと、休日のハイプレッシャーなフィールドで釣りをする一般アングラーのみな さんの、「たまの休みにせっかく来たんだからボウズはイヤ、1匹は絶対に釣りたい」という願いはどちらも同じ。
福島健がただ純粋に「釣る」という目的のためにつくりあげたC-4シュリンプ。この究極のトーナメント用ルアーは、サンデーアングラーのみなさんにとっても決して特殊なものではありません。
「トーナメントで結果が出せるルアー」=「休日のハイプレッシャーフィールドで釣れるルアー」 むしろサンデーアングラーのみなさんにこそ使っていただきたいルアーです。 |
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