清水盛三が語る 2017バスマスターエリート最終戦 超巨大フィールドで見せたビッグスモールマウス攻略法
2017年8月24~27日にかけてミシガン州レイクセントクレアで開催されたバスマスターエリート第9戦、今期レギュラーシリーズ最終戦。過去、エリートシリーズの同レイク戦では決勝進出を果たしたこともある清水盛三にとっても相性の良いレイクで、夏のビッグスモールマウスバスに挑んだ戦略とは……
ビッグフィッシュを獲り好調なプラクティスも、初日スタート前にトラブル発生
バスマスターレギュラーシーズン最終戦がミシガン州レイクセントクレアで開催された。地図上でこのレイクを見ると小さく感じるかもしれないけど、実際は琵琶湖南湖の倍はあるような広いフィールドだし、セントクレアはスタート地点というだけで、実際は南に下るとレイクエリー、北に上がるとレイクヒューロンという五大湖の2つを含む超巨大なエリアでのトーナメントだった。
距離にしておそらく300km、東京と名古屋ほどはあるんじゃないかという中から魚を探していかないといけない。しかも、巨大さゆえの荒れるフィールドでもあり、釣り以外でもいろいろな面に気を使わないといけない難しいフィールドといえる。
一方、セントクレアにはグラスがある。さらに、前々回このフィールドで行われた試合の際にはレイクヒューロンを釣って決勝に進出したのだが、優勝者も僕の近くのエリアから出ているし、その後フィッシングプレッシャーが高くなっているからなのか、前回このフィールドで行われた試合ではヒューロンが全く機能しなかった。なので、グラスが多くてヒューロンほどのプレッシャーがないセントクレアが今回のメインエリアになると踏んでいた。
そこで練習2日目は、念のためヒューロンの様子を見に行くことにした。この日は前日よりもさらに厳しく釣れたのは2本だけ。でも両方ともビッグなスモールマウスで、うち1本は6ポンド半(3キロ)はあろうかという自己最大クラスの超巨大サイズのスモールマウスだった。しかし、片道1時間は掛かるヒューロンで1日費やしてこの結果では、さすがにリスクが高すぎる。
やはり、メインはセントクレアになるだろうと考え、プラクティス最終日はセントクレアをもう少し釣り込んでみることにした。前の2日間はドロップショットがメインだったが、この日はいろいろと違う釣り方も探していき、結果Dゾーン 3/4ozがハマり10本ほど釣ってパターンを掴みプラクティスを終えた。
バッテリーチャージャーのインジケーターが変な動作をしている。充電完了のグリーンと充電中のオレンジが両方点滅しており、バッテリーの充電に問題があったような感じに、これは何かおかしいとエレクトリックモーターを踏んでみたところ、パワーが足りない。スタート前にサービスクルーを呼んでチェックしてもらうと、バッテリーが1つ死んでいることが判明。
これにはかなり焦ったが、すぐに新しいバッテリーを手配して乗せ換えてもらい、幸運にも1~2分程度の遅れでスタートすることができた。
時間ギリギリまで巻き続け、掴みかけた準決勝進出
そして、セントクレアのファーストスポットに入り、ドロップショットで釣りを開始してすぐに……3ポンド半のナイスフィッシュをキャッチ。続けてすぐに3ポンド。さらに2ポンドと3本獲り順調な滑り出し。
さらに、すぐにバイトがあったものの、次の魚をバラシてしまい、そこからアタリがピタっと止まってしまった。しばらく粘ってみたもののノーバイト。その後、別のエリアを何カ所かまわってみたけどノーバイト。
そこで次に、Dゾーンのエリアに移動。ついに1本追加。「あと1本」と朝一のエリアに戻り、ドロップショットでキーパーを獲ってリミットメイク。同じエリアで1本釣って入れ替え。と、なんとか絞り出したもののビッグフィッシュで揃えることができず、結果14ポンド5オンス、86位からのスタートとなってしまった。
試合2日目。朝一はまず初日と同じエリアに向かった。そして、前日同様ドロップショットで3本までは順調にキャッチ。しかし、全て2ポンドクラスと前日と比べてサイズが小型化している。
頭を高速でフル回転させながら考え、プラクティスでデカいサイズを釣っているエリアがあったので、初日は釣れなかったが、そこにはビッグフィッシュが好む何かがあるはずとそのエリアに賭けることにした。しかし、そのエリアを、プラクティスのときと同じくドロップショットでしつこくスローに探ってみるものの無反応。
ここでデッキに準備した多くのロッドの中からディープクランクをセットしたものが目に留まり……その速い動きでリアクションバイトを狙おうとディープクランクをキャスト。
そしてついにリミットメイク。さらに入れ替え。
この日は2本小さいサイズが残ってしまったものの、17ポンド13オンスとまずまずのウェイトを持ち帰ることができた。
しかし、結果は77位。ウェイト差のない試合だったので、最後の4ポンド半をランディングして入れ替えていれば、準決勝に残るためのウェイトを確保できたかもしれないという惜しい展開だった。
でも、そんな不甲斐ない結果を続けても応援してくれる人がたくさんいた。だから、「こんなんで腐るな」と自分自身に言い聞かせることができ、前を向いて釣りができたのも事実。どんなことがあっても最後まで前向きに戦おうと……
全く進むべき道が見えない今シーズンではあったけど、それでも必ず道はつながっていると信じてこれからもやり続けるしかないというのが今の心境。
アメリカでのトーナメントは終わったけど、あと1戦、日本でのトーナメント、バサーオールスタークラシックが待っている。なので、気持ちをリセットしつつも、今回の悔しさをバネにオールスターに挑みたい。清水盛三を応援していただいた全ての方に感謝します。本当にありがとうございました。今年最後の試合も全力で戦います!
[ロッド]ファクト HFAS-65ULT
[ライン]フロロカーボン 6lb
[ルアー]ドロップショットリグ
[ロッド]シナジー CSYC-73MH+ スーパートライアンフ
[ライン]フロロカーボン 14lb
[ルアー]Dゾーン 3/4oz
[ロッド]ヘラクレス HCSC-73HG レパード
[ライン]フロロカーボン 10lb
[ルアー]ディープクランクベイト
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