2018.06.01 (金)

清水盛三が語るバスマスターエリートシリーズ第4戦 テキサスリグのカバー撃ちでビッグフィッシュ

2018年5月17日~20日にテキサス州レイクトラビスで開催されたバスマスターエリート第4戦。

トップウォーターとテキサスリグのカバー撃ちで勝負、ビッグフィッシュをキャッチし初日好スタートを切った清水盛三だったが……ポストスポーンのクリアウォーターリザーバーで繰り広げられた戦いを振り返ります。

ポストスポーンのクリアウォーターリザーバーでストロングパターン発見

レイクトラビスでバスマスターエリートが開催されるのは初めて。僕にとっても初めてのフィールドだったので4月にプリプラクティスを行なった。

湖のタイプとしては、レイクミードやレイクハバスのようなクリアウォーターのデザートリザーバー。とにかく魚の数が多くて、プリプラクティスでは100本以上は釣ったと思う。でも、100本釣ってもキーパーは10本程度、それも1ポンド半までがメインで、ウエイトを伸ばすのはかなり厳しそうな印象を受けた。

スポーニングが絡む4月のプリプラクティスから一転、試合直前の公式プラクティスでは気温が35度を超えていた。こうなるとポストスポーンから回復してアーリーサマーのパターンが有力になるはず。この状況でビッグフィッシュを獲るためにはパワーフィッシングが絶対。そして、クリアウォーターとくればトップウォーターのロングキャストしかない、と今までアメリカで戦ってきた経験から確信を持っていた。

ということで、プラクティス1日目はシャワーブローズからスタート。ところが、期待に反して全然反応がない。ディープの可能性も頭をよぎったが、ディープ、特にドロップショットに頼ってしまってはサイズを選べないと思い直し、日が昇ってシェードが形成されていたこともあったので、シャローのブッシュカバー撃ちを試してみることにした。

すると、すぐに1本キャッチ。クリアウォーターのため、少しボートを離してキャスティングでテキサスリグをブッシュに撃ち込んでいくスタイルだった。

このパターンをもう少し試していこうと場所を探しながらブッシュを撃ち続けていくと、8ポンドのスーパービッグが来た。その後もエリアによっては、1つのブッシュから1本と高確率でバスを手にすることができた。しかも、サイズも2~3ポンドとこのレイクとしてはビッグフィッシュと言って良いサイズだった。

公式プラクティス初日に早くもストロングなパターンを見つけることができたため、2日目、3日目は似たようなエリア、ブッシュを探していった。このレイクはとにかく長いレイクなので、3日間の公式プラクティスでは、毎日160リッターはガソリンを焚いて走り回った。その結果、カバー撃ちは数は釣れないが来れば3~5ポンドのビッグフィッシュということがわかった。10ポンドクラスの超ビッグがサスペンドしているブッシュもあった。

あとは、最初から考えていたように、トップウォーターのパターンも絶対あると試行錯誤していた。シャワーブローズでは反応が悪く、1本小さいサイズを釣っただけだったが、ワンズバグに変えるとナイスサイズが釣れ出した。

そこで、朝一はワンズバグで、日が昇ってからはテキサスリグのブッシュ撃ちで勝負するプランを立てた。もちろん天候次第では1日トップウォーターがハマる可能性もある。数が釣れる釣りではないが、全部獲れれば20ポンド超えも狙えると踏んでいた。


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ワンズバグのボイル撃ち&テキサスリグのカバー撃ちで好スタート

試合初日。朝から無風状態が続いていた。予定通りワンズバグを引きまくるが……ノーバイトのまま時間だけが過ぎていく。

ワンズバグはショアに向けてキャストしているのだが、時折はるか沖でバコバコとボイルがある。最初はストライパーかホワイトバスだろうと相手にしていなかったが、よくよく見てみるとシルエットが明らかにバスっぽい。

そこで、次にボイルが発生したら絶対行くと意識しながらキャストを続けていると、ボイルが発生。エレキ全開で追いかけて、手にしていたワンズバグをフルキャスト。水深は20m。その表層で狙い通り出た。1本目は2ポンドのナイスキーパー。

やはりバスだったのか、と引き続きボイルを追いかける釣りを展開した。そこからはノンキーパーが3連発。次のボイルではキーパーをキャッチ。しかし、この1本を最後にボイルは止まってしまった。

そこからはブッシュ撃ちに。相変わらず無風。クリアウォーターでこの状況は厳しいと思いながらも丁寧に撃ち続けていくと、少しだけ風が吹き始めた。

そしてついに……そのタイミングで5ポンドクラスをキャッチ。まだいけると撃ち続けると、3ポンドクラスが来た。が、痛恨のフックアウト。その後は来てもノンキーパーばかり。

そこで、大きくエリアを移動しようとボートを走らせていると、突然ボートに違和感が……金属疲労からなのか、なんとプロップが破損し、まともな走行ができなくなってしまった。

しかたなくボートを岸に着けてびしょ濡れになりながら自力でプロップを交換。このトラブルで大幅に時間を取られてしまい、残りはあと30分ほどになってしまった。

なんとか釣りを再開し、あきらめずにテキサスリグでブッシュを撃ち続けていくと……ついにビッグフィッシュが来た。しかも5ポンド半のビッグサイズで一気にウエイトアップ。

そして、ラストはスタート地点近くのキーパー場に。残り5分というところでドロップショットで1本キーパーを絞り出し、なんとかリミットメイク。そしてタイムアップ。ギリギリの展開ではあったが、初日の結果はトータル15ポンドで17位。決勝を狙える位置につけることができた。

無風だった初日から一転、朝から強風の試合2日目。この風が初日のような厳しい状況を変えてくれるという期待を胸にスタート。

朝一はワンズバグから。しかし、波があるためトップウォーターが効かない。少しレンジを下げて、ジャックハンマーで探っていくがノーバイト。

そこでテキサスリグのブッシュ撃ちにスイッチ。この釣りでは、たまにバイトがあるもののノンキーパーばかり。それでもあきらめず、必死に撃ち続け、なんとか2ポンドをキャッチ。

リズムに乗りかけたように思った次の瞬間、同サイズがもう1本来たが、痛恨のバラシ。その後、残り1時間でブッシュから1本、終了10分前にキーパー場のドロップショットで1本引き出したものの、結局この日は.リミットメイクならず、3本でウェイイン。結局、総合57位まで順位を下げ、準決勝進出を逃し第4戦を終えた。

プラクティスでは手応えを感じていたこの試合。正直優勝争いに絡んでもおかしくないパターンを持っていたと思う。

カバー撃ちが効かなくてもトップウォーターがあった。風でワンズバグが効かなくてもシャワーブローズがあった。プラクティスで効かなかったとはいえ状況は変わっていた。実際、上位陣はトップウォーターだったし、クリアウォーターなのだからレンジを下げる前にもっとトップウォーターで押すべきだったことは冷静に考えれば思いつく。でも、極限のなかで戦っていて追い込まれたとき、正常な精神状態で釣りをするのがどれだけ難しいことか……

冷静になってもっと違うことを試すべきだったという反省もあるが、今回はある意味やり切ったという充実感もある。厳しい状況が続くけど前を向いて進むしかないと、この試合終了後すぐに、次の試合のプリプラクティスに行って来た。タフな試合になりそうだけど、次こそは結果を出せるよう全力でかつ冷静に勝負してきます!

バスマスターエリートシリーズ第5戦は6月7日~10日にテキサス州サビンリバーで開催。清水盛三のアメリカツアー挑戦は続く……

バスマスターエリートシリーズ第5戦 公式ページはコチラ
■タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYC-610ML リッピンフィート
[ライン]フロロカーボン 12lb
[ルアー]ワンズバグ

[ロッド]シナジー CSYC-71H スーパーディトネーター
[ライン]フロロカーボン 18lb
[ルアー]カーリーテールワーム テキサスリグ
[シンカー]E.G.タングステンバレットシンカー 14g

[ロッド]シナジー CSYC-77H スーパーマグナム
[ライン]フロロカーボン 25lb
[ルアー]クリーチャーベイト テキサスリグ
[シンカー]E.G.タングステンバレットシンカー 17.5g

[ロッド]ヘラクレス HCSS-611M パワーシェーカー611M
[ライン]PE1.2号+フロロカーボン 10lb
[ルアー]ドロップショットリグ

■清水盛三メディア
・公式サイト:No Limit Morizo World
・公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
・公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
・公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ

■関連サイト
B.A.S.S. Bassmaster


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