2017.08.10 (木)

清水盛三が語るバスマスターエリートシリーズ第7戦&第8戦 ドロップショット&フリッピングで挑んだ対夏のスモールマウス&ラージマウス

2017年7月20~23日ニューヨーク州セントローレンスリバー戦、7月27~30日ニューヨーク州レイクシャンプレイン戦と2週連続で開催されたバスマスターエリートシリーズ。

第6戦でついに準決勝進出を果たし、流れをつかみかけた清水盛三が挑む後半戦。2試合連続で相性の良いスモールマウスフィールドで開催された試合だったが……対ラージマウス戦略も視野に入れた清水の戦いを振り返ります。

第7戦セントローレンスリバー ドロップショットで4ポンドオーバーのキッカーを獲るも…… 

約1か月のオフのあと、臨んだニューヨーク州2連戦。まずはセントローレンスリバー。今までこのフィールドでは2回戦ったことがあって、2回とも賞金を獲得していた。そこそこフィールドのクセも把握していて得意なフィールドと言っても良いフィールドだった。

ここはラージマウスもいるけどスモールマウスバスがメインのフィールドで、公式プラクティスでも厳しいながら、ドロップショット、チューブジグヘッド、シャワーブローズショーティー、そしてDゾーン1/2ozタンデムウィローで対スモールマウスにある程度の手ごたえをつかんでいた。

その手ごたえ通り、初日は14ポンドを少し超えるウェイトを持って帰り、そこそこ釣ってこれたかなと思っていた。しかし、ウェイインが始まるとみんな予想以上に釣っている。これだけ釣っていたにもかかわらず初日の順位は予想外の91位。

僕のなかではタフな試合だと思っていたが、やはり怪物達が競い合う世界最高峰トーナメント。そこにはとてつもなく高く厚い壁があった。去年までの自分なら、余計に闘争心を掻き立てられ壁にぶつかっていくところだが……

ただ、初日の結果を見ると、1ozの差で順位が逆転するような大混戦だったので、まだ準決勝に進む可能性は残されていた。初日、ドロップショットで4ポンドオーバーのキッカースモールも釣っているし、練習の感じからしてラージマウスを狙いに行ってもウェイトを稼げないと判断し、2日目は4ポンドのビッグスモールが5本揃えられる可能性のあるドロップショットでジャンプアップを狙い勝負に行った。

しかし、リミットを揃えられず、結果は惨敗。悔しいけど、準決勝に進むには勝負に行くしかなかったので仕方がない。翌週にはレイクシャンプレインでの試合が控えていたので、すぐに切り替えて次の開催地に移動し、万全の態勢で戦うためにしっかりと休養をとることにした。

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ドロップショット&フリッピング戦略で臨んだ第8戦レイクシャンプレイン

そして迎えた第8戦レイクシャンプレイン。この超巨大なフィールドで釣りをするのは約10年ぶりではあったが、過去何回もここで試合に出ているので、ある程度このレイクのことはわかっているつもりだったし、実際当時良い場所をたくさん見つけていた。しかし、「今回は今回」と過去に引きずられないよう先入観を捨ててフラットな気持ちでプラクティスに臨んだ。

その結果、公式練習では4ポンドオーバーのスモールマウスを複数含めて、ドロップショットでかなりの魚を釣ることができた。もちろん練習なのでフッキングしない魚も多かったが、10年前の自分と比べて明らかに魚を見つけるスピードが速くなっており、練習2日目までにスモールマウスのエリアをポテンシャルの高い2箇所に絞り込んだ。

そこで、プラクティス3日目はラージマウス狙いに。そして1箇所ホットなエリアを見つけることができた。釣り方は、バンクのアシで3/4~1ozテキサスリグのフリップ。

試合のプランとしては、メインはやはりスモールマウス狙い。ただ、万が一巨大なシャンプレインでも風が吹かない状況があればスモールマウスも口を使わなくなるので、そんな時のバックアップとしてラージマウスのパターンを使うことにした。

しかし、試合初日、予想以上の強風が吹き荒れる悪天候に見舞われキャンセルに。この出来事を前向きに捉え、この日はしっかりと休養することに専念し体調管理に努めた。

迎えた試合2日目。朝一から集中して全力で攻めに出た。釣りを開始してすぐに、狙い通りドロップショットでビッグフィッシュ。4ポンドオーバーをキャッチ。

この魚をライブウェルにキープして釣りを再開。するとまたすぐに3ポンドが来た。「これは炸裂するか!」と期待が膨らんだが続かず。

しかし、焦らずもう1箇所の様子を見に行くことに。そこでもいきなりドロップショットで3ポンド半が来た。さらにもう1本2ポンドを追加。あと1本でリミットメイク。とここまでは順調な展開。

そしてしばらくこのエリアで粘っているとついに、狙いのキッカー4ポンドオーバーが喰ってきた。しかし……

痛恨のラインブレイク。ここはゼブラマッスルという貝があって、おそらくそれに擦れたんだと思うけど、6ポンドのフロロカーボンラインが切られてしまった。しかも悪夢はそれで終わらなかった。切れそうになる集中力をなんとかつなぎ止め、ラインを結び直して釣りを再開。すぐに喰わせたが、またしてもラインブレイク……

このラインブレイクで完全に張り詰めていた糸が切れかけたが、それでも何とか1本獲ってリミットメイク。

そこからラージマウスを狙いに行って2本入れ替えに成功。最後に再びスモールマウス狙いに戻って3ポンドを獲って入れ替え。と何とか形はつくれたが、17ポンド以上持って帰れた試合なのに、結果は14ポンド6オンス。82位と出遅れてしまった。

しかし、この試合も前試合に続いて狭いウェイト差の中に多くの選手がひしめき合う展開。3日目に17ポンド以上釣ってくることができれば、まだまだ最終日への道は残されている。そこでこの日も前日と同じビッグフィッシュを獲ったエリアから釣ろうとスタート。

しかし……朝一そこに到着すると何と別の選手がそのスポットを釣っていた。しかたなく少し離れたところから釣り始めたが、全然当たらない。そこで、もう1箇所のエリアに移動することにした。

そして、2箇所目ではポツポツと釣っていきリミットメイク。しかし、この日はサイズが上がらず1ポンドそこそこの魚ばかり。さらに、昼近くになっても風が吹く気配も感じられず、ここでラージマウス狙いに切り替えることに。

スーパーマグナムに3/4ozと1ozのテキサスリグをセットし、シャローのリーズをピッチング&フリッピングで流していく。そしてすぐに狙い通りバイト。2ポンド半ほどのサイズをスーパーマグナムのパワーで一瞬で引き抜き入れ替え。

その後も、ここしかないというスポットを正確に狙い淡々と撃ち続ける。そして、微妙な違和感を感じてフルパワーでフッキング。ガッツリと口の奥にルアーを丸呑みにしてあがってきたのバスは約3ポンド半のナイスサイズ。しかし、スーパーマグナムのパワーで一気にカバーから引き剥がし難なくランディング。またしても入れ替えに成功。

さらにこのエリアで粘り続ける。そして、ピックアップしているルアーをナイスサイズのバスが追いかけてきたので、とっさにフォローでドロップショットを投げると……バイト。しかし、ヘビーカバーのまわりで掛けたバス。一気にアシに突込み万事休す。

その後終了時間までこのエリアで粘り、あと2本ラージマウスを追加して入れ替えに成功。釣り方はもちろんピッチング&フリッピング。しかし、やはりラージマウスではウェイトが伸びず、結局前日のウェイトを超えることができないままウェイイン。予選通過はならず残念な結果に終わってしまった。

ただ今回も、全く収穫がなかったわけでもなく、最初のエリアでバッティングした選手は最終5位に入賞しており、それだけのポテンシャルがあるエリアにたどり着いていたことは大きい。3日目その場所に入れなかったのは相当痛かったが、自分のエリア選択は間違っていないのだから、あとはエリアと自分自身を信じて戦うのみと、今は前向きに考えている。

そして、シャローのラージマウス狙いでは、スーパーマグナムもノーミスで応えてくれた。もちろんどのロッドも甲乙つけがたい、でも今はスーパーマグナムシナジーシリーズのなかで一番好きなロッドと言っても過言ではない。

バスが喰った時の微妙な違和感で、しっかり口の奥にまで吸わせて掛けることができるのは、他のフリッピングロッドとは一線を画す独特なテーパーを持つこのロッドならではの特徴。

これはアメリカのフィールドだけの特殊なロッドではなく、日本でもシャローカバーの釣りが成立するフィールドであれば強力な武器になる。もちろんフリッピングだけじゃなくピッチングで使うことも多い。

シャローカバーの釣りをやり込んでいる人はわかってくれると思うけど、フリッピングロッドのないバスフィッシングなんて考えられないからね。

今シーズンはいろいろなことがうまく噛み合わずうまいことまわっていかないけど、今回のように少しでも良いところを見つけて前向きに考えて、いつか巡ってくるであろうチャンスをしっかりつかめるように常に準備を怠らず試合に臨むしかない。

次のセントクレア戦が早くも今シーズン最後の試合になる。五大湖のヒューロンとエリーまでもがトーナメントエリアに含まれた超巨大なフィールドが舞台なので、荒れる試合になるだろうけど、その巨大なフィールドでそれに負けないビッグな花火を打ち上げられるように頑張ってきます!

■第7戦タックルデータ
[ロッド]ヘラクレス HCSS-611M パワーシェーカー611M
[ライン]フロロカーボン 7lb
[ルアー]ドロップショットリグ

■第8戦タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYC-77H スーパーマグナム
[ライン]PE 70lb
[ルアー]3/4~1oz テキサスリグ
[シンカー]E.G.タングステンバレットシンカー 3/4oz E.G.タングステンシンカー1oz

[ロッド]ファクト HFAS-65ULST
[ライン]フロロカーボン 6lb
[ルアー]ドロップショットリグ

■清水盛三 公式サイト:No Limit Morizo World
■清水盛三 公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
■清水盛三 公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
■清水盛三 公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ

■関連サイト:B.A.S.S. Bassmaster


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