清水盛三が語るバスマスターエリートシリーズ第7戦&第8戦 ドロップショット&フリッピングで挑んだ対夏のスモールマウス&ラージマウス

2017年7月20~23日ニューヨーク州セントローレンスリバー戦、7月27~30日ニューヨーク州レイクシャンプレイン戦と2週連続で開催されたバスマスターエリートシリーズ。
第6戦でついに準決勝進出を果たし、流れをつかみかけた清水盛三が挑む後半戦。2試合連続で相性の良いスモールマウスフィールドで開催された試合だったが……対ラージマウス戦略も視野に入れた清水の戦いを振り返ります。
第7戦セントローレンスリバー ドロップショットで4ポンドオーバーのキッカーを獲るも……
約1か月のオフのあと、臨んだニューヨーク州2連戦。まずはセントローレンスリバー。今までこのフィールドでは2回戦ったことがあって、2回とも賞金を獲得していた。そこそこフィールドのクセも把握していて得意なフィールドと言っても良いフィールドだった。
その手ごたえ通り、初日は14ポンドを少し超えるウェイトを持って帰り、そこそこ釣ってこれたかなと思っていた。しかし、ウェイインが始まるとみんな予想以上に釣っている。これだけ釣っていたにもかかわらず初日の順位は予想外の91位。
ただ、初日の結果を見ると、1ozの差で順位が逆転するような大混戦だったので、まだ準決勝に進む可能性は残されていた。初日、ドロップショットで4ポンドオーバーのキッカースモールも釣っているし、練習の感じからしてラージマウスを狙いに行ってもウェイトを稼げないと判断し、2日目は4ポンドのビッグスモールが5本揃えられる可能性のあるドロップショットでジャンプアップを狙い勝負に行った。
ドロップショット&フリッピング戦略で臨んだ第8戦レイクシャンプレイン
そして迎えた第8戦レイクシャンプレイン。この超巨大なフィールドで釣りをするのは約10年ぶりではあったが、過去何回もここで試合に出ているので、ある程度このレイクのことはわかっているつもりだったし、実際当時良い場所をたくさん見つけていた。しかし、「今回は今回」と過去に引きずられないよう先入観を捨ててフラットな気持ちでプラクティスに臨んだ。
そこで、プラクティス3日目はラージマウス狙いに。そして1箇所ホットなエリアを見つけることができた。釣り方は、バンクのアシで3/4~1ozテキサスリグのフリップ。
試合のプランとしては、メインはやはりスモールマウス狙い。ただ、万が一巨大なシャンプレインでも風が吹かない状況があればスモールマウスも口を使わなくなるので、そんな時のバックアップとしてラージマウスのパターンを使うことにした。
しかし、試合初日、予想以上の強風が吹き荒れる悪天候に見舞われキャンセルに。この出来事を前向きに捉え、この日はしっかりと休養することに専念し体調管理に努めた。
この魚をライブウェルにキープして釣りを再開。するとまたすぐに3ポンドが来た。「これは炸裂するか!」と期待が膨らんだが続かず。
しかし、焦らずもう1箇所の様子を見に行くことに。そこでもいきなりドロップショットで3ポンド半が来た。さらにもう1本2ポンドを追加。あと1本でリミットメイク。とここまでは順調な展開。
そしてしばらくこのエリアで粘っているとついに、狙いのキッカー4ポンドオーバーが喰ってきた。しかし……
このラインブレイクで完全に張り詰めていた糸が切れかけたが、それでも何とか1本獲ってリミットメイク。
そこからラージマウスを狙いに行って2本入れ替えに成功。最後に再びスモールマウス狙いに戻って3ポンドを獲って入れ替え。と何とか形はつくれたが、17ポンド以上持って帰れた試合なのに、結果は14ポンド6オンス。82位と出遅れてしまった。
しかし……朝一そこに到着すると何と別の選手がそのスポットを釣っていた。しかたなく少し離れたところから釣り始めたが、全然当たらない。そこで、もう1箇所のエリアに移動することにした。
そして、2箇所目ではポツポツと釣っていきリミットメイク。しかし、この日はサイズが上がらず1ポンドそこそこの魚ばかり。さらに、昼近くになっても風が吹く気配も感じられず、ここでラージマウス狙いに切り替えることに。
スーパーマグナムに3/4ozと1ozのテキサスリグをセットし、シャローのリーズをピッチング&フリッピングで流していく。そしてすぐに狙い通りバイト。2ポンド半ほどのサイズをスーパーマグナムのパワーで一瞬で引き抜き入れ替え。
さらにこのエリアで粘り続ける。そして、ピックアップしているルアーをナイスサイズのバスが追いかけてきたので、とっさにフォローでドロップショットを投げると……バイト。しかし、ヘビーカバーのまわりで掛けたバス。一気にアシに突込み万事休す。
その後終了時間までこのエリアで粘り、あと2本ラージマウスを追加して入れ替えに成功。釣り方はもちろんピッチング&フリッピング。しかし、やはりラージマウスではウェイトが伸びず、結局前日のウェイトを超えることができないままウェイイン。予選通過はならず残念な結果に終わってしまった。
そして、シャローのラージマウス狙いでは、スーパーマグナムもノーミスで応えてくれた。もちろんどのロッドも甲乙つけがたい、でも今はスーパーマグナムがシナジーシリーズのなかで一番好きなロッドと言っても過言ではない。
バスが喰った時の微妙な違和感で、しっかり口の奥にまで吸わせて掛けることができるのは、他のフリッピングロッドとは一線を画す独特なテーパーを持つこのロッドならではの特徴。
これはアメリカのフィールドだけの特殊なロッドではなく、日本でもシャローカバーの釣りが成立するフィールドであれば強力な武器になる。もちろんフリッピングだけじゃなくピッチングで使うことも多い。
シャローカバーの釣りをやり込んでいる人はわかってくれると思うけど、フリッピングロッドのないバスフィッシングなんて考えられないからね。
次のセントクレア戦が早くも今シーズン最後の試合になる。五大湖のヒューロンとエリーまでもがトーナメントエリアに含まれた超巨大なフィールドが舞台なので、荒れる試合になるだろうけど、その巨大なフィールドでそれに負けないビッグな花火を打ち上げられるように頑張ってきます!
■第8戦タックルデータ
[ロッド]シナジー CSYC-77H スーパーマグナム
[ライン]PE 70lb
[ルアー]3/4~1oz テキサスリグ
[シンカー]E.G.タングステンバレットシンカー 3/4oz E.G.タングステンシンカー1oz
[ロッド]ファクト HFAS-65ULST
[ライン]フロロカーボン 6lb
[ルアー]ドロップショットリグ
■清水盛三 公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
■清水盛三 公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
■清水盛三 公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ
■関連サイト:B.A.S.S. Bassmaster
関連記事
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第6戦
夏のディープ、対スモールマウスバス・ドロップショット戦略 - 2015年7月30日~8月2日、アメリカとカナダの国境でもある超巨大河川セントローレンスリバーで開催されたバスマスターエリートシリーズ第6戦。ディープのスモール ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第6戦
-
- 清水盛三が語るバスマスターエリートシリーズ 第6戦 トップウォーター&テキサスリグでビッグウエイト、第7戦 超巨大リザーバーのスモールマウスバス
- 2018年6月21日~24日ウィスコンシン州ミシシッピーリバー戦、6月29日~7月2日サウスダコタ州レイクオアヒ戦と2週連続で開催されたバスマスターエリートシリ ...
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第8戦
ドロップショット&スピナーベイトで決めたチャンピオンシップ出場権 - 2015年8月27~30日にミシガン州レイク・セントクレアで開催されたバスマスターエリートシリーズ第8戦。 清水盛三の狙いはオフショアのビッグスモールマウスバス ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第8戦
-
- 清水盛三が語る 2017バスマスターエリート最終戦 超巨大フィールドで見せたビッグスモールマウス攻略法
- 2017年8月24~27日にかけてミシガン州レイクセントクレアで開催されたバスマスターエリート第9戦、今期レギュラーシリーズ最終戦。過去、エリートシリーズの同レ ...
-
- 清水盛三が語る 優勝だけに狙いを定めて挑んだバスマスターエリートシリーズ第6戦・バスフェスタ
- 2014年6月11~15日にテネシー州チカマウガレイクで行われたバスマスターエリートシリーズ第6戦・バスフェスタ。レギュラー戦とは異なるフォーマットに戸惑い、厳 ...