2018.09.14 (金) NEW

清水盛三が語るバスマスターエリートシリーズ第8戦 アメリカチャレンジ最後のトーナメント

7月に開催予定だったチェサピークベイ戦が洪水の影響によりキャンセル。

2018年8月23~26日のニューヨーク州セントローレンスリバー戦が2018バスマスターエリート・レギュラーシーズン最終戦となり、17年間に及ぶ自身のアメリカチャレンジ最終戦ともなった清水盛三。

その巨大スモールマウスリバーに挑んだエリート最後の戦いを振り返ります。

ドロップショットのドラッギングで好感触を掴むものの……

7月末に予定されていたチェサピークベイ戦が洪水のためキャンセル。公式プラクティス3日を終えたあとで延期がアナウンスされ、渡米したものの試合を行なうことなく帰国。

今シーズン一番手応えを掴んでいたプラクティスだっただけにとても残念な気持ちが残っていたところ、最終的に中止という決断が下された。

これで年間9戦あったレギュラーシーズン戦が8戦となり、今回のセントローレンスリバーが僕にとってのバスマスターエリート最後の戦いとなってしまった。

しかし、自分にできることは残された試合を全力で戦うことだけ。とはいえ、最後だからと言って特別なこともなく、今回もいつも通り日本での仕事のスケジュールの都合でギリギリでの渡米となった。

そのうえ飛行機が遅れたため試合会場に入ったのは公式プラクティス直前の本当にギリギリだった。でも、長年アメリカで戦っているとこんなことは良くあること。これも想定内と淡々とプラクティスに入った。

ここセントローレンスリバーは過去何度も戦っているし、結果も残している釣り場。ラージマウスよりもスモールマウスがメインの川なのでラージマウスを狙っていては勝てない。上位に入るためには、でかいスモールマウスを5本揃える必要がある。

昨年の結果からシャロー勝負も考えたが、その時は増水だったのと1カ月早い試合スケジュールだったこと、そして今回は減水傾向だったことから、夏、減水の基本通りディープに絞りプラクティスを行なった。

まずは自分のなかでの実績エリアからチェックしてみると、公式練習初日から約20本、5本で17ポンドとハイウエイトを出すことができた。狙いは水深6~8mのハンプやブレイク。ドロップショットでドラッギングしていく釣り方だった。

そこで、練習2日目からは新たなエリアを探していく。今まで自分が見たことない場所で、時期的に良さそうなところに入ってみると、多くの選手が浮いている。エリートプロが考えることは同じで、そのエリアのハンプというハンプにボートが浮かんでいた。

半日ほど釣ってみるが、人が多すぎてまともに釣りができる気がしない。船団のなかでは勝てないと思い、午後からは人が少ないエリアを探していくことに。

そして1箇所、スーパーなエリアを発見。楽勝の20ポンドオーバーで、おそらく22ポンドは釣ったと思う。ここなら優勝も狙えると好感触。さらに、その近くで4ポンドフィッシュを2本獲り、数は出ないもののビッグフィッシュ狙いで使える勝負エリアを見つけることもできた。

その22ポンド釣ったエリアをメインに据え、初日がスタート。

しかし……期待とは裏腹に開始後3時間経ってもノーバイト。

プラクティスの時は雨模様だったが、この日は晴れ。魚がさらにディープに動いたのか。そのうえ、風向きもプラクティスの時と逆になっているのも気になる。風と波(流れ)が同じ方向で、ドラッギングのスピードが速くなりすぎていたのかもしれない。

その後、ポツポツと釣れ始めたものの、2ポンドクラスばかり。

もう1箇所、プラクティスで見つけていたエリアに移動するもウエイトが伸びない。数はそこそこ釣れるものの、魚が入れ替わっているのか、ビッグサイズがいても口を使わないのか……

その後も練習で良かったエリアを丁寧に釣っていき少しマシなサイズを1本追加したが、結局この日は12ポンド2オンスと平凡なウエイトで終わってしまった。


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ついに……バスマスター エリートシリーズ最後の戦いに臨む

そして、ウェイインではさらに追い打ちを掛けられる出来事が……

なんとトップはスモールマウス5本で27ポンド。そのうえ52位までが20ポンドオーバーと驚異的なウエイトが続出していた。20ポンド釣っても予選を通過できないかもしれないという恐るべき結果を叩き出してくる集団。

残念だが、初日を終えた時点で2日目がバスマスターエリート最後の日になると悟らざるを得なかった。

しかし、まわりがどうであれ自分のベストを尽くそうという気持ちに変わりはない。

そんななか嬉しいことに、バスマスターから2日目ライブカメラ同船のオファーがあった。通常はその試合の上位に乗るライブカメラを、成績関係なしに一選手の引退試合に乗せるということは今までなかったと思う。

そんな計らいをしてくれたバスマスターに感謝し快く引き受け、僕のバスマスターエリート最後の試合をみんなと一緒に戦えることになった。

2日目も初日と同じく最初は我慢の展開だったが、2本目に4ポンドオーバーが来た。プラクティスで釣っていた魚が戻って来た。

そこからもドロップショットのドラッギングをメインに、目先を変えて所々チューブのジグヘッドを入れてポツポツと絞り出していく。そしてリミットメイク。

その後、3ポンドオーバーを2本追加して入れ替え。最終的に15ポンド12オンスとウエイトアップを果たしたが、やはり初日の差は大きすぎた。結局99位という結果で2018レギュラーシーズン最終戦を終えた。

同時に、これをもって僕の17年間のアメリカチャレンジが幕を下ろすこととなった。


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17年間の戦いを終えて……

7月のチェサピークベイ戦がキャンセルになったことで消化不良に感じる部分もあったが、今回の試合でコテンパンに叩きのめされたことで逆にすっきりした気分だった。今の自分はトップレベルで戦える体力、メンタルを備えていないことを痛感させられたのだから、競技者として潔く退こうと。

最後のウェイインステージではスタンディングオベーションが起こり、MCのデーブマーサ―とトーナメントディレクターのトリップウェルダンが温かく送り出してくれた。

試合でガンガン釣って常に上位入賞、年間チャンピオンを獲るという目標は叶わなかったが、最後の最後にバスマスターが花道を用意してくれた。

競技として順位がついてまわるバスフィッシングトーナメント。そんな過酷な世界に身を置くコンペティターとして、結果にこだわることは当たり前のことだが、それ以上に、日本人として誰にも恥じぬよう正々堂々と戦うことを常に意識していた。言葉も文化も違う異国の地の、日本人選手がまだまだ少ない団体の中では、自分一人の言動が日本人全体のイメージを決めてしまうというプレッシャーを常に感じながら……

でも、ステージからみんなの笑顔や涙を見て、これで良かったんだという思いが湧きあがっていた。これで17年間感じ続けてきた肩の荷をやっと下すことができる、そう感じた瞬間だった。

いろいろあったけど、こうして17年間という長い間全力で打ち込むことができて、本当に幸せな競技人生だったと思う。

スポンサー、サービスクルー、バスマスター……そして何より一番大きかったファンのみんなの後押し。みんなから届く声は確実に力になっていた。みんなの声援がなければここまでやってこれなかったのは間違いない。

本当に感謝の気持ちしかありません。17年間ご声援ありがとうございました!

■タックルデータ
[ロッド]ヘラクレス HCSS-611M パワーシェイカ―611M
[ライン]PE1号
[リーダー]フロロカーボン 7lb
[ルアー]ストレートワーム 3/8ozドロップショットリグ

■清水盛三メディア
・公式サイト:No Limit Morizo World
・公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
・公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
・公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ

■関連サイト
B.A.S.S. Bassmaster

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