清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第3戦&第4戦
キーはテキサスリグのシャローリーズ撃ち
2015年4月30日~5月3日のカリフォルニア州サクラメントリバー戦、そして、その翌週5月7日~10日のアリゾナ州レイク・ハバス戦と2週連続して開催されたバスマスターエリートシリーズ。
カリフォルニア州のレギュレーションに翻弄され波に乗り切れなかったサクラメントリバー戦と、状況にうまくアジャストして崖っぷちからの大幅なジャンプアップを果たしたレイク・ハバス戦の2試合を清水盛三が振り返ります。
■ 自分のスタイルを貫き勝負した第3戦サクラメントリバー
第3戦の舞台となるカリフォルニアデルタでの試合は約5年ぶり。ただ前回と違い今回は、スタート地点がサクラメントリバーという上流側からだった。でも、その周辺は魚が少なくて全然釣れないので、結局デルタまで、片道1時間半以上のロングドライブをしなければならなかった。
そんななか、公式プラクティス初日、まずはいつも通り自分のスタイルである巻く釣りと撃つ釣りから試してみようと、少しでも濁ったエリアを探した。そして自分がココと思ったエリアでは、シャロークランキングやフリッピングでかなりの数を釣ることができた。アベレージは2ポンドクラスだけど、たまに4ポンドクラスが入る感じで、これでタイドさえ合えば15~18ポンドはいくかなというそこそこの手応えはつかんでいた。
ただ、公式練習最終日に同じエリアを見に行ってみると、タイドの影響なのか魚が減っていた。こうなると、本当にサイトをメインにして良いのか、それとも自分のスタイルで押し通すべきか、ものすごく迷いが出てしまった。往復の移動時間を考えると、実質釣りができるのが4~5時間しかないので、あれこれやっていたら時間がなくなってしまう。
迎えた試合初日。やはり自分の釣りで押していこうと決断。まずはシャロークランキングでキーパーを獲って、そこからフリッピングでサイズアップを図るという作戦を立てていた。そして、シャロークランクベイトでポツポツとキーパーを釣っていって、3ポンドくらいのを頭にリミットメイク。しかし、キーパーを5本揃えるのに予想以上の2時間半も使ってしまった。
さらに悪いことに、キーパー獲りに時間が掛かってしまったせいで、シャローのフリッピングエリアにタイドが悪い状態で入らなければならなかった。水位が思っていた以上に低くて結局1本も追加できず、初日は11ポンド8オンスというきびしいスタートになってしまった。
そこで2日目は、タイドが高いうちにと朝一からフリッピングでいくことに。ただ、前日とは当然タイドも少し変わっているので、思っていた以上にロータイドだった。そんななか、なんとか1本絞り出したけど後が続かず。リミットメイクを狙ってクランクベイトを引きに移動。
そして、シャロークランクで3本ほど釣ったんだけど……この日も外掛かりに悩まされて、なんと3本ともライブウェルに入れることができなかった。そこで、この悪い流れを断ち切るために切り替えて、起死回生を狙ってサイトで勝負に行こうと移動を決断。
そのなかで「最低でもリミットメイク」と自分に言い聞かせて、腹を決めサイトから普通の釣りにチェンジ。少しでもリーズに水が残っている場所を探してフリップしていった。そして最後の30分、意地で5本釣って1本入れ替えた。
■ 大幅ジャンプアップで準決勝進出を果たした第4戦 レイク・ハバス
前週のデルタに続き2週連続での試合となったレイク・ハバス戦。ハバスでのエリート戦開催は初めてだけど、僕にとっては、今シーズンが始まる前にここでボートの慣らし運転を行なったりと、過去3~4回は浮いたことがある、いわゆるデザートレイク。
今回は2週連続の試合で、デルタからの移動の時間が必要ということもあって、公式プラクティスが1日半というスケジュールだった。でも、ハバスはアメリカにしては小さいレイクなんで、1日目のプラクティスで状況をかなり把握することができた。と言ってもスタート地点から上流に1時間、下流に1時間は走れるんで、日本の感覚からしたらかなり広いとは思うけどね。
もう1つはシャローのリーズの釣り。シャローにはまだスポーニング中の魚も見えていて、沖に比べるとサイズも良く、勝負に行くならシャローと思っていた。公式練習初日に、サイトではなく普通の釣りで17~18ポンドは獲っていたからね。
あとは、サイトでデカい魚を何本か入れることができれば、まだまだウエイトを上げることができると踏んで、プラクティス2日目は見える魚を探したりとバックアップのパターンを探していって、イケるという感触を得てプラクティスを終えた。
しかし、今年はうまいこと噛み合わないと感じた試合初日。超強風にすべてが狂わされてしまった。まず、朝一はとりあえずオフショアのスポットをチェックするもノーバイト。
そこで予定通りシャローに移動。練習でデカいのを釣っていたフロッグでいきたかったんだけど、リーズにも思い切り風が当たっていて、キャストも狙い通り決まらないし、ラインも風で流されて思うように動かせないしステイさせることもできない。本当にストレスが溜まる展開だった。
でも、順位は良くなかったけど、オンス刻みと言ってもいいほど狭い範囲にウエイトが集中していたので、2日目のウエイト次第ではまだまだ準決勝に進めると思っていたし、今回いろいろ手伝ってくれたジャスティンやショーンの期待に応えるためにも、絶対釣ってやると誓って2日目に臨んだ。
2日目は一転無風というコンディション。そこで、この日は沖には一切目もくれず、朝一からシャローに走った。練習で見つけていた期待の場所があって、初日は風が強すぎて入れなかった。でも、入れさえすれば絶対獲れると確信めいたものがあったので、まずはそこに入った。
そして、フロッグを投げたんだけど、風がないのは良いけど、初日まともにフロッグをできなかったのとリミットメイクできなかったこともあって焦りがあったんだと思う。動かし方が速く雑になってしまい、フロッグのリズムじゃなかった。
そこで、初日2本獲っているテキサスリグにチェンジ。リーズを撃っていくと……いきなりビッグフィッシュ。2日目の2位になる5ポンド7オンス。そしてすぐに、2本目3ポンドをキャッチ。しかし、その後このエリアでは続かず次のエリアに移動。そして、ポツポツと2本追加。ここまでは思い通りの順調な展開だった。
ところがその後、リーズを流していてサイトでデカいのを見つけて喰わせたんだけど外れてしまった。30分ほど休ませてから入ろうと思っていたら……
まあ、これも試合だから仕方ないけど、他の選手に入られてしまった。これでリズムを狂わされかかったけど、いろいろと手伝ってくれたジャスティン、ショーンのためにも切れるわけにはいかないと、なんとか気持ちを切り替えてテキサスリグを撃ち続けた。そして、リミットメイク達成。
でも、まだ目標のウエイトには足りない。このままでは準決勝には進めそうもない。そこで、ラスト30分を朝一の場所に賭けることに。この試合も初戦から3戦までと同様スポーニング中の魚が多く、今年の今までの試合の教訓を活かして、あせらずとにかくスローダウンすることを意識した。
2日目は16ポンド4オンスと好ウエイトをマーク。51位に入り、1オンス差で準決勝進出が決まった。でも本当に最後の30分がすべてだった。あそこで少しでも手を緩めていたら準決勝に残れなかったと思う。本当にやりきって良かったよ。
もうこうなったら準決勝はまくるしかない。この日もシャローのテキサスリグで勝負に。そして、この日も順調に2ポンド、5ポンド、4ポンドとキャッチ。その後、2本追加してリミットメイク。
でも1本はキーパーぎりぎり。そいつをなんとか入れ替えようと最後まで撃ち続けていると……見えバスを発見。サイトで3ポンドをキャッチ、入れ替え。この日のウエイトを15ポンド4オンスとし、初日の85位から最終32位まで順位を上げることができた。
さらに、今シーズンの教訓を活かしてスローダウンできたことがこの結果につながったと思う。これって頭ではわかっていても、無限で広大なエリアで実践するのは簡単じゃない。特に試合で精神的に追い詰められていればなおさら。そんななか、特にラスト30分の集中力は自分でも完全に入っていたと思う。
そんな状況で助けになるのが、なんでもかんでも感度を上げていくのではなく、逆にあえてキンキンの感度をなくすことで余計なノイズをカットして、生命感という本当に必要な情報をブーストして伝えるというコンセプトで開発しているシナジー。このようなロッドを使うことで、いちいち余計なことに気を取られて集中力を削がれることなく釣りに集中できるようになるからね。
ロッド:シナジー CSYC-78H スーパーマグナム
ライン:フロロカーボン 25lb
ルアー:クロー系ワームのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 10.5g
ロッド:シナジー CSYC-78H スーパーマグナム
ライン:フロロカーボン 22lb
ルアー:クロー系ワームのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 17.5g
ロッド:シナジー CSYC-72MH スーパートライアンフ
ライン:PE 56lb
ルアー:キッカーフロッグ
■関連サイト:B.A.S.S. Bassmaster
・清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
・清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
・清水盛三Official Facebook
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