2015.04.24 (金)

清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第2戦
シナジー&テキサスリグで一歩前進

清水盛三にとって思い出深いフィールド、アラバマ州レイク・ガンターズビル。2015年4月9日~12日に開催されたバスマスターエリートシリーズ第2戦はプリスポーン、スポーン、ポストスポーンが混在する複雑なタイミングに水質のクリア化が重なり、今までのパターンが全く通用しない厳しい状況に。そんなガンターズビルに立ち向かった清水がその戦いを振り返ります。

僕にとって特別な思い入れがあるレイク・ガンターズビル。アメリカで10年以上釣りをしていてもまだまだ未知なる部分の多い広大なアメリカのフィールド。でもここガンターズビルは、アメリカのホームレイクと言っても良いほど日本のフィールドと同じレベルで限りなく完璧に近いくらい理解している。僕のフィッシングスタイルにも合った、世界中のフィールドの中で一二を争うほど大好きなレイク。だから今回の試合は本当に楽しみにしていた。


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■ 正解エリアにたどり着くも、サイズが上がらず苦戦

ただ、今年は季節の進行具合から、春の微妙なタイミングにあたっていて、実際、大型の個体は1回産卵をして卵を落としているけど、まだお腹には2回目、3回目の分が残っている感じだった。完全なプリスポーンやポストスポーンであればまだ狙いが絞りやすいけど、産卵で体力を使って動きの鈍い状態かつ、これからの産卵に向けてナーバスな状態でもあるという、中途半端で狙いがはっきりしない難しい時期だった。

しかも、普段よりも水質がかなりクリアだったので、魚も余計にナーバスになっていた。だから、僕の中で「ガンターズビルと言えば……」というクランクベイトでハメることは難しかった。リップレスクランクやスピナーベイトも同様で、実際プラクティスではいつもとかなり違う状況に戸惑っていた。エリアに関してはある程度絞り込めたものの、結局、完璧にコンフィデンスの持てる釣り方を見つけることができずに試合当日を迎えることになった。

でも、釣り方にコンフィデンスがないと、たとえ良いエリアに入っていても集中できない。だから結果も出ない。そんな不安定さを象徴する出来事もあった。1箇所すごく気になるエリアがあって、プラクティスでは2回チェックに行って、「ここには絶対いる」という確信めいたものがあったので試合でも入ったんだけど……釣り方が合っていなくて、2回ほどアタリがあっただけだった。でも最終日、スキートリースがそこに入って25ポンド釣って優勝している。

また、別に準備していた場所でも……初日、そこに入ろうとするとデビッドウォーカーが張り付いていた。僕も狙っていた場所だったのでそのエリアを釣ったんだけど、結局1本しか獲れなかった。初日のウェイイン後に聞くと、彼は僕が来た時点ですでに2位のウエイトを持っていたようだった。そうなると2日目にはもうその場所には行けなくなってしまう。

試合後に振り返ってみると、こんな感じで魚がいる場所はしっかり見つけることができていたと思う。問題はそこから先。もう一歩踏み込んで煮詰め切れていない。とはいっても決して魚が釣れてないわけじゃない。2日間で30本以上は釣っている。しかも、2日で30ポンドオーバーといつものガンターズビルなら悪くないウエイトで、すべてのバスをロングカーリーテールのテキサスリグで釣った。

狙ったのは、バンクであれオフショアのハンプであれグラスが生えていて、スタンプや岩が絡むようなところ。つまり、スポーニングに絡む魚がウロウロしているようなところ。そこで、8.8gと10.5gのシンカーを使い分けて、ロングキャストからのスイミングぎみのリフト&フォールで釣っていった。

これで初日13ポンド9オンス持って帰ってきたんだけど、それ以上にまわりが物凄く釣っていて……93位と出遅れてしまった。これでは「2日目はビッグウエイトを狙って勝負に行くしかない」と気になっているエリアを片っ端から撃っていくことにした。

まず朝一入ったのは、初日ウエイトは伸びなかったけど連発した場所。「もしかしてデカいのが入ってきてないか」という可能性に掛けて入った。そして、1時間半ほどでリミットメイクはしたものの、やはりウエイトが伸びない。

そこからは自分のエリアを見る目を信じて、初日に釣っていない新しいエリアを速いテンポでランガンしていった。そして、3箇所目でついに……

5ポンドクラスのナイスフィッシュをキャッチ。オフショアのハンプにグラスが絡むエリアを今まで同様キャスティングテキサスで釣った。その後も3ポンド半くらいのナイスサイズを追加して入れ替え。「やはりエリアの選択は間違っていない」

しかし……その後入れ替えはならずで、16ポンド11オンスで2日目を終了。結果2日間で30ポンド以上釣ったものの、最終83位と本当に残念な結果に終わってしまった。でも、いつものように魚がいる場所は見つけていたと思うし、釣り方まで完全に煮詰めることはできなかったとはいえ、今回は大きなミスもなく自分に獲れる魚はしっかり獲ることができた。そういう意味では、前回までと違って少しは前に進めたかなと思う。


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■ ミスなく30本キャッチしたシナジー・スーパーディトネーターのアドバンテージ

そんな自分を一歩前進させてくれたのがシナジー・スーパーディトネーター。今回はビッグフィッシュ対策でラインにフロロカーボンの20lbを使ったけど、これだけ太いラインを使っても前のディトネーターに比べて明らかに良く飛んでいる。今回のクリアな状況でもロングキャストできることの意味は大きかった。さらには、そんな遠くでも感じることもできたし、しっかり掛けることもできた。

キャスト後は、ある程度広い範囲をカバーする感じでリフト&フォールさせていたんだけど、この時期引いているときにアタリは出ないのでフォール時に集中することが大事で、そこで生命感を感じてアワセて掛けていく必要がある。もしくは、フォール後にロッドを立てた時に重さを感じたら、それがウィードなのかバスなのかを判別しなければならない。

特にスポーニングに絡むバスの場合、アタリの出方がはっきりしないことが多くて、本当にウィードが掛かっただけのようなグッっと重くなるだけなんてことも多い。しかも遠い距離となるとその差は本当に小さくなってしまう。でも、そこに明らかに差があることがわかるのが、スーパーディトネーターを使うことで得られるアドバンテージ。

さらに、遠くで軽く咥えただけのバイトをがっちり掛けることもできないとダメだし、こんな感じのスポーニング時期のナーバスなアタリを感じとれたことと、それらをしっかり掛けることができたことで、大きなミスもなく30本以上の魚を獲ることができた。

コンッという明確なアタリはどんなロッドでも誰にでもわかるけど、こんな押さえ込むようなアタリを確実に取って掛けるためにつくったロッドがスーパーディトネーターだし、そういう意味では良い仕事をしてくれたね。

後は自分自身の問題だよ。でも、毎回少しずつでもネガティブな要素を減らしていけているので、しばらくは我慢の時だと考えて出来ることを1つずつ積み重ねていくしかないと思っている。そこから少しでもキッカケになるようなことをつかめれば絶対大爆発できる。スーパーディトネーターがまさしく起爆装置(detonator)となってね。

ここまで来たら後は思い切ってやるだけ。全戦全力で戦います。期待していてくださいね!

■タックルデータ
ロッド:シナジー CSYC-71H スーパーディトネーター
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:7インチカーリーテールワーム 8.8~10.5gテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 8.8g、10.5g

■関連サイト:B.A.S.S. Bassmaster

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
清水盛三Official Facebook


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