清水盛三が語る これぞシャロークランキングの醍醐味
クランクベイトだからこそ釣れるバスが存在する。清水盛三がまたしても得意のシャロークランキングで魅せた。暑さが長引く初秋、関西の人気リザーバー高山ダムでクオリティフィッシュを連発!
2023年9月20日放送【The Hit】ドハマりクランクベイトで入れ食っちゃいました
今回は、投げて巻いて、ガツン!とくる感覚を多くのアングラーにも味わってほしいとの思いから、盛三自身クランクベイトの釣りを映像で学んだというエピソードを紹介。秋のクランキングシーズンが終了する前に……要チェックです。
今回動画アップされたThe Hit高山ダムロケでは、シャロークランクで10本以上とパワーフィッシングで上手くはめることができた。
高山ダムで釣りをするのは1年以上ぶりで、その時はジャックハンマーSBで50オーバーを獲ったんだけど、前回とは状況も全然違って……午前中は厳しかったけど、終わってみればゼルクプティが大活躍。
正解エリアに辿り着き、ゼルクプティを巻いて連発
夏を引きずって水温は20度台後半のこの日、いつも通り、朝は巻き物からスタート。減水で水位が低かったことと、当日ボートを出していた他のアングラーのほとんどが上流方向にボートを進めていたので、まずはスロープから下流方向に流していくことに。
シャワーブローズ、バブルトルネード、ジャックハンマーSB、ゼルクプティとルアーを変えて広く素早く探りながら、現場の情報を集めていく。
それからしばらくバンクを流してみたけど、あまり生命感が感じられない。途中、ゼルクプティでポロっと20cmくらいのかわいいサイズが釣れただけ。それ以外全く反応がない。
まだ暑いので「やはり上流かなぁ」と思ったものの、エレキでの移動になるので、釣りをしながら移動することにした。散々流したバンクは見切って、試してみたのはディープの釣り。そして、IRジグとドロップショットでなんとか2本絞り出した。しかし、単発で後が続かない……
そうこうしているうちにスロープを越え上流エリアに差し掛かったので、シャローの巻きに戻し、朝唯一反応があったゼルクプティを巻いていく。すると、プティに変えてすぐに、サイズは小さいものの、狙い通り上流で1本キャッチ。その数投後、ついにコンディションの良い40オーバーが来た。
そこからもゼルクプティを巻き続けて、短時間のうちに40アップを含めて10本以上キャッチ。
ハイプレッシャーな中でもロープレッシャーなバスを釣る
動画ではわかりにくいかもしれないけど、ボートポジションで水深2.5~3mほどだったので、ゼルクプティはボトムに当たっていない。1~1.2mくらいの中層をただ巻いてきただけで、これだけ釣れている。力強く水を押しながら明滅するゼルクプティの動きは、魚を寄せる力があるからね。
しかも、サイズ感的にも、サイレント仕様という点からも、バスに嫌われずにバイトさせてしまう能力も高い。だから、中層をただ巻くだけでも釣れる。特に、魚が動きやすい水温が下がり切る前のハイシーズンに効くクランクベイトだね。
以前のロケでも、ゼルクプティをメインに1日で65本釣ったことがあるよ。
ゼルクプティで釣るために大事なのは、とにかく投げ続けること。そして、1か所に留まらず動き続けること。そうすれば、いつか湖のどこかにいるであろう、このルアーを喰いたいバスに巡り合える。
この日、高山ダムに浮かんでいたアングラーは、みんな朝から上流方向に向かっていた。僕は、みんなが釣りをした後からそのエリアに入ったことになるけど、それでもクランクベイトでこれだけ釣れる。
しかもクランクベイトは、太くてコンディションが良いクオリティフィッシュが釣れることが多い。
これはつまり、たとえハイプレッシャーフィールドでも、人に狙われていないロープレッシャーな魚達=クオリティフィッシュがいて、クランクベイトのようなパワーフィッシングで広く速く流していくと、そんな魚達と出会える確率が高くなるということ。
また、スローな釣りには見向きもしないけど、クランクベイトだからこそ釣れる魚もいる。だから、クランクベイトの釣りを覚えれば、釣れる魚も増えてバスフィッシングがもっともっと楽しくなると思うよ。
クランクベイトのテクニックは動画で学んだ
そんなクランクベイトの釣りを覚えるには、やっぱり動画が参考になる。実際、僕自身もクランクベイトのテクニックは、映像から学んだことも多い。
特にリッククランの出た時のテレビ番組を録画したVHSを擦り切れるくらい見たよ。ルアーを落とす場所、ルアーを入れる角度、リトリーブスピード、さらにはリールを巻いている時ロッドティップがどのくらい曲がっているのか……等々、本当に細かいことまでね。
そして、フィールドに出た時に、その動画でリックがやっていた釣りを真似してみる。
1回サラッと見ただけでは「すごいなぁ、クランクベイトってこんなにも釣れるんだぁ」程度しかわからなかったけど、何度も何度も見てフィールドで試してみることで気づきがある。最初は意味もわからず真似していただけでも、ある時「ああ、これはそういうことだったのか」と腑に落ちるんだよね。
そうこうしていると魚が釣れる日もあって、少しずつ自信が持てるようになる。だけど、次にフィールドに出ると、今度は思い通りに釣れないなんてことも。で、また動画を何回も見て、釣れる気持ちを高めてトライする。
その繰り返しで、徐々にそのテクニックが自分のものになる。だから動画は絶対オススメ。ぜひ、細かいところまで意識して、この動画を何回も見て、何かを掴んでほしいなぁ。
僕の場合は、アメリカのトップカテゴリートーナメントに参戦していたので、1つのテクニックを彼らと戦えるレベルにまで持っていくためには、そのあともさらに突き詰めてやる必要があった。
実際、アメリカに渡ってからは実戦で、打たれまくってテクニックを学んでいった。それこそ、近くでリッククランやケビンバンダムがボコボコに釣っているのに、僕には釣れない……なんて経験を何度もしてね。
それでも1匹1匹積み重ねて、1つのルアーで何百というバスを釣りながら1つ1つテクニックを磨いていった。そうやって自分のものにしたテクニックを、引退して日本に戻った今、みなさんにお見せできているので、コツコツとやってきて良かったと思っている。
どこまでストイックにやるかは人それぞれだけど、こんな感じでテクニックを身に着けるために練習を繰り返す過程が、バスフィッシングの楽しみでもある。その中で、過去の自分より、少しでも進歩した上達したと感じられると、素直に嬉しいしね。
クランクベイトの釣りを覚えるとライトリグが上達する
もう1つ、クランクベイトの釣りで付け加えたいのが、クランクベイトを練習するとライトリグも上手くなるということ。
なぜかと言うと、パワーフィッシングで広く素早く流すことで、バスが見える場所があるかもしれないし、喰い切らなくてもルアーを追いかけて来るバスと出会うかもしれない。あるいは、ここはベイトフィッシュが多い等、フィールドの状況がわかるから、魚がいそうな場所で釣りができるようになるんだ。
ライトリグは喰わせの力はあるけど、アピール力が弱いし釣りがスローなので、フィールドに出てすぐにボートを止めて、いきなりライトリグを投げていては、魚がいない場所で釣りをしている、なんて致命的なことになりかねない。
そうならないためには、広い視野で湖を見て、ここぞという場所でライトリグを投入するようにしたい。その方が、釣れる確率が高くなるからね。だからクランクベイト。たとえクランクベイトで釣れなくても、投げて巻いて流して自分で感じて得た情報は、必ず役に立つ。
ライトリグは確かに釣れるし、自信があるアングラーも多いと思うけど、だからと言ってライトリグばかりをするのではなく、クランクベイトを練習することで、結果ライトリグで、もっと釣れるようになるというわけだね。
少し話が脱線したけど、いずれにせよクランクベイトはバスフィッシングの基本とも言えるルアーだし、本当に釣れるルアー。しかもコンディションの良い魚がね。
クランクベイトを投げて巻いて、ガツン!とくる感覚は病みつきになるので、そんな楽しさをひとりでも多くのアングラーに味わってほしいと思っています!
■タックルデータ
[ロッド]グラスコンポジット(プロト)
[リール]ジリオン SV W 6.3:1
[ライン]ポリアミド(ナイロン) 16lb
[ルアー]ゼルクプティ
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