清水盛三が語る 低水温期の切り札、フェイス

本場アメリカのB.A.S.S.エリートシリーズに参戦するプロアングラー清水盛三にとって、日本でのメディア取材がピークを迎えるのはトーナメントのオフシーズンである冬。そして防寒着に身を包む清水が持つデカバスの口には高確率であのルアーが・・・
「コイツが完成してから明らかに冬の取材が楽になりましたね~(笑)」
今年に入って早速「The Hit」のロケに行ってきたんやけど、やっぱりフェイスで したね~ 去年も一昨年もそうだったけど、冬に外さなくなったのはフェイスができてから。 それまではディープでジグをやってみたりもしていたけど、フェイスなら取材で求められるデカイ魚も釣れるし。この時期のキールアーはまちがいなくフェイ ス、絶対的なポテンシャルを持っているね。
■ これだけは知っておきたい フェイス、2つのウェイト調整法
今からプリスポーンまでの低水温期の基本は「ルアーをしっかり止めること」、というのはみんなもよくわかっていると思うけど、大きい個体は特に動きが鈍いね。でも大きいヤツほどスポーンに向けて体力をつけるためエサを喰いたがっている。
威嚇とかじゃなくホンマにエサを喰わんとダメな時期なんで、しっかり見せて止めて、動きの鈍いヤツらにも「これなら追いつける」と思わせないとダメ。
そこでジャークベイトのフェイス、となるんやけど、この時期に関して言えば、市販のままのスローフローティングの設定では浮くスピードがまだ速すぎる。なんで、粘着ナマリをお腹に貼ってジャストサスペンド~超スローフローティングの間に設定してやることがまず大事になってくる。
もちろんフィールドが違ったり、同じフィールドでもエリア、時間、天候によって水温や気圧が変わるので、その都度サスペンド具合を現場で調整することが必要やね。僕の場合、基本はセンターフックアイのすぐ前に貼るんやけど、これだと止めたときに水平に近い姿勢を保ちやすいんで、より自然に見せられてバスをバイトさせやすくなる気がする。
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基本となるウェイト貼り付け位置。 水平姿勢でより自然に見せバイトを誘発する。 |
もう1つはリップのすぐ後に貼るやり方があって、これは小林(知寛)もよくやってるね。この貼り方だと頭下がりになってより速くダイブするようになるんで、岩盤などの急深なエリアを釣るのにいい方法やね。それと、ショートキャストで狙っていくときなんかも、狙いのレンジに速く到達させられるんでオススメかな。
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前傾姿勢にするための貼り付け位置。 より速くダイブするので急深なエリアで使いやすい。 |
■ これだけは知っておきたい ジャークベイトタックルの条件
で、ジャークベイトの場合重要なのがタックルセレクト。特にロッドとラインやね。
ロッドが硬すぎるとジャークが直線的になってしまうし、柔らかすぎるとロッドがジャークの力を吸収して動きにメリハリが出せない。ヘラクレス・マニピュレーターはフェイスを操作するためにつくったロッドでもあるんで、軽い力で生命感あるジャークを続けられる。フェイスの能力を100%出し切ることができるよ。
ラインはフロロカーボンの10~12lbがメイン。以前このコーナーで紹介した「フェイスのもう1つの使い方」のように、暖かい時期にフェイスを使う場合はナイロンの19~22lbという太めの糸で浮かせて釣るんやけど、今からプリスポーンにかけての低水温期は、より深く潜らせることが大切なんで比重が大きくて抵抗が少ない細めのフロロになる。
もう1つフロロを使う重要な理由があって、それはワームフィッシングのような感じで止めてアタリをとるからなんやね。だから伸びが少なくて感度がいいフロロカーボン。で、狙うレンジに応じて10lbと12lbを使い分ける。イメージ的には10lbで1.7m、12lbで1.5mくらいのレンジまで潜らせる感じかな。
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ルアー、ロッド、ライン。 ジャークベイトの釣りはフィールドでのテクニック以前に正しいセッティングがより重要。 |
この時期のジャークの回数は基本3回で、活性が低いと感じれば2回、逆に高いと感じれば4回、という感じで1キャスト中にもいろんな回数を試してみて当たりを見つけていく。そしてジャークの後はきっちり確実に止めることが超重要。基本3~5秒で、まれに10秒以上の超ロングポーズを入れることもある。4mレンジにいる魚を浮かせて食わせるつもりでね。
ただ、ジャークのふり幅やスピードを言葉で説明するのはむずかしいし、ジャークの回数とポーズの時間の組み合わせも無限なんで、「どうしたらいいかわからん」って人もいるかもしれないけど、こればっかりはいろいろ試してみるしかないなぁ~ まあ、冒頭で触れた「The Hit」が1/25に前編、2/1に後編がオンエアされるんで、そこらへんはぜひ映像でチェックしてみてほしいですね~
■ 冬のジャークベイト操作術 モリゾー流テクニックの核心
でも1つ大事なことを言うと、ポーズのときは必ず、ラインを張らず緩めずの状態でキープすること。少しでもラインが張ってしまうとルアーが手前に寄ってしまうし、緩めすぎると全くアタリがわからない。
アタリはワームみたいに「コンッ!」とくることもあるけど、この時期に明確なアタリがあることは少ないんで「なんかおかしいなぁ?」「ゴミがかかったかなぁ?」など、とにかく「?」と思ったらすぐにアワセること。
次のジャークがアワセになることもあるけど、勘違いしてはダメなのは、あくまで止まっているときに喰っているということ。アクションさせたときに喰ったんじゃないんで、止めているときにしっかり集中すること。
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モリゾーのラインスラックの出し方に注目。 ポーズ時に張らず緩めずのこの状態をキープする ことが低水温期のポイント。 |
それと、もう1つ大事なことを言い忘れていたけど、みんなはジャークベイトというと「大きくダートするほうがいい」と思っているかもしれへんけど、そうではない。僕はこの時期はあえて「横に飛ばさないジャーク」を心掛けている。
もちろんハイシーズンなんかで大きく動かした方がいい状況もあるんで、そこは間違えないで欲しいけどね。フェイスは寒い時期、暑い時期、両方の状況で使うことを考えてつくったんで、ロッドアクション次第で大~小までのダートをこなせるよ。
でも低水温のなかでのバスは、1度でもベイトに「逃げられた!」と思うと追いかけないんで、「コイツやったら喰えるかも!」と思わせること。だから意図的に「横に飛ばさないジャーク」をするねん。
かと言って手前に大きく動いてしまってはダメなので、力を抜いた細かいジャークで、できるだけ移動距離を抑えてやる。どちらかというとトゥイッチのような感じかな。1/25と2/1の「The Hit」は、そこらへんにも注目してじっくり見てもらえるとうれしいなぁ。
■ 低水温期のカラーセレクト 絶対的クラウン+αがモリゾー流
カラーは、この時期はクラウンが主体。今までの取材を見てもらえばわかると思うけどホンマにクラウンの破壊力は凄いね。カラーチョイスに迷ったらまずクラウンが絶対やね。
次によく使うのがライムサワー。これもオールマイティに使える大好きなカラーやね。でも冬場は水がクリアになることが多いんで、そんな状況ではクラッシュシルバーシャイナーなどのナチュラル系カラーがメインになることも多い。
そして季節が進んでプリの時期になると、ターンや雪解けなどで水が濁ってくることがあるんで、そうなるとゴールデンシャイナーやマットスプリングシャイナーなんかの出番が増えてくる。特にマットスプリングシャイナーは名前のとおり早春~春に強い色ですね~
とにかく、冬の釣りは厳しいし釣れへん かもしれないけど、みんなのメモリアルな魚が釣れるチャンスでもあるんで、ぜひフェイスを持ってフィールドに出掛けて欲しいなぁ。冬の場合、一般的には水 温の上がる午後からがいいと言われているけど朝もチャンス。前日の夕方からシャローに居残ったバスがいるんで、夕方だけじゃなくモーニングバイトを狙って 朝も集中したいね。
でも本当に一番大事なのは、信念を持ってフェイスを投げ続けること! ラストキャストまで「ネバーギブアップ!!」やね。
■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-64M マニピュレーター
ライン:フロロカーボン10~12lb
ルアー:フェイス
■関連動画
【動画】「EG going!」 Vol.14 小林知寛・旭川ダム
清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/
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