清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第1戦
対フロリダバス、サイトフィッシングで勝負
3月17~20日、2016年バスマスターエリートシリーズが開幕。初戦の舞台はフロリダ州セントジョンズリバー。一昨年の雪辱を果たすべく、フロリダバスを相手にサイトフィッシングで勝負を挑んだ清水盛三が、その戦いを振り返ります。
「サイトフィッシングで一昨年の借りを返す」と臨んだセントジョンズリバーで開催されたバスマスター開幕戦。公式プラクティスでフィールドにボートを浮かべて感じたのは、事前に予想した通り、やはりサイトフィッシングがメインの試合展開になりそうだということ。プラクティス初日から良いサイズのバスをかなりの数見つけることができたし、2日目には5~6ポンドのビッグフィッシュを5本以上、さらには10パウンダーも見つけ、「これはイケる!」という感触を掴んでいた。
とにかく開幕ダッシュでシーズン前半戦を切り抜けたい。そのためにはもっとも重要な開幕戦で外すわけにはいかない。昨年まではスポーニングに絡む時期のトーナメントでは、普通の釣りとサイトフィッシングとどっちつかずの展開をしてしまい外すことが多かったので、今回はサイトメインでいこうと心を決めた。また、一昨年の同時期、同フィールドでの経験で少し光が見えた、フロリダでのサイトフィッシングテクニックを試す絶好の機会だとも思っていた。
しかし、フロリダの魚は足が速いのが心配の種ではあった。練習中に見つけた魚は試合では当てにできない。さらに、試合中はくもりから雨になるという予報が出ていたのもサイトフィッシングには不利な状況になりそうだった。とはいえ、今回は見つけさえすればほぼ釣れるという自信もあったので、あとは、いかにその日その日で新しい魚を見つけられるかが勝負だと思って試合に臨んだ。
■ DAY-1
初日の朝一、予定通りサイトのメインエリアに直行したものの、時間的にまだ光量が少なく水中が見にくい状況。そこでまずは、ここは居そうというところをテキサスリグのピッチングで撃っていくことに。そして、サイズは小さかったものの幸先よくキーパーを2本キャッチ。
その後も天気は予報通り曇りで水中はまだ見にくかったが少しずつ明るくなってきたので、予定通りサイトフィッシングにチェンジ。まずまずのサイズを見つけ短時間で喰わせることに成功。約3ポンド半のナイスフィッシュ。
それからも、3ポンド、2ポンド、2ポンドと順調に追加していった。さらに、2ポンドを追加し、朝一のキーパーと入れ替えにも成功。満足できるサイズではなかったものの、一昨年の経験を活かして、すべての魚を短時間で口を使わせることができた。メインに使ったのはテキサスリグとドロップショットリグだった。
順調にウエイトを積み上げ、さらに入れ替えできるようなビッグフィッシュを探し続けたが……結局この日そんな魚との出会いはなかった。
残り時間も少なくなり、ラストは帰りがけに立ち寄ったエリアで普通の釣り。そこでジャックハンマーを巻いて2ポンド半をキャッチ。
入れ替えて若干ウエイトを伸ばし帰着。初日の結果は13ポンド1オンスで74位。見つけた魚はきっちり獲っているものの、ビッグフィッシュが入らずきびしいスタートとなってしまった。
■ DAY-2
2日目も朝から曇っていたが、どっちつかずになるのが一番良くないと自分に言い聞かせ、この日もサイト勝負に行くことに。初日の順位を考えると、もうこの日はビッグフィッシュを入れるしかないと2ポンド以下は見つけてもスキップしていった。しかし、なかなかビッグフィッシュとは出会えない。時間だけが過ぎてゆく……
そしてついに、5ポンドクラスのビッグフィッシュを発見。しかし、ルアーを投げるまでもなく逃げてしまい、しばらく待ってみたものの……せっかく出会ったビッグフィッシュではあったが、限られた時間のなかで競われるトーナメントで深入りは危険と判断し、別の魚を探しに行くことに。
その後かなりの時間を費やしたが、なかなか狙いのビッグフィッシュには出会えない。この時点で、ライブウェルには全く魚が入っていない状態に、さすがにこのままではまずいと作戦を変更。サイズにこだわらずに見つけた魚を片っ端から狙っていくことに。
ところが、釣っていたのがサイトフィッシャーマン達で船団ができるほどのエリアだったので、初日と違いこの日はプレッシャーがきついからなのか逃げる魚が増えている。しかし、一昨年のフロリダでの経験から、釣れる魚、釣れない魚を瞬時に見分け、釣れると判断した魚のみにターゲットを絞り狙っていく。
そして、サイズはそんなに大きくないが、まず1本獲った。この1本を皮切りに、口を使うと判断した魚は短時間で釣り上げていき、ついにリミットメイク。しかし、1本3ポンド半が入ったものの、あとのサイズはイマイチ。
それからも粘り強くサイトを続けていたものの、そのうち風が強くなり水中が見にくくなってきた。この時点で残り時間もわずかだったので切り替えて、スタート地点に戻りながら気になるところで普通の釣りをしていくことに。最後の最後に、狙い通りジャックハンマーで2ポンド半を獲って入れ替えたものの、結局2日間トータルで22ポンド2オンス、90位と最悪の結果に終わってしまった。
本当に残念な結果で正直辛いけど、でも前回学んだ通りフロリダのサイトフィッシングにも慣れてきて、見つけてから喰わせるまでの時間も大幅に短縮できるようになった。僕が狙っている魚を見たある選手に「そいつは釣れないだろ」と言われた瞬間にロッドを曲げるなんてこともあったし、掛けた魚をバラすようなミスもなかったし……残念ながらビッグフィッシュは獲れなかったけど、成績以上に自信にはなったのも事実。
ほとんどの時間をサイトに費やしたという狙いは間違っていなかったと思う。実際上位選手の多くがサイトフィッシングだったしね。ただ、サイトに凝り固まってしまっていたという感じも少しだけある。そこに気付かせてくれたのが、あのリッククラン。みんながサイトと言っているなか、ブレーデッドジグで圧倒的なウエイトを叩き出しての優勝は凄すぎる。今回残念ながら成績は振るわなかったけど、本当にいろんな意味で勉強になった。
それにしても春のアメリカの気候はダイナミックだね。実際、今いるフロリダもコールドフロントが来て、昨日まで30℃あったのに今日は10℃ちょっとしかない。だから、スポーニングに向かうバスの動きも上がったり下がったりを繰り返すから追いかけるのが本当に大変。
次のウィンヤーベイはフロリダより少し北側に位置するけど試合は4月7日からなので、シーズナルな状況が今回と似たような感じになるかもしれない。厳しい戦いになるとは思うけど、全力で立ち向かってきます!
■タックルデータ
ロッド:シナジー CSYC-71H スーパーディトネーター
ライン:フロロカーボン 25lb
ルアー:4.5インチクローワームのテキサスリグ
シンカー:E.G.タングステンバレットシンカー 7g
ロッド:スピニング(プロト)
ライン:PE 24lb
ルアー:6インチストレートワームの3/16ozドロップショットリグ
ロッド:ヘラクレス HCSC-73HG レパード
ライン:フロロカーボン 20lb
ルアー:ジャックハンマー 3/8oz(プロト)
■関連サイト:B.A.S.S. Bassmaster
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