2019.04.18 (木)

中島央憲 ズバ抜けたバーサタイル性能と反響感度を備えたスペリオル SPRS-70L-T スカウトマスター解説

こんにちは。エバーグリーンプロスタッフの中島央憲(ナカシマ ヒサノリ)です。

今回は、僕が開発に携わったライトゲームロッド、スペリオル SPRS-70L-T スカウトマスターについて詳しく解説します。

バーサタイルロッドの必要性

アジングやメバリングをスタートする時、あなたはまずなにを投げますか? 多くの人の答えは、「時・場所・場合によって変わる」だと思います。

僕もそうで、時・場所・場合によって、ジグヘッド単体から始める時もあれば、プラグから始める時もあれば、スプリットやキャロ、フロートから始める時もあります。

また、僕の場合、効率的なことが好きな性格なので、1つの場所で粘るよりも、場所をコロコロ変えながらランガンすることが多いです。(僕以外にも、そういう方、多いのではないでしょうか?)

そして、そうなると必要になるのが、「まずこの一本があれば大抵の釣りはできる」「まずこの一本で釣りを始めて、その展開次第で次の展開を考えよう」……そんな風な使い方ができるバーサタイルなロッドです。

そんなロッドを僕は“基準ロッド”と呼んでおり、現行ソルティセンセーションではワイドレシーバーDアタッカーを基準ロッドとして使用していました。


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さらなる性能を持つ“基準ロッド”とは?

もちろん、それらの性能は素晴らしかったのですが、上位シリーズ・スペリオルのデビューにあたり、ぜひつくりたいと思ったのが、さらに性能の高い基準ロッド。

使用頻度の高いジグヘッド単体の1~3gをもっと操作しやすく、それでいて、上はジグヘッド単体では届かない遠くやディープを探るためのキャロの10gまで、より幅広い範囲のリグを扱えること。

それと、やはり、さらなる感度は絶対条件。ライトゲームは感度が良い・悪いで釣果に大きな差が出る釣りなので、反響感度・テンション感度ともに今まで以上を求めました。

そのためにベストだと考えたのが、チューブラー・7フィートレングス。

なぜチューブラーかというと……幅広いウェイトのリグを遠慮なくキャストし、思い通りに操作し、瞬間的にフッキングできることを追求すると、ティップに張りがあるロッドが必要です。

そして、張りのあるティップをつくろうと思ったら、ソリッドティップよりもチューブラーティップの方が当然軽い。ティップの軽さは軽快な操作感を高めるのでメリットがあります。だからチューブラー。(もちろん、極細ティップによるエキストラファストアクションなど、ソリッドティップにしかできないことがあるので、ソリッドティップはソリッドティップで必要です。)

そして、7フィートという長さは抜群に汎用性が高い長さです。足場の良い堤防でも持て余さず、磯場にもしっかり対応できるので、ロングロッドが必要なシチュエーション以外は全て対応できるといっても過言ではありません。


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厳しいテストを経てついに完成したスカウトマスター

もちろん、ただチューブラーで7フィートというだけでは不十分なため、しっかり実釣テストを行い、アクションやその性能を一つ一つ確認しながら、試作を進めていきました。

釣行回数を確保するため、仕事が終われば釣り場に直行。実釣テストを行い、深夜帰宅して、また仕事に行っての繰り返し(笑)

まずは、ジグヘッド単体の1~3gでアジやメバルを釣って、一番使用頻度が多いジグヘッド単体で近距離でのロッドの操作感や感度を確認。

そして、5~8gのスプリット、5~14gのキャロで重いリグのキャスト性や(あえて表記の上限としようと思っていた重さ以上のものまで扱いました。)、中距離~遠距離での操作感や感度を確認。

また、水深20m以上の場所でアジを釣って、抵抗の強いディープでもスプリットやキャロをしっかり扱えることを確認しました。

あと、より効率的な釣りを展開するためには良型のアジやメバルを一気に仕留めることができるパワーは必須なので(時合いを逃さない・群れを散らさないためです。)、30センチを超えるアジやメバル、時にはヒラスズキを釣って、「遠距離・ディープから寄せる性能」・「近距離で突っ込みを止める性能」をしっかり確認。
そうして完成したのが、スペリオル SPRS-70L-T スカウトマスター

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今まで出会ったことがないほどの反響感度

ではその性能がどうかというと、狙い通り……というか、狙い以上の性能に仕上がりました!

まず、アクションが本当に理想的に仕上がりました。シャキッと張りを持たせながらも、適度に細身にし、全体が綺麗にしなるようにして、1gのジグヘッド単体を扱ってもオーバーパワー感が一切ない繊細さにもかかわらず、10gキャロ・フロートを遠慮なくフルキャストできるパワフルさも兼ね備えた、基準ロッドとして理想的なフィーリングを実現。

しかも、軽さが凄い! 幅広いウェイトのリグを扱うことができるバーサタイルなロッドにもかかわらず、自重が約55gとジグヘッド単体専用ロッド並みに軽く、さらにチューブラーによりティップが軽いので、操作感がめちゃくちゃ軽快です。

特に、自重150g前後の軽量リールと組み合わせると、総重量の軽さに加え、持った時にリールの存在を忘れさせてくれるような絶妙なバランスになり、それにより、より軽快な操作感を生むことはもちろん、持つことによる身体の負荷が減ることにより、リグやラインから伝わる情報に感覚がより多く割かれるので、反響感度・テンション感度ともに今までを明らかに超えるものになっています。

また、チューブラーによるズバ抜けた反響感度は目を見張るものがあり、極小のアタリやボトム・海藻の質感、ラインが潮流を切る振動(慣れればこの振動の強弱やピッチの変化で潮流の変化を感知できます。)をここまでクリアに響かせるロッドは、僕自身、今まで出会ったことがありません!

それに、テンション感度も非常に優れており、テンションが僅かにかかる、抜けるといった、響かないアタリもしっかり感知することができます。

あと、実は感度に大きく貢献しているのがグリップです。スペリオルのIPSリールシート+超ショートEVAグリップは、感度を殺さないフワッとした握り方で掌にフィットするため感度伝達に非常に優れ(自動車のシートが良い例で、シートと体の接触面積が多いほどタイヤから伝わる情報が多くなります。)、同時にキャスト・ファイト時にはグッと握り込みやすいので一晩釣りをした時の疲労度が軽いという特徴も備えています。


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タックルセッティング例

■タックルセット例① ジグヘッド単体 & 小型ハードルアー
PE0.2~0.3号、もしくはポリアーリレート0.2~0.3号に、マジックハードR 6~8lbを組み合わせています。

■タックルセット例② アシストシンカー系リグ
PE0.5~0.6号に、マジックハードR 12lb+6~8lbを組み合わせています。

ジグヘッド単体の1g~キャロの10gまで幅広く扱える、バーサタイルなスカウトマスター。バーサタイルロッドと言うと半端な印象を受ける方もおられると思いますが、スカウトマスターに関しては徹底的にバーサタイル性能を突き詰めているので、半端どころか「エグい」です! 皆さんにも、ぜひスカウトマスターでより効率的なライトゲームを楽しんでください。

プロスタッフ豊西氏がスカウトマスターでヒラフッコをゲット。この程度のサイズならまだまだ余裕でやり取りできます。


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