2014.04.28 (月)

清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第3戦 
春のクリアリザーバーでワイルドハンチが炸裂

2014バスマスターエリートシリーズ第3戦の舞台はミズーリ州テーブルロックレイク。

日本のリザーバーと似た景色を持つこの湖で、清水盛三のクランキングが炸裂。ワイルドハンチで連日キッカーを仕留め、春のクリアリザーバーを攻略した第3戦の模様をモリゾーが語ります。

■ 公式練習前の最低気温の推移をチェックしてタックルを選択

今回のテーブルロックレイク戦は、すごく楽しみにしていた試合だった。約10年前、僕がまだトップカテゴリーの試合に出始めたころ、同シーズンにここで2試合したことがあって、そのときはコテンパンにやられて最下位付近の成績しか残せなかった湖。

でも去年、同水系のリザーバーの試合ではあと少しで決勝に残れるくらいのウエイトを釣ってくることができた。ある程度つかみかけた感もあったので、自分がいったいどこまで成長しているのかを試す、僕にとっては重要な試合だった。

フロリダのセントジョーンズリバー戦が終わって次のテーブルロックレイク戦まで1週間の休みがあったから、第5戦が行われるレイク・ダーダネルに練習に行ってたんやけど、そのときも同時にテーブルロック戦のことも考えていた。

だから、その間もずっとテーブルロック周辺の天気はどうなっているのかを常にチェックしていた。特に春は、試合当日だけじゃなく、そこに至るまでの天気や気温の動きはすごく重要やからね。

でその結果、まだまだ春にはなりきっていないなぁと。朝の気温はマイナス、基本最高気温は10℃まで。これじゃぁ絶対水温は冷たいのでスポーニングはまだまだやなと。でも、暖かい日には20℃まで上がった日もあったので、完全な冬ではなく、アーリースプリングの魚が相手やなぁと考えながらタックルを準備していった。

テーブルロックはグラス(ウィード)は全然ないんやけど、岩盤、ガレ場、赤土、スタンディングティンバー、ブッシュなんかがあって、パッと見、日本の山間部にあるリザーバーに似ている基本的にクリアな水質の湖。

それと、試合前の気温の推移を見ていると、ルアーはジャークベイトと2~3mレンジのクランクベイト、そしてライトリグがメインになると考えた。あとは雨や風などで濁りが入ったりすればスピナーベイトもありかと。いずれにしても、湖に出る前にここまでは予想を立てていた。


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■ 公式練習ではジャークベイト、試合本番ではクランクベイトがメインに

そして公式プラクティスで実際湖に出てみると、水温がまだ9℃台で、一部エリアを除いてはかなりクリアな状態だった。こうなると練習で釣れたのは、やはり予想通りジャークベイト中心、あとはクランキングが少々って感じやった。

この湖はラージ、スモール、スポッツが生息していて、それぞれ数は結構釣れたけど、キーパーがなかなか釣れなかった。というのもキーパーサイズが15インチ、約38cmと結構大き目のサイズやからね。

でも、ノンキ―パーでもいいから、まずは釣れる場所を見つけて、そのなかでも14インチなんかのいいノンキ―パーが釣れる場所をピックアップしていった。実際、キーパーはそれぞれの日で3本ずつくらいしか釣れなかったけど、キーパーが釣れたところは、エリアが違っても同じようなシチュエーションの場所だったんで、一種のパターンはつかめたという手応えはあった。

ただ、テーブルロックって池原やさめうらが100個くらい入る超巨大なリザーバーなんですわ。3つ主要なアーム(川)があって、ワンドなんかは無数にあるんで、2日半の練習では1日1本のアームを見るのがやっとだった。あまりにも広大なんでホンマにザッとしか見れなかったけどね。だから、ガソリンは毎日200リッター近く焚いた。

そして、予定通りジャークベイトやクランクベイト主体で効率良く広大なエリアをチェックし、プリスポーンがいそうな場所を探していった。

ただ、練習ではジャークベイトがメインだったけど、試合ではクランキングになりそうな予感があった。というのも、気温、水温が上昇傾向にあったからね。

基本この時期のバスはシャローに上がりたくて、また、喰いたくてしょうがないものやし、水温が1℃上がるだけでガラッと変わるのが春。実際、公式練習3日目にワイルドハンチで3ポンドのナイスキーパーを獲れたしね。

そして試合初日やけど、僕は上流に何か所かいいエリアを見つけていて、スタート地点からかなりのロングドライブが必要な距離だったので、朝一一気に上流まで走ろうと思っていた。

でも、いざスタートってときに気持ちが変わって、スタート地点から逆の下流側に走ることにした。それが前日の練習のときワイルドハンチ3ポンドを獲った場所。そっち側にしても結構走らないといけないので、そこを釣ってからさらに上流に走ったらガソリンが足りるか不安だったけどね。

でも、自分の直感を信じて走った結果、朝一の短い時間で3ポンドを含む4本のキーパーを獲ることができた。ルアーはすべてワイルドハンチ。その後上流まで走って数か所まわって、この日はキーパーを15本くらい釣ることができた。

それと、この日は昼から強烈なサンダーストームが来て20分ほど釣りを中断せざるを得なかったんやけど、でもそのおかげで通過後に俄然喰い出したというのもあるね。

午前中はジャークベイトでキーパーを獲ったり、クランクベイトでも掛かりが浅かったりしていたけど、サンダーストームの後はクランキングでガップリ喰ってくるようになった。で、初日は13ポンド弱で36位スタート。


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■ モリゾー流、春のクリアリザーバー・クランキングテクニック

この日メインのクランキングで使ったのはワイルドハンチ。カラーはテーブルロックのクリアな水質に合わせてブリーディングレッドクロー(#82)。それと、まわりと比べて少し濁った場所ではファイアークロー(#64)を投げていた。

ただ今回は、直感でチョイスしたんやけど、クリアなところで使うブリーディングレッドクローの方をラトルインワイルドハンチにした。クリアウォーター用にカラーはクリア系を選択しても、音を鳴らすというこの作戦が炸裂して、何本かキッカーを獲ったりましたわ。

ロッドはパワーグラスオセロット。パワーグラスは感度がいいから何をやっているのかわかりやすい。ガンターズビルのクラシックのときにも言ったけど、特にプリスポーンの魚は、ルアーの近くにいて喰おうとしているけど、なかなか喰いきらないということがある。そいつらの前アタリを知りたかったからオセロットを使った。

あとはキャスタビリティ。このロッドはロングキャストができるんで、フロロカーボン10lbという細めのラインを使ってさらに飛距離を稼いで、ワイルドハンチの通常の潜行深度よりさらに深く潜らせるという使い方をしていた。

水温が上がる前は特に、少しレンジが深目だったのと、あとはテーブルロックと言えばザリガニが有名なんやけど、そいつらを意識してボトムに当てて引いてきたかったしね。

まぁ、ボートを流しながら、岸と平行か斜めに引いてくるというリザーバーでは一般的なスタイルやったけど、春の低水温時に大事なのは決して速くは引かないこと。スロークランキングがキモやったね。巻くスピードは感覚的やからうまいこと言えへんけど、思っている以上にスローかな。でも、もしかしたら、僕は基本的に速く引くから、みんなが通常巻いてるくらいのスピードかもしれへんけどね(笑)

2日目、朝一は初日と同じく下流に走った。で、同じエリアでまたしてもワイルドハンチで3ポンドのキッカーをキャッチ。でもこの日は初日と違い、ここでは1本しか獲れなかった。そこからは上流勝負に・・・

そして、初日にもう1本のキッカーを獲っていた上流のコーブに入った。そこは50mほどの短いスポットなんやけど、そのストレッチが炸裂。この日も朝は寒かったけど、徐々に気温が上がってきて、水温も12℃くらいにまで上がった。それで、魚が一気に浮いてきた感じで、口を使いだしたね。たった50mのこのスポットで10本くらいキーパーを釣ることができた。全部ラトルインワイルドハンチですわ。


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■ 状況変化に合わせてクランクベイトの使い方をアジャスト

ただ釣り方が違って、そこでは輪切りで釣っていった。つまり、岸に対して直角に投げていた。この日は水温が上がったということもあって、クランクを岸から沖の深い側に引いてきて、それがボトムから離れて中層を泳いでくるときにズバーンと吸ってくるとデカイって感じやったね。

でも、ホンマに短いスポットなんでボートを止めて50cm刻みで投げていた。初日は同じスポットをやっていてもまだそこまで見えてなかったし、もっともっと新しいエリアを探したかったんで、ここ1か所で粘るわけにもいかなかったけど、この日はしっかりと釣り方をアジャストして完全に見えたという感じやったね。リミットも獲れたし、3ポンドオーバーのキッカーも入り、何回か入れ替えもできた。

これである程度のウエイトを持つことができたんで、もうこれ以上釣ると次の日の分も抜いてしまうと考えて、そこからさらに上流へ移動。で、2本入れ替えに成功。この日もワイルドハンチのクランキングでトータル16ポンドを持って帰ることができた。そして13位までジャンプアップ。

決勝進出の可能性も出てきんやけど・・・3日目はかなり厳しかったね。数は釣れるんやけどノンキーパーに悩まされた。実際3日間でノンキーパーも合わせたら100本近く釣っていると思うよ。ノンキ―と言っても35、6cmとかあんねんけどね。

まぁ、日に日に暖かくなって、小さい魚の方が活発に動き出したのか、自分が掛けたプレッシャーなのか、キーパーはこの日は6本で、1回入れ替えただけでしたわ。3日目は12ポンド弱でトータル40ポンドちょいで最終15位という結果に終わった。あと1本ナイスフィッシュが入っていれば、決勝に行けたという展開やったね。

途中からつかんでいただけに悔しい試合でしたね。13オンス差やからね、決勝進出まで。あと1本入れ替わっていれば・・・

でも、最初に言ったように、自分がどこまで上手くなっているか、強くなっているかを測る試合だったという点では、かなり進歩してるんちゃうかという手応えはあったかな。まぁ、このままの勢いで次の第4戦トレドベンドリザーバー戦に向けてがんばります!

■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-68M オセロット
ライン:フロロカーボン 10lb
ルアー:ワイルドハンチ
ルアー:ラトルインワイルドハンチ

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/


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