2011.11.04 (金)

清水盛三が語る ワイルドハンチ・シークレットテクニック

10/26にオンエアされた『The Hit』でワイルドハンチのカバークランキングが炸裂! 清水盛三が日吉ダムの立木群を攻め50cmオーバー×2 他をワイルドハンチでキャッチ。

「番組の構成上『本場アメリカ仕込みのカバー・クランキング』 と紹介されていたけど、あの程度ではカバークランキングとは言えないなぁ~ 実は他にもっと見てほしかった最大のテクニックがあったんやけど・・・」

今回は番組では触れられなかった、その最大のテクニックについて清水盛三が語ります。

■ カバークランキングで最も重要な事とは

約3年ぶりの日吉ダムだったんやけど、朝の気温が8℃、しかも激濁りでなかなか厳しかったけど、今回はワイルドハンチがやってくれましたね~ 最初は岩盤をメインで狙っていたんやけど、なかなかサイズが上がらなくて最終的にたどり着いたのが上流の立木群。そこで54cmと50cm、他にも数本、ワイルドハンチで狙い通りに釣れたね。

番組の 構成上「本場アメリカ仕込みのカバー・クランキング」と紹介されていたけど、あの程度ではカバークランキングとは言えないなぁ~ あの程度の立木群を釣る のは普通だし、アメリカではもっとややこしいところで釣りしているし、立木が何万本あるようなところも撃っている。

日吉ダムの立木群で
クランクベイトをリトリーブする清水盛三。
ワイルドハンチで50アップを2本搾り出した。

とは言え、日本ではなかなかそんなフィールドはないんで簡単にアドバイスすると、まずカバークランキングで一番重要なのは絶対的にキャスト。でも、自分の持っているキャスト技術を100%フルに使うためには、正しいタックルを選ぶ技術も必要。引っ掛かりにくくて投げやすいルアーを選び、投げやすいロッド、ライン、リールを選ぶ。それも重要。

ワイルドハンチは本当に引っ掛かりにくいし、自分が狙ったところに入れることができる。ラインはナイロンの17lbがメイン。フロロに比べて投げやすいしね。
ロッドはもちろんタクティクス・スーパーノヴァXT。柔軟なグラスティップのコンポジットロッドなんで、左右両方からのサイドキャスト、アンダーキャスト、ロールキャストなんかのティップだけ使った細かいキャストが、メチャクチャやりやすいね。


そして 正しいタックルが準備できたら、後はとにかくガンガン投げること。投げて投げて、そこを釣らなければ上手くならない。ミスをこわがっていてはダメ。で何か に当たったら基本どおり、リトリーブをほんの一瞬止めて浮かしてかわしたり、ロッドを立ててツンと弾いてかわす。正しいタックルでやると、枝に当たったの か幹に当たったのかもわかるようになるよ。


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■ 「本当のカラーローテーション」とは

でも、僕が本当に見て欲しかったのは、立木へのキャストやリトリーブの仕方なんかのテクニックではなく、実は別にあった。それは・・・

ワイルドハンチのカラーローテーション!

この立木エリアに入って、まず54cmをブラウンバックチャートで釣ったんやけど、次の50cmを釣ったカラーはマットホットタイガー。このマットホットタイガーに変えて釣った2本目の方が、狙い通りだったんでうれしかったね。

ワイルドハンチでこの日2本目の50アップ。
とあるカラーローテーション・テクニックを使って獲った
狙い通りの1本。

「本当のカラーローテーション」はどんなテクニックかと言うと、「1本釣った後に、その同じスポットで次の1本を搾り出すためのテクニック」なんやね。

アメリ カってフィールドが大きくて、魚がいるエリアいないエリアがはっきりしているんで、1本釣った場所から次の場所、また次、とは簡単に移動できないねん。だ から見つけたそのエリアで複数の魚を搾り出していかないといけない。そのために使うテクニックがカラーローテーション。
日本でも同じで、日本は逆にフィールドが狭いので、どうしても1箇所で粘らないといけないことも多いよね。だから、フィールドの状況は違うけど、日本のフィールドでこそカラーローテーションは本当に大事な絶対に必要なテクニックと言えるね。


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■ 最大のテクニック ――同系色で細かくカラーローテーション――

で、カラーローテーションといっても、この日はブラウンバックチャートマットホットタイガーブルーバックチャートとチャート系の似た色のなかでローテーションしていた。

実はそれが本当のキモやってん!

ガラッと色を変えるんじゃなくて同系色のなかで細かくやるローテーション、というのが僕が見て欲しかった最大のテクニック。

日本のみんなはワームなら「ラメの色を赤から青に変えたら釣れた」、とかこだわっているのに、ハードベイトはそこまでこだわっていない人が多いと思う。せいぜい「地味系→派手系」もしくは「チャート系→メタリック系→ナチュラル系」で終わり!という感じじゃないかな?

僕はバスの喰い方を見てローテーションの仕方を変えている。

この日 のロケでは、最初の50アップがフロントフックとリアフック両方にガッツリと喰ってきていたので、ルアーもカラーも合っていると考え、しばらくは同じカ ラーで通した。しかしバイトが続かない。狙っていた立木群はそんなに広いエリアではないし、何回か往復して同じところに何投もしたので、僕が掛けたプレッ シャーでバスはルアーに飽きてしまった状態だった。

そこでカラーチェンジしたんやけど、このときのようにフロントフックにガップリ喰ってきた後で喰わない場合は、ガラッと変えるんじゃなく似通った同系色のカラーでローテーションさせることが大事なんやね。



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■ 同系色カラーローテーション ――Basserオールスタークラシックでも――

2年前のBasserオールスタークラシックの最終日、ラスト1時間までノーフィッシュで、そこから1スポットで5本を搾り出してリミットメイク~3位入賞したときもいっしょ。『Burning Heart』(釣りビジョン)の記念すべき第1回放送で、見てくれた人はちょっと思い出してみてほしいなぁ。

あのときはワイルドハンチのフラッシュチャートで1スポットで3本キャッチした後、ちょっとアタリが止まった。でも、3本も反応していたし喰い方も悪くなかったんで、セオリーどおり同じフラッシング系のフラッシュクラウンにチェンジ。

その1投目で狙い通りの4本目! 今まで同じコースを何回も通していたのにカラーを変えた直後の1投目ですよ! そのままの勢いで5本目もキャッチ。メチャクチャ興奮したな~



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■ モリゾー流・カラーローテーション ――ナチュラル系の場合――

他にも、例えばアユで1本釣れた後は、ブリーディングホワイトクローナチュラルシャッドというナチュラル(パール)系でのローテーションもよくするね。いずれにしても、思い切り喰っているときのローテーションは同系色で微調整していくのがキモ!

それとは逆に、釣れた魚がリアフック1本の浅掛かりなんてときは、ガラッと思い切り変える。例えばナチュラル系のアユで喰いが浅かったときは、シークレットライムや、モリゾーピンク、あるいはブリーディングクロームブルーなんかの違う系統の色に変えていくパターンが考えられるね。

だから僕のつくるルアーにはこれだけのカラーがあんねん。似通ったカラーも結構あるしね。絶対にカラーは似た色も合わせてたくさん持っておかないとダメ、ほんまに!

ワイルドハンチ用のボックス。
「最低でもこれぐらいは必要やね!」と清水。

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■ ワイルドハンチ、さらなる使い分け

でもう1つ、ハンチで言えばラトルインワイルドハンチとの使い分けもある。音の有無も、もう1本搾り出すためにはキーになる。

このときの日吉ダムはメチャクチャ濁っていたんで、本来はラトルが効く状況だった。実際、ラトルインのブルーバックチャートでもサイズは小さいものの何本か釣っていた。

なので、この日最大のヒットカラーであるマットホットタイガーブラウンバックチャートのラトルインにチェンジしようとしたんだけど・・・

実はロ ケの裏話として、不覚にもラトルインのマットホットタイガーをタックルボックスに入れ忘れていた!(笑) ブラウンバックチャートはもともと製品カラーラ インナップに入れてなかったし!(笑) その色があればもう1本拾えていたかもしれないのにね~ それが今回の僕の敗因です(笑)

ワイルドハンチ以外でも1種類のハードベイトで
多くのカラーをそろえるのがモリゾー流。

とにかく、1匹釣れたからといってずっと同じことをやるんじゃなくて、1匹釣れた後も次を試すことが大事。ダメなら元に戻せばよいし、もっと釣れるカラーがあるかもしれないんで、今回の話しを参考に同系色のカラーローテーションも試してみてくださいね。

■タックルデータ
ロッド:
タクティクス TCSC-70MLG スーパーノヴァXT
ライン:ナイロン 17lb
ルアー:ワイルドハンチ

■関連サイト
SUN-TV『The Hit』
釣りビジョン『Burning Heart』


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