2018.05.14 (月)

清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第2戦&第3戦 対プリスポーン 春のローランドリザーバー2連戦

2018年4月26日~29日オクラホマ州グランドレイク戦、5月4日~7日テネシー州ケンタッキーレイク戦と2週連続で開催されたバスマスターエリートシリーズ。

プリスポーンバスをターゲットに得意のローランドリザーバーで繰り広げられた戦いを清水盛三が振り返ります。

ジャックハンマーで怒涛の連発劇も……プリスポーン狙いでシャローを巻き続けたグランドレイク戦

4月前半に予定されていたサビーンリバーでの第2戦が洪水のため延期、6月に開催されることになり、グランドレイクでの試合が今季2戦目となった。

予定外の延期にリズムを狂わされたが、グランドレイクはカバーやボートドックも多いローランドリザーバーで、過去に参戦した試合でも良い成績を残している自分にとっては良いイメージがあるレイクだった。

この地域で4月下旬と言えばタイミング的にはスポーン~ポストスポーンだが、この春は気温が上がらずずっと寒い状態が続いていた。ボートを浮かべてみると、やはり水温は12~13度台と低く、例年と比べて季節の進行が遅く、プリスポーンの魚が多いであろうと考えた。

そこで、プラクティスでは狙いをコーブ(湾)に絞り、ステージングエリアからシャローにさしてくるビッグフィッシュを探していくことにした。メインに据えたルアーは、水温が低いこの時期にはめっぽう強いフラットフォース。あとは、シャロー狙いということでジャックハンマー。そして、抑えのドロップショット。

これらをまわしながら水深2mまでの浅めの場所を釣っていった。しかし、プライベートフィッシングと違い思い通りにはいかないのがトーナメント。最大で4ポンドクラスまでは釣ることができたものの、さすがにエリート選手達の目の付け所は似ていて、ココという場所にはなかなか入れなかったり、みんなが同じエリアを叩いたりするので、けっこうタフな印象を受けた。

念のため、すこし深めの岩盤なんかもチェックしてみたがパッとせず。やはりコーブ内で勝負するしかないという感じだったが、みんなと同じことをやっても上にはいけない。そこで、ボートドックのような目立つものはメインにせず、地味なブレイクなどを中心にエリアを選定。他の選手とバッティングしにくそうな場所を選んだつもりだったが……

試合当日。朝一は1時間半ほどで4本、モーニングバイトをとって次のエリアに移動。1本追加してリミットメイク。さらに入れ替え。フラットフォース、ジャックハンマー、ドロップショットで攻めて、午前中の早い時間にウエイト的にはまだまだだったが、ライブウェルには5本入っていた。

あとは4ポンドクラスを2~3本追加できればと、午後からはサイズアップを狙い新たなエリアを探していく展開に。気になっていたエリアを何カ所かまわっていくと、1箇所魚が固まっているエリアを発見。ジャックハンマーで怒涛の連発。10本ほど釣ることができた。

入れ替えながら少しずつウエイトアップ。しかし、ビッグサイズが入らず……結果、13ポンド9オンスで80位。とはいえ、オンス単位で順位が変わる混戦だったので、まだまだ挽回は可能なウエイトではあった。リミットメイクは比較的イージーなので、あとは最低2本4ポンドクラスが入れば一気にジャンプアップできる。

実は、ジャックハンマーで連発したエリアで釣りをしていたとき、この日20ポンド以上釣って11位につけたジョーダンリーが同じコーブ内に入ってきた。彼がどんな釣り方をしていたかはわからないが、最終的に決勝に進出した彼が釣っていたことからも、ポテンシャルがあるエリアだったことは間違いない。あとは釣るだけ、と2日目を迎えた。

朝一はそのジャックハンマーで連発した場所に。そして狙いは的中。ジャックハンマーで3ポンド半のナイスフィッシュをキャッチし幸先の良いスタートを切った。

しかし一方、あとから試合を振り返るとわかることだが、初日、2日目とあまりの釣れ方に、ジャックハンマーにこだわりすぎてしまうという罠に陥っていた。トーナメントで結果を出すためには、ルアーや釣り方にコンフィデンスを持ちながらも、状況を見ながら柔軟に判断する必要があるのだが……

その後、このエリアでジャックハンマーにかなりの時間を費やしたが、魚を追加できなかったため、このコーブを一旦離れることを決断。気になるエリアを何箇所かまわってみた。

しかし、イマイチパッとしない。そこで、再びこのコーブに入り直すことにした。そして到着してみると……対岸にこの試合で優勝したケビンバンダムがいた。このエリアでは初日に続いてのバッティング。しかも上位入賞者や優勝者と……

当然この時は彼がどんな釣りをしているのかはわからなかったが、僕の方は再びジャックハンマーで流していった。しかし……

試合後に知ったことだが、ケビンバンダムは通常20lbクラスのラインを使うシャロークランクベイトに12lbという細めのラインを使って、若干深めのレンジを釣っていた。さらに、シャロークランクで速いペースで流しながら釣るのではなく、同じスポットをトレースコースを変えながら何度も通すような釣り方をしていたようだ。

僕の釣り方は逆で、できるだけ多くのエリアをカバーしようと次から次へとキャストをしながら流していくものだった。

しかも、ジャックハンマーで速いペースで流せば当然ルアーは浮き上がり、シャロークランクよりも上のレンジを釣ることになる。もちろんそれが悪いという意味ではないが、この試合に関していえば、初日と1本目の魚も深いところから突き上げてきて喰っている感じだったので、冷静な判断ができていれば、ジャックハンマーだけに頼らずにフラットフォースで1つ深いレンジを釣るという選択肢もあったはず。

ここ2年ほど悩まされている、頭と体が噛み合わないチグハグな面がまたしても出てしまった。その後、ドロップショットで何とか2本獲って終了。この日は結局リミットを取れず、最終94位という不甲斐ない成績で終わってしまった。


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ディープクランクでビッグフィッシュ連発も……テキサスリグのカバー撃ちで勝負したケンタッキーレイク戦

第3戦はテネシー州のローランドリザーバー、ケンタッキーレイク。このレイクでの試合は何度も経験しているけど、優勝したこともあるし、予選を通過できなかったのは今まで1回だけという得意なレイク。

ただ、リザーバーとしてはアメリカ最大規模の広大さで、さらに隣のレイクバークレーもトーナメントエリアなので、その規模は超ウルトラ広大。見つけられないと何も釣れないという難しさもある。プラクティスでは毎日150リッター、3日間で450リッターのガソリンを焚いた。それでもとても全域を見ることは不可能なほど広大。

状況的には増水、水温は16度前後で、日中の気温が28度まで上がった日もあったので、スポーニングに絡むことは容易に予測できた。しかし、南北に長いレイクなので、プリからポストまでが混在し、それが狙いを絞りにくくしていた。

僕のプランは、上流のブッシュ等のシャローカバー撃ちと中下流のオフショアのステージングフィッシュ狙い。プラクティスではシャローカバー撃ちで15ポンド程度は釣れたし、ステージングエリアではディープクランクで4ポンドが3連発。まだまだ魚の気配もあったので、朝一はディープクランクでモーニングバイトを狙い、そこから上流に走りカバー撃ちという戦略を組んでいた。

試合初日、最終フライトからのスタート。順調に狙いのエリアに入れるのかと若干の不安もあるなか到着してみると……まさに僕が狙いたい場所にエサ釣りの人のボートが浮かんでいた。しかたがないので、邪魔をしない範囲を1時間半ほど釣ってみたがバイトもなく、ボートも全く動く気配がないので移動を決断。

モーニングバイトが期待できるエリアだっただけに……1本も持っていない状態でカバー撃ちにシフトするという厳しいスタートとなってしまった。さらに、この日は20cmほど減水。この20cmという差はシャローの魚にとってはとても大きな差になる。シャローに残る魚の数や入って来る魚が減ることは明らかな状況だった。

それでも信じてやるしかないと覚悟を決めて最後までやり切ることに。そして、テキサスリグをブッシュに撃ち続けること数時間……3ポンド半、3ポンドと2本のナイスフィッシュを獲ることができた。

しかし、もう1本、普通のキーパーサイズを獲っただけで終了。やはり魚が少ない。結局7ポンド11オンスと最悪のスタート。2日目は20ポンド持って帰るしか準決勝に行く道はないという展開だった。それでも、2日目朝一に狙いの場所に入れれば十分チャンスはあったのだが……

ところが、朝一狙いのエリアに到着してみると、この日も同じ場所にエサ釣りのボートが浮かんでいた。まわりを釣ってみたものの2ポンドクラスをバラしただけ。エサ釣りの人が2日間同じところに陣取っているということは、それだけベイトフィッシュがいるということ。なので、バスにとっても良い場所であることは間違いない。

しばらく様子を見ていたが、この日も動く気配がなかったのでこの場所をあきらめて上流に走ることにした。そして、シャローカバーをテキサスリグで撃ち続けて……4ポンドオーバーが来たが痛恨のバラシ。

その後、同サイズ4ポンドのビッグフィッシュをキャッチしたまでは良かったが、続けざまに3ポンドクラスを2本バラシてしまった。いくらややこしいカバーを撃っているからと言って、あまりの噛み合わなさにさすがにうたれたが、やり切るしかないと撃ち続け、キーパーサイズを1本追加。そしてついに4ポンドのビッグフィッシュを1本追加。

しかし、そこで時間切れ。ビッグフィッシュがいるエリアで釣りはできているはずだが、朝一のエサ釣りとのバッティングからか、自分ではそのつもりはなくても、焦りから釣りが微妙に雑になっていたんだと思う。すべて獲っていれば20ポンド近いウエイトを出せていたのだが、でもこれが現実。

惜しい試合だったとは思うが、この結果にはなるべくしてなっている。この2試合を振り返ると、結果が出ないことからくるコンフィデンスの欠如が焦りを生み、釣りが速く雑になっていたと思う。でも、バスフィッシングで最も重要なことと言えるエリア選択は間違っていない。

優勝や上位入賞者と同じエリアを見つけることができているのだから、あとは丁寧に釣り込むことを心がければ必ず結果につながると信じでやるしかない。釣れない時間があっても慌てることなくコンフィデンスを持って淡々と自分の釣りをやり切ること。まだまだこれから!あきらめずにやり切ります!

バスマスターエリートシリーズ第4戦は5月17日~20日にテキサス州レイクトラビスで開催。清水盛三のアメリカツアー挑戦は続く……

バスマスターエリートシリーズ第4戦 公式ページはコチラ

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タックルデータ

■第2戦タックルデータ
[ロッド]ヘラクレス HCSC-73HG レパード
[ライン]フロロカーボン 18lb
[ルアー]ジャックハンマー 1/2oz

[ロッド]ヘラクレス HCSC-611MHG サーバル
[ライン]フロロカーボン 12lb
[ルアー]フラットフォース

[ロッド]ヘラクレス HCSS-611M パワーシェーカー611M
[ライン]フロロカーボン 7lb
[ルアー]ドロップショットリグ

■第3戦タックルデータ
[ロッド]ヘラクレス HCSC-73HG レパード
[ライン]フロロカーボン 12lb
[ルアー]ディープクランクベイト

[ロッド]シナジー CSYC-77H スーパーマグナム
[ライン]PE 65lb
[ルアー]テキサスリグ
[シンカー] E.G.タングステンバレットシンカー 7g

■清水盛三メディア
・公式サイト:No Limit Morizo World
・公式ブログ:I HAVE NO LIMIT
・公式Facebook:清水盛三Official Facebookページ
・公式Instagram:清水盛三Official Instagramページ

■関連サイト
B.A.S.S. Bassmaster


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