2022.09.22 (木)

小林知寛 JBトップ50 第4戦 優勝 超シャローのエビパターン・トップウォーター戦略で挑んだ霞ケ浦

9/9~11に茨城県・霞ヶ浦で開催されたJBトップ50 第4戦でエバーグリーンプロスタッフ小林知寛が優勝。

メインの戦略は「超シャローのエビ喰いバスを狙ったトップウォーターゲーム」という小林プロに、試合の模様を語ってもらいました。


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【プラクティス】水深20cmの激浅エリアに進入、1日10本以上の釣果も

プラクティスの手応えは、まずまず良い感じでした。自分の好きなトップウォーターをメインに組んだパワーゲームで、少なくても1日5~6バイト、良いスポットに入れば、2時間で10本なんてこともありました。

狙っていたのは、シャローのエビ喰いバス。チェックした水深は20cm程度の激シャロー。深くても30cmまで。そんなエンジンでは入れない場所を見るために、プリプラで4日掛けてエレキで霞ヶ浦本湖を1周しました。

岸際のアシやブッシュ、石積の周りに沈んでいる薄っすら見える石をシャワーブローズワンズバグで手早く探っていったのですが、スローな釣りでは広大な霞ケ浦をチェックしきれないですし、ある程度速い動きのルアーについてくることができるコンディションの良いバスを探すための選択でした。また、トップウォーターなら、喰う時の勢いを見れば、そのエリアの魚の状態(活性)も判断できます。

結果、霞ケ浦全域に10カ所ほど良さそうな場所を見つけることができました。大雑把に言うと、西岸でマークしたスポットはキーパー場が多く、東岸はデカいサイズが獲れる場所という印象でした。

試合では、風向きによってそれらの場所を使い分けようと考えていましたが、3日とも北東~東の風がかなり吹いたので、西岸は使えませんでした。それでも3日間、東岸だけでも毎日70~100リッターはガソリンを焚きましたね。シャローのバスは動きが激しく、バスと巡り合う確率を高めるために、東岸のスポットを走りまわっていたからです。


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【DAY1】ワンズバグを操り、逃げるエビを演出~3位スタート

試合初日は、予定通り東岸、風裏のスポットからスタート。

ワンズバグを岸際のアシやブッシュギリギリにキャストして、ロッドを3~4回素早く細かくピッピッピッと動かしてステイ。このアクションで、エビが逃げる様子を演出します。

すると狙い通り、ファーストポイントに入り数キャスト目で、エビ喰いのキロアップが出ました。ワンズバグのカラーはモリゾーピンクでした。

■小林流 ワンズバグ・カラーセレクト
僕の場合、ワンズバグでメインに使うカラーが、このモリゾーピンクとバグなんですが、モリゾーピンクは膨張色でシルエットがはっきりせずボワっと丸みを帯びた感じ、バグは黒っぽいのでシルエットをはっきりと見せる感じと、対照的な2色を使い分けています。
ここではモリゾーピンクでしたが、基本アシやブッシュの陰を狙っていたので、薄暗い中でもボワっと膨脹するような色が効いたんだと思います。
バグが効くのは、例えば水深があるエリアで、バスを喰い上げさせたい時。バスが下から見上げた時に、シルエットがはっきりするのが良いですね。

1本獲った直後に、もう1回ワンズバグに出ましたが、残念ながら乗らず。

でも、試合はまだ3日あるので、ここは深追いしません。太陽が低い位置にある朝の時間帯、東岸はアシやブッシュの陰ができるため、まだ陰があるうちに、他の東岸スポットをまわりたいというのもあり、次の場所へと移動することに。

しかし、何箇所かまわっても反応がありません。そこで少しだけ作戦を変更して、イナッコや淡水サヨリを喰っているバスを狙えるスポットも持っていたので行ってみました。

ここのバスは風がザブザブ当たっている方が口を使うのですが、この日の風向きではベタっとしすぎ。しかも晴れ上がっていたので、スローに横に引けるトップ系のビッグクランクをゆっくり巻いてくると、すぐにヒット。これもキロフィッシュでした。

その後は続かず、やはりメインのシャローのエビ喰いバスを狙いに行くことに。

走りまわりながらも、12時頃にワンズバグでキロフィッシュを追加。太陽が真上にある状態だったので、ワンズバグをオーバーハングぎみのブッシュの下のシェードにねじ込んで釣った快心の1本でした。

■小林流 ワンズバグ用ロッドセレクト
このように、シャローのエビ喰い狙いのワンズバグの釣りで絶対的に重要なのが、キャスト精度です。なので、ロッド選択が重要になりますが、僕はオライオン・デジェル67MLを使用しています。

オライオンシリーズはしなり戻りのパワーがあるので、今までよりワンランク柔らかい番手を選んでも、確実にバスを獲ることができます。
ワンランク柔らかいロッドを選べるということは、キャスト時にロッドがよりしなってくれるということ。だから、ロッドにルアーのウエイトを乗せてキャストできるので、抜群に投げやすくなり、キャスト精度が上がるというわけです。

結局、初日は3本でしたが3492g。3位という好位置につけることができました。


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【DAY2】ワンズバグでビッグフィッシュに水面を割らせるも……無念のゼロ申告  

2日目も朝一は初日と同じプランでスタート。

そして、ワンズバグの数投目に喰ってきましたがミスバイト。フォローでノーシンカーワームを入れると、ラインが走ったのでアワセを入れますが、スッポ抜け。その後も少し粘ってみましたが、ノーバイト。

そこで、次のスポットに移動。3~4カ所目のスポットで、ワンズバグに1,500gクラスのビッグバスがもんどりうって出たんですが……すぐにフックオフ。狙いは合っていると感じるものの、この日は喰いも浅いうえに、バスとのタイミングが合わず。

その後も走りまわりましたが、何も起こらず終了。ただ、ゼロ申告ながら、ローウエイトの試合となったため、順位は落としましたが予選を通過することができました。

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【DAY3】自分のスタイルを貫き、パワーゲームで掴んだ勝利

3日目、決勝の朝も同じ場所から釣り開始。

すぐにワンズバグから少し離れたところで、水面がモワッなる反応があったので、すかさずフォローのワームを入れるとラインが走り……前日はスッポ抜けてしまったので、この日は慎重にだいぶ待ってからアワセを入れると、がっちりフッキング。サイズこそ500g程度の魚でしたが、この1本で気持ちが少し楽になりました。

そこからは、またまた走りまわります。

そして、ボート1台分のスペースしかないポケット状のプールにエレキで進入して行きます。そのプールのブッシュ際にワンズバグをキャスト、エビが逃げるように数回アクションさせた後、ポーズを入れ……700gクラスをキャッチ。

さらにワンズバグを数投しましたが、バイトがなかったので、またまた走りまわることに。しかし、釣れず。12時をまわり残り時間も少なくなってきたので、再度2本目を獲ったプールに入り直すことにしました。

そして、新しいバスが入っていることを期待して、ブッシュの際にワンズバグを投げますが、出ません。何か感じるものがあったのか、それでも移動せずに、そのブッシュの最奥にバックスライドを滑り込ませてみると……スーパーキッカーとなる2,340gのビッグバスが喰ってきました。

あと2本。この魚をライブウェルに入れ、すぐに釣りを再開します。ここで、何気なく岸際に目をやると一瞬だけ、かなりのスピードで泳ぐ魚の影が。そこですかさず、魚の進行方向前方にバックスライドワームをキャストするとバイト。それがキロフィッシュでした。

優勝するには、もう1本キロオーバーを獲らないと厳しいと考えていたので、帰着は13時でしたが、ギリギリの12時55分まで走りまわりました。しかし追加できず、結局4本でウェイイン。4,295g。

でもこれが、最終日のぶっちぎりのトップウエイトで、3日間トータルで7キロを超え、優勝することができました。

また、この日の2キロオーバーで大会ビッグフィッシュ賞を獲得することもできました。自分のスタイルを貫き通し、パワーゲームで優勝することができたのがうれしいですね。

釣れない時間があっても信じてやりきらないと結果が出せないものですが、自分の好きな釣りなので楽しんでできたのが勝因かもしれません。

例年の霞ヶ浦水系では、9月に入り朝晩の気温が下がり始めると、沖のベイト喰いに移行することが多かったのですが、今年はシャローのエビ喰いバスが多く、このパターンが続いている気がします。

まだまだ、チャンスはあると思いますので、霞ケ浦釣行の際は、エビ喰いバス狙い、ぜひ楽しんでください!

■タックルデータ
[ロッド]オライオン OCSC-67ML デジェル
[ライン]バスザイル・フレックスハードHD 12lb
[ルアー]ワンズバグ

[ロッド]オライオン OCSC-69MH ムーンゲイザー
[ライン]バスザイル・マジックハードR 14lb
[ルアー]トップウォータークランク

[ロッド]オライオン OCSC-69H スターゲイザー
[ライン]バスザイル・マジックハードR 16lb
[ルアー]バックスライドワーム

[ロッド]オライオン OCSS-65ML ブラックガーディアン
[ライン]PE1号
[リーダー]バスザイル・マジックハードR 12lb
[ルアー]シャッドテールワーム(ノーシンカーリグ)

■関連サイト:JB日本バスプロ協会・NBC日本バスクラブ公式サイト

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