2011.09.13 (火)

中野大輔が語る、ストリームデーモンのこだわり

エバーグリーンプロスタッフの中野大輔より、自身がこだわり抜いたストリームデーモンでの釣果が届きました。メインフィールドである最上川で今季一号目の90アップ!!今回はその時の様子と使用法について解説します。

■ 濁り&増水の中、一発目の魚が80アップ

今年ほど5月~6月に釣りにならなかった年は記憶にない。5月の下旬に最上川の支流の一級河川で山が一つ崩落。粘土層の土が最上川に流れ込み、水色が灰色にピンクを混ぜたような色になり、それが渇水したことで水色が落ち着き始めたころに集中豪雨が2度も氾濫注意報や床上浸水、内陸部では堤防が決壊するなどあり得んこと続きに。10年以上最上川で釣りをしてきたが、こんなことになったのは初めてであった。

この濁り&増水の影響で6月の11日から今年のシーバスを始めた。正直、シーバスどころか魚がおるのかという疑問もありながら、いろいろ回ってみるが皆無であった。それでも足しげく釣行を続けた。この時の最上川全体の状況は、河口ならセイゴ、フッコクラスに混じって70、80がちょこちょこ釣れている状態であった。ただ自分は数釣りをするタイプではないので下流域には下らず、中流域で魚が上がってくるのを待っていた。
そんなこんなで、6月の中旬に一発目の魚がでた。一発目で80アップ。ルアーは今年デビューのストリームデーモン

ここ数年、こんなに遅くに一発目の80アップを釣ったことは記憶にない。状況が状況だけに仕方ないが、それだけに喜びも大きく、よく泥濁りの中ここまで遡上してきたなぁと感動さえ覚えた。しかし、直後にまた集中豪雨になり、また振り出しに・・・。その後7月になり水量が落ち着き始めると、中流域でも80アップを含め徐々に釣果があがりだし、良い状態になっていった。


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■ 悪条件を払拭するような今季一号目の90アップ

そんな7月のある日である。その時の最上川の状況は、減水気味で水質は今年見た中では一番クリア。いつもの年だと、減水&クリアそして高水温ときたら、デカイやつが動かない要素だらけである。

が今年は違う。今回はデカイ魚が動く予感がした。理由は、泥濁りが続く中、今シーズン初めてのクリアな水質であったこと、豪雨の影響で水温が若干低めであったこと。後は、自分の経験上、一番デカイ魚が釣れる潮回りであったこと。

釣りをした場所は去年まではありえない場所だったが、豪雨の影響で水位が変わり、今年はいけると睨んでいた激流にある反転流である。反転流はいろんな所にできるが、大型が付きやすい所は少なく、ルアーをトレースするコース、リトリーブスピード、水への馴染ませ方が攻略のカギになってくる。
要点を押さえて攻めなければ、反応しない魚が確実にいる。結んだルアーはもちろんストリームデーモン。カラーはチャートヘッドクリアー。去年くらいからクリアウォーターの河川で良い釣果を出しているカラーである。
キャスト、リトリーブ、反転流に馴染ませながらピンに流し込む。
糸がトゥン!!歯切れがいい吸い込みのバイト。
「おったな。」じゃなく、「すったな。」

走らせたら終わるポイントのためパワーでゴリ巻き。上がってきたのは今季一号目の90アップ。少しやせ気味ではあったが、感謝と感動でリリース。今年は一匹一匹に今まで以上の思いがある。そんな今年のスタートであった。


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■ 浮力×ヘッド形状でランカー好みの柔らかいアクションを生み出す

まずこだわったのは、「柔らかいウォブルロール」という泳ぎの質。この動きは、浮力とヘッドの形状からくるもので、浮力は動きを柔らかくする重要なファクターであり、ヘッド形状は上段、下段で違う役割を担っている。

下段のワイドに開いた形状でしっかり水を掴み、上段で適度に水を逃すことで一般的なリップレスにはないウォブルロールアクションを実現。この浮力×ヘッド形状からくる、柔らかいウォブルロールアクションがランカーシーバスに効いているのは間違いない。


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■ 水に馴染ませることでルアーのポテンシャルを引き出す

自分の基本的な使用法は、まず上流側にアップクロスにキャストし、シーバスが定位しやすい反転流や流れのヨレにルアーを流し込むというもの。
リトリーブが遅くてルアーが浮いてしまってもダメだし、速すぎても暴れて使いにくい物になる。柔らかいアクションを損なわないように、ラインテンションを程よく掛けた状態でリトリーブすることを心掛けてほしい。

このラインのテンションをキープした状態でリトリーブすると、ストリームデーモンは30~40cmのレンジを泳いでくるように設定されている。この水深が、実はランカーシーバスが好む実績の高い水深であり、自分はこの状態をルアーが「水に馴染んだ状態」と表現している。

※止水域(海水)で撮影しているため、流水域での使用法とは異なります。
また、淡水域での使用よりも浅いレンジを潜行しています。

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■ ピンポイントで効果的なスライドアクション

流れの変化でバランスを崩すリップレスミノーはたくさん販売されているが、単なる流速の違いによる小さなヨレでフリーズやスライドしてしまうものが多く、特にクリアウォーターの場合、デカいシーバスに見切られてしまう。その点、デーモンはボディに対してウエイトのバランスが良く、しっかり水をつかむヘッド形状のため、流れが大きく変わる瞬間にだけスライドし、戻りも早いのでシーバスに見切られにくいのが特徴である。

反転流を伴うような大きな流れの変化では、モワっと鏡状になった流れのヨレが発生している。この大きな流れのヨレにルアーを通す時、そのヨレに入る瞬間と出る瞬間にバイトが集中する。ヨレに入った瞬間に食わない場合はリトリーブスピードを落としてやることがキモとなる。
流れのヨレに入るとルアーに対する流れの方向や速度が変化するので、入る前のスピードで巻き続けるとルアーが潜りすぎてシーバスに見切られてしまう。なるべくレンジを維持して、出る瞬間にバイトに持ち込めればデカいシーバスに出会えるチャンスが増えるのだ。

ここで解説した使用法は基本的なことであり、人それぞれいろいろな使い方ができると思うので自由な発想で使っていただきたい。ただ、海水域で使われる際は、浮力が上がるのでフックサイズを2番に変更することをお勧めする。そうすることで、レンジとアクションがあまり変わらず使用することが出来る。
それと、買ってくれた人からデカイなぁと言われるが、実績が伴ってくるとデカく感じなくなり、普通のミノーに見えてくる。是非ストリームデーモンでランカーシーバスを仕留め、この感覚を味わってほしい。


■タックルデータ
ロッド:カレイド TKLC-71MHX スーパースタリオン
ライン:フロロカーボンライン 16lb
ルアー:ストリームデーモン

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