2018.07.04 (水)

山田英樹 小場所に潜む大型シーバスを確実に仕留める強力な武器 クロースコンバット78を解説

こんにちは。エバーグリーン・シーバスプロスタッフの山田英樹です。

今回は、いよいよラインナップに追加された新機種、アバンギャルド・クロースコンバット78について解説します。

ややこしい小場所で大型シーバスを確実に仕留めるためのヘビーショートシーバスロッド

まずこのロッドは、主に河川の上流部や小規模河川の河口部など、川幅が5~20mと狭いいわゆる小場所、それも、転石やカキ瀬、もしくはテトラポッド等の人工障害物が多い「ややこしい小場所」で、90cmオーバーの大型シーバスを確実に仕留めるためのスピニングロッドです。

ややこしい小場所には、地域を問わず大型シーバスが潜んでいます。が、魚との距離が近い分非常にプレッシャーがかかりやすいためより繊細なアプローチが求められるということと、掛けた後も一気に引き寄せなければ巻かれたり流れに乗られたりでラインブレイクしてしまうため、普通のロッドでは仕留めるのが難しいという問題がありました。

もちろん、すでに完成済みであるエバーグリーンプロスタッフ中野大輔のベイトロッド、グランフューリー73グランソード710はそういった釣りに最適ですが、大輔とその仲間である各地のエキスパート達と「実際スピニング派も沢山いるわけだし、小場所用のスピニングロッドも必要だよね。」という話になり、開発をスタートしたのがクロースコンバット78です。

北は秋田、南は熊本、そして私のホーム静岡と、各地でテスト。小場所に潜む大型シーバスを相手に長期にわたって実戦を繰り返し、ようやく完成。

レングスは、小場所でも振りやすく、正確にピンポイント撃ちを行いやすい7フィート8インチ。小場所での大型シーバス狙いにおいては必須である、より繊細なアプローチが可能です。

ブランクは、大型シーバスを一気に引き寄せる強靭なパワーを持ち、それでいて、硬さはありますがガチガチではなく、暴れる魚の動きに対しての追従性も兼ね備えさせることにこだわりました。

強靭でもただガチガチなロッドでは、ファイト時にフックアウトやラインブレイクを起こす確率が増加してしまいます。大型シーバスを確実に仕留めるためには、この強靭なパワーと追従性の両立が不可欠です。

また、細かいアクションに関しては、ブランクを「ティップ→第1ベリー→第2ベリー→バット」の4つのセクションに分けて考え、「本気の突っ込みに耐えるバット」「魚をコントロールし素早く浮かせる第2ベリー」「確実にフックを刺し込む第1ベリー」「首振りに追従しバラシを軽減するティップ」と、各セクション役割に応じた最適な硬さを持たせ、なおかつそれらがスムーズに連動し追従性を阻害しないことを絶対条件とし、実現のため試作とテストを繰り返しました。

結果、すでに完成済みのグランフューリー73グランソード710開発時のノウハウも十分に活かしつつ、シーバススピニングロッドでは珍しい1ピースブランク(グリップジョイント)を採用することで、求めた理想のアクションを実現することに成功。ややこしい小場所を釣るためのスピニングロッドとしてはこれ以上ないロッドが完成しました。

その他としては、各セクションがスムーズに連動することで力がロスなく伝達するため、この長さのクラスのシーバスロッドでは飛距離が圧倒的です。小場所を前提としていたため飛距離はあまり気にせず開発したのですが、嬉しい誤算? 20~60gのルアーなら、ラインが切れたと勘違いするぐらいぶっ飛びます (笑)

さらに、こちらもあまり気にせず開発した点ではあるのですが、その強靭さ、バットの太さからは想像が付かないほど軽く(標準自重158g)仕上がっています! そのため、長時間の釣りでも身体に負担が少なく、軽快に使い続けることができますよ。

なお、同じ大型シーバス用ロッドであり大場所での使用を想定したモデルであるパスブレーカー93と比較すると、ショートレングスであることを考慮し全体的に少しマイルドに仕上げました。

▼ZAGS-78 クロースコンバット
▲ZAGS-93 パスブレイカー

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ストリームデーモンシリーズとベストマッチ! さらにその他幅広いウェイトのルアーも使用可能

このロッドで扱うのに適したルアーは、まずストリームデーモンストリームデーモン140ストリームデーモン180や、ストリームシーカーストリームローグ等のビッグミノー。これらを扱うことを大前提に開発をしたので、当然ながらべストマッチです。



また、それ以外にも下はジャスティーン等の小型トップウォータープラグ、上はティンバーフラッシュ等のビッグベイトまでキャスト可能。スピニングロッドということもあり、その気になればかなり幅広いウェイトのルアーを扱えるロッドですよ。

ちなみに、テストでは大型シーバスの他にも、ライギョを狙ったり、オフショアキャスティングでシイラやカツオを狙ったり、はたまた、磯から青物やヒラスズキを狙ったりと、やたらに使い倒しました。

で、分かったのが、このロッドは本来小場所の大型シーバスを確実に仕留めるために開発されたロッドではありますが、それだけではもったいないくらい様々な釣りに対応する楽しいロッドでもあるということ。特に、ライトなオフショアキャスティングには絶品でした。

また、同じエバーグリーンプロスタッフで横浜でボートシーバスガイドをやっている数野君によると、ビッグベイトを用いたボートシーバスにもベストマッチするであろうとのこと。ボートシーバス=ベイトタックルと連想する方もおられるかもしれませんが、スピニングタックルの飛距離とトラブルレスは強力な武器になること間違いなしです。

いよいよ登場したクロースコンバット78! ぜひ、手にしてくださいね。

■タックルデータ
[ロッド]アバンギャルド ZAGS-78 クロースコンバット78
[ライン]PE1.5~2号
[リーダー]フロロカーボン25~35lb

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