清水盛三が語る 最強コンビ、ジータ&パワーグラス 後編
秋の巻き物シーズンだけではなく、低水温期にも強いのがジータの特徴で、冬場や他の釣りで釣れないときほど釣れるルアーと言えるかなぁ。なぜなら、冬といえばスロー、ディープ、そしてリアクション。それらすべての条件を満たしているジータの出番は必然的に多くなるからね。
そして、ジータの能力を最大限発揮させようと思えば絶対にロッドはパワーグラス・シリーズ。特にサーバルとの組み合わせは最強コンビやね。(前編より)
■ パワーが必要なもう一つの理由
ジータには幅広い対応力があるんで、ロッドを選ばないところもあるけど、僕がジータをテストするのに同時にテストしながらずっと使ってきたのがサーバルなんで、このロッドで100%能力を発揮するような設定に自然となっているよ。
ただ、グラス(コンポジット)ロッドと言うと、特殊で使用範囲が狭いから持っていないとか、ダルくてカーボンとフィーリングが違いすぎて使いにくいとかいう人も多いけど、僕にとっては絶対必要なもの。
で、パワーグラスという名前のとおり、パワーのあるロッドなんで、力強いキャストができるし、ウィードも切りやすいし、ビッグフィッシュとのやりとりも余裕を持って対応できるし・・・ホンマのことを言うと、アメリカの達人たちはムービング系ベイトには全員がこんなパワフルなグラスロッドを使っている。それがすべてを表していると思うよ。
ただし、彼らの竿は重すぎたりダルすぎたりでホンマに使いにくかったりする。それだとさすがに日本人には体力的な面で厳しいところもあるので、グラスの柔軟性に力強さを加えたうえに、長時間投げ続け巻き続けるための使いやすさを融合してつくりあげた。
だから、逆に軽すぎる竿の方がトーナメントでプラクティスから1週間近くぶっ続けで巻き倒す場合なんかは、やり続けられない。
とにかくルアーの重さ、抵抗をしっかり受け止めるだけの重さ、パワーが竿側にも必要ということやね。重すぎず軽すぎず、その設定に時間を掛けて、柔軟な筋肉を持つアスリートのようなイメージの竿に仕上がったよ。
■ パワーグラス=ムービングバーサタイル
あと、The Hitの柳井原貯水池ロケではサーバルを使っていて、そのときも思ったけど、サーバルとしっかりした振動を持つジータとのコンビはルアーの振動の変化を感じやすいんで、それが乱れたときのバスの前アタリを感じとることができたのも、あれだけの釣果につながった要因やね。
ホンマただ単にダルいだけのグラスロッドじゃないねん、パワーグラスは。世界基準どころか世界最高のグラス(コンポジット)ロッドだと自信を持って言えますわ!
オセロット68
バブルトルネード3/8oz、ウェイクマジック、TC60、コンバットクランク60、コンバットクランク120、コンバットクランク180、そしてワイルドハンチSRとワイルドハンチ、ラトルインワイルドハンチに。
スピナーベイトの場合はシングルフックでこっちから掛けにいく釣りなので、今はカーボンロッドを使っているけど、ショートディスタンスでの釣りではパワーグラスもありだと思うな。僕自身もこれからいろいろ試してみようと思っている。
あと、同じグラス(コンポジット)ロッドのタクティクス・スーパーノヴァXTはワイルドハンチの重さ、引き抵抗に合わせた、ワイルドハンチ専用の超特化モデルなんやけど、パワーグラスは1本1本の使用範囲も広いうえに、さらに3本あればほぼすべてのムービングベイトを扱えるんで、ムービングバーサタイルと言ってもいいね。
僕の「巻く釣り」を広く支えてくれる、ホンマに使える範囲が広いロッドなんですわ。
■ パワーグラスの性能を100%引き出すために
The Hitの柳井原貯水池だけじゃなく、今年の霞ヶ浦水系のロケでも大活躍してくれたしね。ポストスポーン時期に行われた「ネバギバ The 2nd」のロケではバブルトルネード3/8ozとオセロットの組み合わせで40オーバー。
特に本気の試合でこれは超重要なこと。そのためにこだわったのがティップの張り。いろんな意味でルアーの引き抵抗に合った張りが必要なんやけど、それを調整するのにものすごく時間が掛かってしまったんやね。
まずはバイトがあったときに、できるだけ口の奥にルアーを吸い込ませることがバラシにくさにつながるのはわかると思うけど、「吸い込み=ティップを柔らかく」と安直に考えてはダメ。
だから吸い込みを良くしようと思えば、逆にティップに適度な張りを持たせないとアカンねん。それでルアーの引き抵抗に負けずに、そこからさらにバイトに対しての吸い込みシロが残るんやね。
あとは、素材やテーパーを調整して弱いバイトに対しても、しっかり入ってくれるようになっている。求めていることはシンプルやけど、ホンマ奥が深い繊細な世界やねん。でもその結果が霞水系ロケではバラシゼロ、柳井原貯水池ロケでは1/30。これって驚異的な数字だと思いません?
とはいえ何でもかんでも強くアワせるということではなく、アタリの種類に応じてアワセ方を変えていくことが大事。大雑把に言うと、「グウッー」と重くなるアタリはスイープに、「ガツッ」と当たってきた場合はガンと合わせる感じで、アタリに応じて合わせ方を変えていく。
いずれにしても手だけで合わせるのではなく、腰を使ってがっちり合わせることが基本なんで、そこらへんを意識して実践することで、パワーグラスの性能を100%引き出せるようになるよ。
最後に、これから水温が下がってくるとジータの出番が多くなるというのは前にも言ったけど、同じく状況が厳しくなればなるほどパワーグラスの性能が活きてくるんで、冬に向けて厳しい時期がやってくるけど、それを乗り切るための最強コンビでデカイ魚を狙ってくださいね。
ロッド:ヘラクレス HCSC-611MHG サーバル
ライン:フロロカーボンライン 14lb
ルアー:ジータ
清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/
関連記事
-
- 清水盛三が語る 最強コンビ、ジータ&パワーグラス 前編
- 清水盛三の「巻く釣り」がさらなる進化を遂げる。バイブレーションプラグの常識をはるかに超えた強波動リップレスクランクベイト「ジータ」が炸裂! ムービングバーサタイ ...
-
- 清水盛三が語る
バスマスタークラシックで実践したクランキングテクニック - 2014年2月21~23日アメリカ・アラバマ州レイクガンターズビルで行われたバスマスタークラシック。清水盛三がその戦いを振り返ります。 連日ビッグバスをキャッチ ...
- 清水盛三が語る
-
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第3戦
春のクリアリザーバーでワイルドハンチが炸裂 - 2014バスマスターエリートシリーズ第3戦の舞台はミズーリ州テーブルロックレイク。 日本のリザーバーと似た景色を持つこの湖で、清水盛三のクランキングが炸裂。ワイ ...
- 清水盛三が語る バスマスターエリートシリーズ第3戦
-
- 飯田秀明 オカッパリでもパワーグラス・レパードが大活躍
- こんにちは。エバーグリーンフィールドスタッフの飯田秀明です。 春一番が吹いた後の、霞水系にオカッパリで出撃してきました。 ...
-
- ブレットハイト
チャターベイトにグラスロッドを使う本当の理由 - 本場アメリカのビッグトーナメント、FLWツアー第1戦&バスマスターエリートシリーズ第1戦でビッグウエイトを叩き出し優勝に輝いたブレット・ハイト。 「この2試合と ...
- ブレットハイト