2013.12.27 (金)

清水盛三が語る 最強コンビ、ジータ&パワーグラス 後編

秋の巻き物シーズンだけではなく、低水温期にも強いのがジータの特徴で、冬場や他の釣りで釣れないときほど釣れるルアーと言えるかなぁ。なぜなら、冬といえばスロー、ディープ、そしてリアクション。それらすべての条件を満たしているジータの出番は必然的に多くなるからね。

そして、ジータの能力を最大限発揮させようと思えば絶対にロッドはパワーグラス・シリーズ。特にサーバルとの組み合わせは最強コンビやね。(前編より)

■ パワーが必要なもう一つの理由

ジータには幅広い対応力があるんで、ロッドを選ばないところもあるけど、僕がジータをテストするのに同時にテストしながらずっと使ってきたのがサーバルなんで、このロッドで100%能力を発揮するような設定に自然となっているよ。

ただ、グラス(コンポジット)ロッドと言うと、特殊で使用範囲が狭いから持っていないとか、ダルくてカーボンとフィーリングが違いすぎて使いにくいとかいう人も多いけど、僕にとっては絶対必要なもの。

なぜなら、僕には「巻く釣り」と「撃つ釣り」という2つのメインの釣りがあって、その一方のメイン「巻く釣り」のなかでもメインになるのがパワーグラスだからね。

で、パワーグラスという名前のとおり、パワーのあるロッドなんで、力強いキャストができるし、ウィードも切りやすいし、ビッグフィッシュとのやりとりも余裕を持って対応できるし・・・ホンマのことを言うと、アメリカの達人たちはムービング系ベイトには全員がこんなパワフルなグラスロッドを使っている。それがすべてを表していると思うよ。

ただし、彼らの竿は重すぎたりダルすぎたりでホンマに使いにくかったりする。それだとさすがに日本人には体力的な面で厳しいところもあるので、グラスの柔軟性に力強さを加えたうえに、長時間投げ続け巻き続けるための使いやすさを融合してつくりあげた。

でも、ただ軽くすればいいというのとは違う。ムービングベイトって基本引き抵抗があるんで、軽すぎる竿や柔らかすぎる竿を使っていると、その抵抗を竿が受け止めきれないんで、むしろ体にすごく負担が掛かるねん。

だから、逆に軽すぎる竿の方がトーナメントでプラクティスから1週間近くぶっ続けで巻き倒す場合なんかは、やり続けられない。

とにかくルアーの重さ、抵抗をしっかり受け止めるだけの重さ、パワーが竿側にも必要ということやね。重すぎず軽すぎず、その設定に時間を掛けて、柔軟な筋肉を持つアスリートのようなイメージの竿に仕上がったよ。


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■ パワーグラス=ムービングバーサタイル

あと、The Hitの柳井原貯水池ロケではサーバルを使っていて、そのときも思ったけど、サーバルとしっかりした振動を持つジータとのコンビはルアーの振動の変化を感じやすいんで、それが乱れたときのバスの前アタリを感じとることができたのも、あれだけの釣果につながった要因やね。

ホンマただ単にダルいだけのグラスロッドじゃないねん、パワーグラスは。世界基準どころか世界最高のグラス(コンポジット)ロッドだと自信を持って言えますわ!

で、パワーグラスに3本をラインナップしたのは、すべてのムービングベイトを網羅するため。ルアー自体の重さや引き抵抗に応じて使い分けができるように、長さ、硬さの違うものをつくった。

オセロット68
バブルトルネード3/8oz、ウェイクマジックTC60コンバットクランク60コンバットクランク120コンバットクランク180、そしてワイルドハンチSRワイルドハンチラトルインワイルドハンチに。

サーバル611
バブルトルネード1/2oz、ジータコンバットクランク250コンバットクランク320コンバットクランク400、さらにはビッグシャロークランクやチャターベイトに。
レパード73
コンバットクランク400コンバットクランク480ゴールドディガー600、さらにはジータの大遠投なんかに。

スピナーベイトの場合はシングルフックでこっちから掛けにいく釣りなので、今はカーボンロッドを使っているけど、ショートディスタンスでの釣りではパワーグラスもありだと思うな。僕自身もこれからいろいろ試してみようと思っている。

あと、同じグラス(コンポジット)ロッドのタクティクス・スーパーノヴァXTはワイルドハンチの重さ、引き抵抗に合わせた、ワイルドハンチ専用の超特化モデルなんやけど、パワーグラスは1本1本の使用範囲も広いうえに、さらに3本あればほぼすべてのムービングベイトを扱えるんで、ムービングバーサタイルと言ってもいいね。

僕の「巻く釣り」を広く支えてくれる、ホンマに使える範囲が広いロッドなんですわ。


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■ パワーグラスの性能を100%引き出すために

The Hitの柳井原貯水池だけじゃなく、今年の霞ヶ浦水系のロケでも大活躍してくれたしね。ポストスポーン時期に行われた「ネバギバ The 2nd」のロケではバブルトルネード3/8ozとオセロットの組み合わせで40オーバー。

夏の「バーニング帝国」ロケではワイルドハンチSRオセロットの組み合わせで6本。コンバットクランク320サーバルの組み合わせで2本。サイズ的にはアベレージやったけど、昼からのロケで、しかもあの釣れない霞水系ですよ。

こんな厳しいフィールドではミスをしないことが絶対。今までいろいろ説明してきたけど、ホンマはそのためのパワーグラスやねん。実際、使いやすいという以前に、パワーグラスに関して100%言えることは、バラシにくいということ。

特に本気の試合でこれは超重要なこと。そのためにこだわったのがティップの張り。いろんな意味でルアーの引き抵抗に合った張りが必要なんやけど、それを調整するのにものすごく時間が掛かってしまったんやね。

まずはバイトがあったときに、できるだけ口の奥にルアーを吸い込ませることがバラシにくさにつながるのはわかると思うけど、「吸い込み=ティップを柔らかく」と安直に考えてはダメ。

なぜなら、ティップを柔らかくすればするほどムービングベイトの巻き抵抗に負けて、リトリーブしているだけでティップが曲がり切ってしまう。そうするとバイトがあっても、もうそこからティップが入らないよね。

だから吸い込みを良くしようと思えば、逆にティップに適度な張りを持たせないとアカンねん。それでルアーの引き抵抗に負けずに、そこからさらにバイトに対しての吸い込みシロが残るんやね。

あとは、素材やテーパーを調整して弱いバイトに対しても、しっかり入ってくれるようになっている。求めていることはシンプルやけど、ホンマ奥が深い繊細な世界やねん。でもその結果が霞水系ロケではバラシゼロ、柳井原貯水池ロケでは1/30。これって驚異的な数字だと思いません?


ただし、ただ単にグラスを使えばバラさないというのは間違い。ちゃんとフッキングしないとダメ、絶対に。せっかく吸い込ませた後にフックのカエシまでしっかり差し込むことが必要やねん。グラスロッドは勝手に掛かってくれると勘違いしている人も多いんじゃないかなぁ。でも、フッキングしないとバレる。

とはいえ何でもかんでも強くアワせるということではなく、アタリの種類に応じてアワセ方を変えていくことが大事。大雑把に言うと、「グウッー」と重くなるアタリはスイープに、「ガツッ」と当たってきた場合はガンと合わせる感じで、アタリに応じて合わせ方を変えていく。

いずれにしても手だけで合わせるのではなく、腰を使ってがっちり合わせることが基本なんで、そこらへんを意識して実践することで、パワーグラスの性能を100%引き出せるようになるよ。


あと、レパードについては、実はまだ最終調整中なんやけど、コンバットクランク480の中層高速引きや、グラスに引っかけて切るような釣りでいい結果が出ているんで、またの機会にでも詳しく説明できればと思っている。

最後に、これから水温が下がってくるとジータの出番が多くなるというのは前にも言ったけど、同じく状況が厳しくなればなるほどパワーグラスの性能が活きてくるんで、冬に向けて厳しい時期がやってくるけど、それを乗り切るための最強コンビでデカイ魚を狙ってくださいね。

■タックルデータ
ロッド:ヘラクレス HCSC-611MHG サーバル
ライン:フロロカーボンライン 14lb
ルアー:ジータ

清水盛三オフィシャルサイト「NEVER GIVE UP」
http://www.morizoshimizu.jp/
清水盛三オフィシャルブログ“I HAVE NO LIMIT”
http://ameblo.jp/king-morizo/


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